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市会報告

井坂博文 議員

08年12月16日(火)

同和奨学金返還免除条例に対する修正案の提案説明 08年11月定例市会 本会議提案説明

 日本共産党市会議員団は付託されました議第106号「京都市地域改善対策奨学金等の返還の債務の取り扱いに関する条例の制定について」に対して、修正案の提案をしておりますので議員団を代表して、その提案説明を行います。
 修正案の内容は、お手元に配布してありますように第3条の一項「平成13年3月31日以前に返還の始期を迎えた債務については、その全部を免除する」との文言を全文削除することであります。すなわち、自立促進援助金制度を廃止し、同和奨学金借受者に奨学金の返還を求めるかぎりは、少なくとも援助金支給を執行停止している2007年度分まで遡り、20年間の返還が終了していない借受者全員に返還請求することであります。
 修正を求める第一の理由は、新たに同和奨学金の返還を一律に免除することは、市民的に理解も納得もできないからであります。
 京都市監査委員の調査によれば、奨学金の対象者の世帯で所得が700万円以上の世帯が平成13年度で48%、14年度では51%となっています。本条例案が原案通り可決されれば、これだけの所得がありながら、返還の請求もされないまま一律に免除されることになるのです。こんなことが認められるでしょうか。
 返還請求を放棄する規模は、2200人、18億円にも及ぶと試算されております。市長は「京都未来まちづくりプラン」において、財源不足を理由にプール制への補助金を見直し、学童クラブ利用料など料金値上げを提案しています。その一方で今後18億円もの債権を一方的に放棄することは、行政の公平性からみても到底認められるものではありません。
 修正を求める第二の理由は、一律の返還免除が法的にも明確な根拠がないからであります。地方自治法は第240条「債務の免除」において、「債権放棄、債務免除は政令の定めるところによる」と明記し、地方自治法施行令171条は「地方公共団体の長は債権について・・・督促をしなければならない」と明記し、その上で同171条の7項において「無資力(資産の力がない)」および「弁済する見込みがないとき」債務を免除できる、としているのであります。  
 したがって、資力があるにもかかわらず返還を請求せず、債権を放棄し債務を免除することは、明確な地方自治法に違反していると言わざるをえません。
 修正を求める第三の理由は、本条例によって奨学金の返還を一律に免除する仕組みをつくることは、明確な同和特別扱いそのものであり、市民の行政不信を助長し、同和問題の解決に逆行するものであるからであります。
 そもそも自立促進援助金を創設した際に、奨学金貸与と援助金支給を表裏一体にして運用し「返さなくてもよいから」と説明し、住民に押し付けてきた行政の責任は重大であります。本会議において市長が「市民と議会におわびしたい」と言われた言葉が真実なのであれば借受者全員に誠意をもって謝罪し、資力のある方には返還を求めるのが筋ではありませんか。
 最後に、本条例が成立すれば、市民団体が住民訴訟を起こすことは避けられません。その場合、司法判断で行政の敗訴の可能性も大いにあります。その時になって一律返済免除を見直しても遅い、ということを強く指摘し、修正案の提案説明とします。