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市会報告

倉林明子 議員

08年5月22日(木)

倉林明子議員の代表質問と答弁の大要 08年5月定例市会 本会議代表質問

 日本共産党京都市会議員団を代表して市長ならびに関係理事者に質問いたします。
 冒頭、中国四川大震災、ミャンマーのサイクロンで被災されたみなさんに心からお見舞いを申し上げます。日本共産党は、政府としてさらなる支援を強く求めるものです。

後期高齢者医療制度は廃止しかない

 はじめに、4月1日にスタートした後期高齢者医療制度について質問します。
 保険料の通知が届いた直後から、各区役所には電話や来所による相談や苦情が殺到し、わずか1ヵ月あまりで5万件を超えています。「少ない年金から勝手に引かれた」「不安で夜も眠れない」など多くの高齢者に怒りと不安を広げています。厚生労働大臣は良い制度だと開き直り、周知徹底が不十分だと、地方自治体の窓口に責任を転嫁する発言をしましたが、決してそうではありません。高齢者に差別医療を持ち込む制度そのものが悪いから高齢者の怒りを引き起こしているのです。
 2006年、小泉首相のもとで自民党と公明党は、後期高齢者医療制度を柱とする医療制度改革関連法を強行採決。しかし、その後の参議院選挙での惨敗から、保険料徴収の一部凍結、前期高齢者の一部負担の実施先送りを決めたのは制度スタートのわずか5ヵ月前でした。京都市でも保険料通知が3月にずれこんだ最大の要因はこうした政府の対応の遅れに他なりません。
 当時の厚生労働大臣坂口氏が公明新聞に登場し保険料について、「国保に加入していた人は大きな違いはないし、年金だけで生活している人は大体、保険料は今までより安くなると試算されている」と説明しています。しかし、75歳以上のすべての高齢者から死ぬまで保険料を年金から強制的に天引きする、2年ごとの保険料引き上げなど値上げ自動装置付きで天井知らずに保険料があがる仕組みとなっています。実際、夫は75歳以上、妻が74歳以下の世帯では、夫の後期高齢者医療制度への強制加入により資格を喪失した妻が、新たに国保加入しなければならず、負担は3倍に跳ね上がったという例もあるのです。75歳以上でも保険料が払えなければ、無慈悲にも保険証を取り上げるというのです。
 さらに受ける医療にも差別が持ち込まれています。高血圧など慢性の病気なら一人の開業医を「かかりつけ医」とし月額6000円の定額払いが盛り込まれましたが、この範囲で安上がりの医療にとどめる狙いは明らかです。加えて入院でも「後期高齢者終末期相談支援料」の新設で、高額な延命治療を行わない計画をたてれば2000円が医師にわたる仕組みもつくられました。75歳以上になれば高額な延命措置は必要ないといわんばかりです。制度を知った高齢者が「お国のためと戦争にいき、戦後は何もないところから一生懸命働いてきた。老後になって命綱の病院にかかるのも迷惑がられる。最後はさっさと死んでくれというのか。」と訴えられました。高齢者を経済的に追い詰めるだけでなく、国から見捨てられたと思わせているのが後期高齢者医療制度ではありませんか。これまで、せめてもの親孝行と子どもが扶養家族としていた親さえも75歳という年齢だけで切り離されるのです。
 小手先の凍結や見直しではなく、ただちに廃止するよう国に求めるべきです。いかがですか。また、後期高齢者はもちろん資格喪失した配偶者も含めて、この制度導入のせいで無保険者を生んでいる事態は大問題です。保険証がなくて医療が受けられないなどあってはなりません。関係機関とも連携し、万全の対応を求めるものです。お答えください。
 さらに、この上、65歳以上の国民健康保険料も年金から天引きするなど、到底理解は得られません。すでに京都市では10月から保険料を天引きするとしていますが、今からでも中止すべきです。いかがですか。
 日本共産党は8日、党派や立場の違いを超えて、後期高齢者医療制度の撤廃の一点で力を合わせようと提案をいたしました。悪いものは悪いとご一緒に声を上げようではありませんか。

(保健福祉局長)多くの問い合わせが寄せられており、政府・与党が低所得者の負担軽減を中心に見直しを検討中。見直し内容を注視し、制度周知の徹底・見直し経費の確保を強く要望していく。被扶養者の国保加入手続きは、市内事業所に協力要請し、円滑な対応に努めている。国保料の徴収は法令に基づき実施する。

老老介護の不安の解消を

 高齢者が追い詰められているのは医療だけではありません。老老介護の末に無理心中という事件が相次いでいます。今年2月、中京区で86歳の夫が5年間介護してきた82歳の妻を、3月には下京区でも82歳の夫が79歳の認知症の妻を殺害し、自らも命を絶ちました。中京区の妻は民生委員もつとめ、地域の世話役として長年貢献されてきた方でした。ご夫婦仲良く散歩されている姿を私も見かけていただけに、残念でなりません。別居の家族の応援も受けながら寝たきりとなった妻を限界まで介護してきた夫が、妻を預けようと特別養護老人ホームを探したものの、どこも満杯と知っての心中です。50年60年の人生をともにしてきた夫婦の最後の選択が心中とはあまりにもむごいではありませんか。
 背景には絶対的な入所施設の不足があります。社会で介護を支えるとして介護保険ができて8年目、介護にかかる費用を高齢者自身にも負担してもらうという仕組みはつくられたものの、老老介護の最悪の事態を防げていないのも事実です。政府はさらに2012年までに療養型病床を6割以上減らし、高齢者を在宅へと誘導しようとしていますが、結局、高齢者にかける費用を切り捨てようということではありませんか。
 市長はマニフェストで「お年寄りは『経験と知恵の宝庫!』京都の誇りです」と掲げています。高齢者が置かれている現状は京都の誇りにふさわしい扱いと言えるでしょうか。認識をお聞かせください。療養型病床の削減計画の撤回を国に求めると同時に、入所施設の整備を進めるべきです。いかがですか。

(保健福祉局長)療養病床の受け皿づくりを定めた「府地域ケア確保推進指針」の再編を踏まえ、今年度に策定する「第4期京都市民長寿健やかプラン」において、必要とする方が適切なサービスを継続して受けられるよう、必要なサービス利用量や整備目標量を設定する。

社会保障の財源確保は政治の使命

 高齢者が誇りを持って生きられる日本にするために、年金、医療、福祉と拡大する社会保障費の財源をどう確保するのかが政治に問われています。
 政府がすすめるやり方は高齢者自身に痛みを押し付け、希望を奪い不安を拡大するばかりです。さらに基礎年金の財源を全額消費税増税でまかなう試算が発表されましたが、財源と言えば消費税しかないのでしょうか。高齢者や弱者に痛みを求める前に、やるべきことがあるはずです。資本金10億円以上の大企業の経常利益は30兆円を大きく超え、利益は拡大する一方なのに、減税を繰り返し行ったため、この20年間で法人三税の減収総額は152兆円にものぼります。大企業や高額所得者に対する税率をもとに戻すだけで、年間7兆円が確保できるのです。今回の後期高齢者医療制度で、削減額は年間最大5兆円、十分な財源が確保できるではありませんか。
 「大企業が栄えてこそ、いずれ国民も潤う」。この根強い考え方も変化してきています。なぜなら、大企業は史上空前の利益を上げ続けても、労働者の賃金は毎年減少するばかりで、一向に景気が良くならないからです。政府も、「企業の体質は格段に強化された」が、「家計への波及が遅れている」と、大企業中心の「成長」シナリオの破綻を事実上認めています。私は、あまりにも行き過ぎた大企業優遇を見直し、利益に応じた応分な負担を求めるべきではないかと考えます。いかがですか。

(山崎副市長)法人税率引き下げは、経済のグローバル化等に対応し、持続的な経済の活性化を実現する観点から実施されてきた。社会保障制度を支える安定的な歳入確保にむけ、歳出改革の徹底、公的サービスと国民負担のあり方など、税体系全般についての十分な国民的議論が必要。 

雇用の異常を正すべき

 高齢者だけでなく、若者の中にも不安が拡大しています。今や派遣労働者は321万人で、その多くが登録型派遣です。1999年の労働者派遣法改定で、原則自由化され急速に非正規雇用が拡大し、労働者全体の33.3%を占め、その8割がワーキングプアだというのです。
 京都でも各駅のターミナルに電話一本で集められた日雇い派遣の労働者がマイクロバスで運ばれる光景は珍しくありません。彼らの多くは、一日働いても日当は7000円前後、正規の半分から3分の1の賃金の上、年金も保険もありません。明日の現場も仕事の内容も見通しが全くたちません。食事も交通費も自分持ちで、家賃も払えないのでネットカフェで一晩を過ごす。使う企業の方も、一日限りの日雇いだから、まともな研修もしない、危険を伴う仕事も平気で任せる、「おれたちは人間だ。物でもロボットでもない。痛みも苦しみも感じる、生まれて良かった、生きていて幸せだと思いたい。」との告発が日本共産党に届いています。
 今、こうした若者たちが自ら立ち上がり、裁判や青年ユニオンなど労働組合でたたかい、企業に働き方を改めさせる大きな変化が生まれています。大企業の中にも非正規雇用を正規雇用に切り替える流れが確実に広がってきています。
 市長、10年後どころか明日の暮らしの希望も見えない若者を、大量に生み出す働かせ方は是正されるべきだと思いませんか。見解をお聞かせください。また、国に対して最悪の働かせ方である日雇い派遣の禁止、派遣や非正規雇用を拡大させてきた労働者派遣法を真に労働者を保護する法律に変えるよう働きかけることを求めるものです。
 京都市では、この4月から新たな雇用担当部長を設置し、雇用対策に総合的に取り組むとされたことは一歩前進です。さらに踏み込んだ対策を求めるものです。
 第1に、ネットカフェ難民の救済と自立支援です。東京都では、日雇いなどの非正規雇用で住居費も払えず、ネットカフェなどが生活拠点になっている人などを対象に、今年度から最大で110万円の無利子の貸付制度を新たに設けることになりました。「敷金」や「礼金」の費用も含むもので、若者については職業訓練を受ける場合は生活費を奨励金として無償で支給するものです。京都府とも協調して、ネットカフェ難民から抜け出せずにいる労働者に対し、住居や生活費の確保など緊急支援策が必要です。市営住宅の空き家活用や、生活資金の支援など具体的な施策の検討を求めるものです。
 第2に、非正規110番などわかりやすい相談窓口を設けることです。アルバイトや派遣で働く多くの若者が、無権利状態におかれているだけでなく、職場でもそれぞれがバラバラで相談できる相手がいないという悩みは深刻です。だれにも相談できずに「うつ」になったり、体を壊したりして、働けなくなればたちまち、生活の破たんが待っています。気軽に相談できてプライバシーを保護する信頼できる窓口をつくるべきだと考えます。労働基準法など法違反に対しても、他の機関と連携して対応できる体制を整備するよう求めるものですが、いかがですか。
 第3に、とりわけ深刻な事態となっている福祉・介護現場の労働者の処遇改善です。介護労働者は1年間で5人に1人が離職し、募集しても予定どおり人が集まらないという事態が広がっています。希望に燃えて就職した青年たちは、「働きがいがある」といいながらも「月収13万円では結婚もできない」と無念の思いで職場を去っているのです。正規職員や常勤パートでも、年収200万円に満たない事態は極めて異常です。現場は一刻の猶予もありません。市議会は全会一致で改善を求める意見書を可決しましたが、こうした全国の声も受けて今国会で「介護従事者等の処遇改善に関する法律」が全会一致で可決する見込みです。国に対し、現場の労働者の処遇改善につながる実効ある取り組みを求めると同時に、京都市としても処遇改善につながる支援策が必要です。いかがですか。

(市長)労働者派遣法改正以後、非正規雇用者が増加し、格差が拡大しており、将来に希望を持ちにくい状況が生じている。格差拡大が続くと、健康で文化的な生活、労働力確保、経済成長にも重大な影響を及ぼす。国をあげてとりくむ必要がある。京都市として、各種施策・事業を雇用対策という視点を加味して見直す。国・府と有機的な連携を図り、提言をおこなう。市民にもっとも身近な本市の役割を果たすべく努力していく。
 提案があったとりくみは、困難なことも多くあるが、福祉・介護職員の就労環境の改善は、適切な介護報酬の設定など必要な措置を講じるように、国に要望していく。

 非正規雇用の拡大は、民間だけではありません。京都市でも市長部局だけで2000人あまりの非正規の職員が働いています。非常勤嘱託で働く職員は、正規雇用の職員と全く変わらない仕事をしていても、賃金は半分以下、手取りは月額14万円台、諸手当もつかず、年末は雇い止めになるのではと、毎年不安におそわれています。
 こうした職員を拡大してきた要因に、職員削減ありきの京都市の行財政改革があります。前市長は、職員を3439人減らしたと自慢していましたが、非正規雇用の拡大、民間委託や指定管理者制度の活用など、正規雇用を安上がりの労働力に置き換えたのではありませんか。官製ワーキングプアともいえるこうした問題が取り上げられた今年3月の参議院予算特別委員会で総務大臣は、「同じ業務で働く人に(賃金や権利の)違いがあってはならない」「公共団体での非常勤の職員の人たちの問題というものについて直視をして検討していかなければならない」と答弁しています。
 京都市でもすべての職場や指定管理者の現場の非正規雇用の実態を総点検し、直ちに改善すべきだと考えますがいかがですか。さらに市長は、4年間で職員1000人以上の削減を打ち出していますが、仕事の量が変わらないのに職員を減らし、官製ワーキングプアの拡大につながる職員削減計画は撤回すべきです。合わせて、国に対して地方自治体に強制的なリストラを迫る行革推進法の見直しを求めるべきです。いかがですか。

(総務局長)厳しさを増す財政状況において、高品質・満足度の高い市民サービスを最小の経費で提供するには、間断なき行財政改革の推進は避けられない。指定管理や業務委託などの活用で、職員数の適正化・経費節減を図ることは重要。本市や指定管理者が様々な形態の雇用をおこなうことは否定されるべきものではない。

行財政改革のやり方を改め、高速道路未着工3路線の中止を決断すべき

 地方の行政改革を進めよという政府の掛け声を先取りし、全国一の行革に取り組んできたのが、これまでの京都市でした。
 2004年度から本格的に取り組まれた京都市財政健全化プランでは、2008年度までの財源不足額が1645億円となり、放置すれば財政再建団体になるとまるで市民を脅すようなやり方で、行財政改革が必要だと説明してきました。職員削減と市民には負担増やサービスの切り捨てが毎年実施されてきたのです。
 今回の補正予算はどうでしょうか。すでに骨格予算で職員削減222人を実施、肉付けで事務事業の見直しで削減した分は32億円にものぼっています。緊急通報システムや障害者の福祉電話の基本料金と通話料の完全有料化、配食サービス助成1食100円の削減など高齢者や障害者の負担増に直結するものが含まれています。ひとり親家庭対策の拡充や大規模学童の分割、児童福祉施設への助成など切実な市民要望を局が予算要求したにもかかわらず見送られたものも少なくありません。一方で、高速道路関連では油小路線鴨川西ランプの36億4700万円が計上されることとなりました。高齢者の弁当代を100円値上げする一方で、ガラガラの高速道路には惜しげもなく税金をつぎ込むやり方は改めるべきです。市民のくらしや福祉の向上につながってこその行財政改革ではないでしょうか。

(市長)これまでから積極果敢に行財政改革を進め、市民の福祉の充実を図ってきた。地方交付税等の削減による極めて深刻な財政状況の下、マニフェストに掲げる124の施策を達成することが使命。そのために財政健全化のとりくみをさらに加速させることが急務。本年度予算でも徹底した行財政改革の推進で特養ホーム整備、発達障害児施策拡充など福祉と教育の予算を確保し、市民生活と経済活動を支える道路網など都市基盤整備も進める。 

 国や地方の借金を加速させてきたのが際限のない高速道路建設です。ガソリン税などの使途を道路整備に限り、その予算を義務づけた道路整備財源特例法が、こうした建設を可能としてきたのです。与党は4月30日にガソリン税などの暫定税率復活を含む法案を再議決し、2.6兆円もの実質的な大増税を強行しました。福田首相は来年度から道路特定財源を一般財源化すると明言しながら、必要な道路はつくれるという矛盾した内容を盛り込んだ道路整備財源特例法案を再議決しました。結局これまでと同様に道路財源を確保するということではありませんか。国も地方も借金の泥沼に陥れる高速道路建設ありきの法改定を認めるわけにはいきません。
 京都市高速道路建設の在り方も大きく問われています。油小路線と新十条通を接続する斜久世橋区間とランプの建設用地を確保するために、旧浜口染工跡地を買収し、移転補償をするだけでなく、京都市所有の土地を代替え地として売却していたことが先日明らかになりました。二条駅の五角形用地、太秦天神川用地、内職補導センター跡地はいずれも貴重な一等地です。合計すれば1万㎡を超え、総額61億6900万円の土地を市民にも議会にも相談することなく、一民間企業に売却するなどあまりにも乱暴です。何が何でも斜久世橋工区を2010年度末の完成ありきで市民も議会も無視した強引な、問答無用のやり方は到底認めることができません。改めて白紙に戻して議論し直すべきだと考えます。
 さらに、市内高速道路未着工の3路線は、採算の見通しもなく、京都市が事業主体として名乗りを上げなければ白紙になるのです。市長が決断すればやめられます。「4年間はつくらない」と問題の先送りをするのではなく、中止を明言すべきです。お答えください。

(山崎副市長)油小路線直線区間、新十条通、斜久世橋区間の整備は、渋滞緩和や所要時間の短縮など、環境改善や活力のあるまちづくりに寄与。指摘の市有地は、適正な手続き、適正な価格で譲渡した。残る3路線は、総合的な交通体系構築、財政状況等を勘案し、必要性も含めあり方を検討していく。

 職員不祥事の根絶、「同和特別扱い」の中止を

 次に、職員不祥事の根絶と同和問題について質問します。
 職員の不祥事は相変わらず続発しています。「不祥事根絶のための改革大綱」策定後の懲戒処分は06年29人、07年は87人、合計116人、保育料などの滞納、大量の服喪休暇を騙ったずる休みなどが続いています。市長は「不祥事を根絶する条件は整った」と前市長が策定した改革大綱に固執していますが果たしてそうでしょうか。市長就任後も上下水道局では職員の中抜けとずさんな勤務管理が、長期間にわたって放置されてきたことが明らかになりました。「大綱」制定から1年10ヵ月、罰則をいくら厳しくしても不祥事がなくならない事は事実が示しています。市長はこれでも「大綱」を実施すれば不祥事が根絶できるとお考えなのでしょうか。見解をお聞かせください。
 深刻なのは、解体的な出直しを求められていた環境局で、幹部が出勤簿を他人に押させ職場離脱を繰り返し、ゴルフの練習などをしていたことが発覚した事です。この幹部はまち美化事務所の所長を歴任し、指導力を発揮したことを買われて部長に就任、まち美化事務所などを担当する管理職となったのです。不祥事の監視役が自ら不祥事をしていたのですから、お話にもなりません。「指導力」いわゆる「抑え」が利いたのは、彼が部落解放同盟の元幹部だったからに他なりません。その力に依拠して、まち美化事務所をおとなしくしたかったからこそ、部長にしたのではありませんか。彼の不正や不当な行為を見て見ぬふりをして、特別扱いを許したのは、それでも職場を抑えてほしいということではありませんか。つまり、不祥事を洗い出すことより、不祥事が表に出ることを防ぐための人事だったことは結果を見れば明らかです。「個人の資質に問題があった」と副市長は答弁しましたが、資質を知った上で任命した責任が厳しく問われます。前市長と一体となって市政運営を長年担い、その路線を引き継いだ市長の責任は免れないと思います。いかがですか。こういうやり方が続けられるなら、市民の信頼はもとより、職員のやる気も得られません。運動団体の幹部や職場ボスに、職場の実権がわたる異常な事態こそ一掃すべきだと考えます。お答えください。
 さらに、疑惑の解明は不十分なまま、退職金を規定どおり受け取って退職する事例も相次ぎました。親族が営む業者に錦林改良住宅の駐車場工事の下請けに参入させるよう実質的に働きかけをしていた市の職員は、部落解放同盟の支部長でした。京都市の対応に組織的な問題はなかったのか、裁判でも京都市の行政に対する透明性や公平性に対する問題が指摘されたにもかかわらず、職員が退職すれば終わりでよいのか。また、コンパニオンの派遣会社で部長と呼ばれていた環境局まち美化事務所の職員は、禁止されている副業行為をしていた疑惑が濃厚なまま退職金を受け取ってやめました。市長が教育長時代も職員を退職させた直後に覚せい剤取締法違反で逮捕されるなどの事案もありました。不祥事隠しとの批判を受けない取り組みを求めるものですが、いかがですか。

(服務監)「大綱」策定以降のとりくみで、職員の意識・行動が変化。しかしまだ一部に自覚の足りない職員、職場環境の甘さが残っているのも事実。信賞必罰の徹底、管理監督責任の厳格化とともに、市民感覚・目線が入るような仕組みづくりにつとめ、必ずや不祥事を根絶する。徹底した調査に基づき厳正に対処してきた。不祥事隠しとの批判は誠に心外。運動団体や職場ボスに実権が渡っているとの指摘だが、そのような実態はない。特定の団体・個人への特別扱いも一切ないと認識している。

 先日開催された同和行政終結後の行政の在り方総点検委員会で、市長は同和行政の成果を上げながら「長い間の同和施策の推進の中で負の側面があったことも率直に認めなければならない事実」だと述べました。職員の度重なる不祥事は、京都市行政に対する市民の信頼を失い、不信を拡大してきたことはいうまでもありません。2001年で同和行政は終わったと言いながら、同和特別扱いを温存してきたことが市民の不信を拡大してきたのです。点検委員会の結論を待つまでもなく、同和奨学金の返済肩代わりである自立促進援助金など特別扱いをきっぱりやめる明確な方針を持つべきです。いかがですか。

(文化市民局長)住民訴訟において違法との判決を受けたことを重く受け止める。返還の必要なしとの説明を受けて奨学金を借りた者に返還請求できるのかどうか、法律上の検討を加えつつ、市民理解が得られるよう総点検委員会で議論いただき、そのうえで抜本的な見直しをおこなう。 

市長のインタビュー本の配布について

 最後に、行政の中立性・公平性にかかわって質問いたします。
 京都市教育委員会が今年2月の京都市長選挙直前に、すでに市長選挙への立候補を表明していた市長あなたのインタビューを写真入りで掲載した市販本1400冊を公費で購入し、各種団体等に配布していたことが明らかになり大問題になりました。公費の不正支出およびぐるみ選挙の疑惑に加えて、日本共産党には配布しないという差別的扱いをしていたことが明らかになりました。教育委員会はこの市販本に限らず、長期にわたり同様の扱いをしていたことを認め、「長年の慣行」だったと説明しています。行政運営の根幹に据えるべき政治的中立、公平性をからも重大な問題であり、何の疑問もなく慣行を実施してきた教育委員会の体質が問われる問題です。市長の認識をお聞かせください。
 また、市長はインタビュー掲載本の配布については知らなかったと取材に答えていましたが、不正支出やぐるみ選挙の疑惑に対して、自ら説明責任を果たすべきです。長年の慣行として行っていた差別的扱いは十分承知していたはずです。市民と議会に対し、反省すべきは反省し、どう改めるのか明確な答弁を求めて第一質問とします。

(教育長)配布先は、長年の慣行として引き継いできたものだが、幅広く情報発信が大切な時代。指摘の点を踏まえ、さらなる広報活動の充実につとめる。

第二質問

 市長は、自らの政治姿勢、自らにかけられた疑惑については、自らの言葉で答弁すべきであると強く指摘しておきます。
 市長は補正予算の説明にあたって京都の未来を語っています。「子どもたちの笑顔があふれ、青少年が夢を持って目標にまい進し、その努力が報われる、お年寄りがその経験と知恵によりいきいきと生きがいの持てる、市民が人間としての誇りを持って満足度の高い生活が送れるまち」という将来像です。しかし、今、青年は報われない働き方をさせられ、結婚や子育てをあきらめ、高齢者は希望を失っている現実があります。市長の語る未来を夢に終わらせず現実のものにするためにも、提案させていただいた内容について、重ねて検討されることを強く求めて質問といたします。