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市会報告

西村よしみ 議員

10年12月10日(金)

「地方財政の充実・強化を求める意見書」に対する反対討論 10年11月定例市会 閉会本会議討論

 

 私は、日本共産党議員団を代表して、ただいま提案されています「地方財政の充実・強化を求める意見書」(案)について、反対討論をいたします。

 地方財政は、地方自治体が「住民の福祉の増進」をはかるため、本来の使命と役割を十分に発揮する財源を保障すべきであります。しかし、自民党・公明党政権時代の構造改革路線のもと、三位一体改革で、地方への交付金が大幅に削減されました。

 いま地方自治体には、この構造改革路線ときっぱりと決別することが求められています。

 2010年度地方財政計画について、「地方交付税を1・1兆円増額」と、あたかも大幅であるかのように言われています。

 もともと地方交付税は、地方税収が少ない地方自治体の財源を保障するための制度で、地方税収が減ればそれに応じて地方交付税が増える。逆に地方税収が増えればそれに応じて地方交付税は減るという仕組みです。すなわち、「地方交付税が1・1兆円増額」と言われても、経済危機の反映で地方税収が3・2兆円も減っているのですから、地方交付税を増やすのは当然の措置であります。

 地方財政を確立するためには第一に、雇用の確保、中小企業への支援など、地方税収を増やすための仕組みを強化すべきです。特に雇用問題は深刻です。国民所得が減少した最大の要因は、労働分野の規制緩和のもとで、派遣をはじめ非正規雇用を増加させ、賃金を下げたことであります。

 しかし、2010年度 国の予算における新規雇用対策は、雇用保険の加入要件を緩和する措置や、失業後一年間の医療費負担を軽減する措置だけです。失業が長期化するなかで求められている失業手当の全国延長給付の実施にも背を向けています。

 何よりも重大なのは、労働者派遣法の改正の内容を後退させていることです。このことは、雇用確保にも応えるものではありません。

 第二に、地方財政を確立するためには、国庫負担金や補助金の廃止・縮減をやめることが必要です。そして地方交付税の復元とともに増額をし、本来の財源保障と調整機能を回復・強化して、福祉や教育などの改善・充実をすべきであります。

 第三に、国の直轄事業負担金制度については、"必要な事業は国の責任と負担でおこなう"方向で、見直すべきです。国が事業の維持管理などの負担を、地方に押しつけることは認めることはできません。

 地方の財源確保のために「地方消費税の充実」を求めることをあげていますが、これは地方財政の悪化を地方消費税の引き上げでまかなう方向であり認めることはできません。

 いま、国が地方交付税加算金1・5兆円を、来年度予算で廃止する方向を明らかにしていることは、地方財政の充実・強化に逆行するものであり、廃止すべきでないことも併せて指摘しておきます。

 以上を述べて討論と致します。