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市会報告

赤阪 仁 議員

09年12月10日(木)

「東九条地域小・中学校(仮称)新築工事請負契約の締結」に対する賛成討論 09年11月定例市会 閉会本会議討論

 

 議第168号京都市立南区東九条地域小学校(仮称)及び、京都市立南区東九条地域中学校(仮称)新築工事請負契約の締結の条例案について日本共産党京都市会議員団は住民、PTA役員や、児童・生徒も参加したワークショップなど一定の合意形成がなされていること、老朽校舎の改善となるものであり賛成します。その上でいくつかの点を指摘します。

 第一に、そもそも、法律上、小・中一体型の学校としての存在が規定されていないものをつくることによる子どもの教育的問題が懸念されます。今回の条例案の南区の小・中学校の新築工事の請負契約の内容は、教育特区をもとに、小学校と中学校を同じ学校敷地内に詰め込む小・中一体型の学校を建設するものです。発達段階の違う6歳から15歳までの子どもたちが、同一校で学ぶには、発達段階にふさわしい教育条件を整備する必要がありますが、審議の中で理事者は、プールは小学校の1つで間にあわせるとしています。小学校、中学校のそれぞれの発達段階に応じた、一人ひとりを大切にする教育を進める教育条件整備を行うことを求めるものです。

 第二に、学校統廃合は、子どもの教育と地域社会の存続の双方にかかわります。それだけに、子どもを含む住民で統廃合の是非についてよく話し合い、合意を尊重することが不可欠です。地域においては地元の要望がだされ、一定のPTA、自治連合会での形式的意思形成はされているものの、建設にあたっての地元住民合意の形成は未だ不十分さが残っています。引き続き、全地域・住民を対象に合意形成のための説明会などを開き、行政としての説明責任を果たすことを求めるものです。

 第三に、学校統廃合の条件問題です。国は1956年に小中学校の「適正規模」を12~18学級とし、それが学校統廃合の基準となっています。また、1973年に当時の文部省は、"学校規模を重視するあまり無理な統廃合を行うことは避ける""小規模校として残し充実させるほうが好ましい場合もある""住民の理解と協力を得て進める"などの通達を出しています。国際的にも、世界保健機関が「教育機関は小さくなくてはならない。生徒百名を上回らない規模」が好ましいと指摘するなど、小さいサイズの学校が志向されています。子どもの教育という点では、子ども同士あるいは教師との人間的なつながりの深さ、少人数だからこそできる温かみのある教育活動など、小規模な学校のよさは広く認められています。今回の南区の統合校は、小・中併せて、子どもの数はほぼ変わらないのに、教員数だけは管理職、養護教諭を含めて71人から、開校予定時には50人へと大幅に減少します。教育委員会の見通しでは先生一人当たりの児童数は、統合前後を比較すると、現状の中学校は12.6人から12.2人とほとんど変わりませんが、3小学校は先生一人当たり10.5人から18.2人ですが、統合後は23.4人と大幅に増加します。子ども一人ひとりに「わかる喜びをすべての子どもたちに」保障する少人数学級は、後退するのではないかと危惧されます。

 第四に、老朽校舎の新築・改修は京都市立学校の長年の課題であり、地元からも、要望が多く要望が出されています。今回の統合校は、それぞれ、築50年から30年以上経過した建物、老朽化したものであり、建て替えが必要な学校といわざるをえません。ところが今回の南区の小中学校の統廃合は、この建て替えを条件に現在の陶化中学校に一つの学校として新築建設がおこなわれ、元の3つの小学校が休止になり、第二グランドとして使われる予定と聞いています。

 しかし地元住民・子どもたちにとって身近な学校に通えないというのは問題です。 学校は、運動会やお祭り、文化祭などをふくめて、地域の拠点としての役割も担っています。子どもが少なくなったからといって統廃合をすすめれば、集落や地域のコミュニティーの崩壊、地域社会の荒廃という取り返しのつかない事態を招きかねません。   

 子どもは地域の宝です。「地域の子どもは地域で育てる」という教育方針からも、全市の子どもたちの安全・安心の学校づくりのためには、地元要望を踏まえ、必要な校舎建設と増改築・耐震補強工事等を進めることを求めるものです。

 以上、求めまして私の討論を終わります。ご静聴ありがとうございました。