トップ > 市会報告 > 2009年 > 09年2月定例市会 >

市会報告

とがし豊 議員

09年3月19日(木)

左京区総合庁舎整備の契約締結に対する反対討論 09年2月定例市会 閉会本会議討論

 

 議第167号・左京区総合庁舎整備等事業実施契約の締結について、日本共産党市会議員団を代表して反対討論を行います。

 老朽化した左京区役所の整備は必要な事業でありますが、移転に関しては様々な意見があり、日本共産党市会議員団は、住民合意による整備を求めているところです。そこで、今回提案された契約締結の議案について、2点にわたって、その反対理由を申し述べます。

 第一に、事業手法・契約金額そのものもが市民に対して説明がつかないという点であります。審議の中で、設計・建設費部分は42億3400万円、15年間の維持管理費が9億8900万円であることが判明しました。この維持管理費は年6600万円に相当し、同規模の東山区役所の年間維持費2600万円と比べて2.5倍にもなっています。また、適正な価格で落札したとする根拠や予定価格の内訳すら示されていません。今回の新庁舎整備は土地代も含めれば約70億円もの巨費を投じる事業であります。財政危機の大キャンペーンが行われる中で、これだけの巨費を投じた事業であるにもかかわらず、透明性が確保されないことがPFI手法の特徴であり、これでは市民の納得は得られません。また、PFI手法をとることによってかえって維持管理費が膨れ上がるという問題点を抱えたまま、契約締結を認めるわけにはいきません。

 第二に、この左京区総合庁舎整備にあたって前提としてクリアーしなければならない課題に対して、京都市は具体的な解決策を示していないという問題であります。

 交通アクセスの問題では、区役所・福祉事務所・保健所の移転予定地は、最寄りのバス停から徒歩10分、人によっては15分以上もかかる場所に移転するにもかかわらず、交通アクセスについては「採算性も含めて検討する」との答弁に終始しています。交通アクセスを確保するという確約がされていません。

 また、松ヶ崎住民からは車の違法駐車などが新庁舎予定地周辺に溢れかえるのではないかなど、地域に過大な環境負荷が加わることを危惧する声があがっていますが、来庁者数の実態把握すら行わぬもとでの計画になっています。岩倉住民からは岩倉出張所の存続を求める声、吉田以南の住民からは吉田の現庁舎に支所機能を含む公的な施設の設置を求める切実な声があがっています。しかし、この点についても京都市は「検討」との答弁を繰り返すばかりであり、なんら解決策を示していません。このような状況の下で、契約議案に賛成することは、行政への白紙委任に等しく、到底市民の理解を得られるものではありません。

 左京区民が納得できる庁舎建設になるように計画の見直しをもとめて、今契約議案への反対討論とします。