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市会報告

井坂博文 議員

07年2月20日(火)

日本共産党市会議員団の京都市会議員政治倫理条例案の提案説明 07年2月定例市会 本会議提案説明

 

 日本共産党市会議員団はお手元に配布しておりますように京都市会議員政治倫理に関する条例案を提案していますので、議員団を代表して提案にいたる経過と提案内容の説明をおこないます。

 今ほど議会と議員活動における政治倫理の確立の意義と必要性が求められている時はありません。本市職員による犯罪と不祥事件の連続をはじめ、全国的な地方自治体における官製談合や増収賄事件、不祥事件が発生する中で、議員の政治姿勢や活動は有権者から厳しく注目されています。同時に「政治とカネ」に関する国会議員・地方議員の対応も注視されています。この様なときに議員政治倫理条例を制定するのであれば、全国に先駆けて制定する条例にふさわしい内容にしてこそ市民の期待に応えることができると確信するものです。

 以下、条例案の具体的内容とポイントについて説明をおこないます。

 第一に、議員の責務に関してです。政治倫理に反する疑惑がもたれた時に、疑惑の解明が求められるのは、現職議員にかぎらず辞職や失職によって議員の職を離れた者も同様です。在職中の行為に関して疑惑が発生した場合は、進んでその解明をおこなうことは、選挙で選任された議員として市民と有権者の信頼を回復する上でも当然の責務であります。

 第二に、政治倫理基準の遵守に関してです。議員は絶えず法令を遵守し、品位及び名誉を損なう行為を慎むことは当然の責務であります。その際に、遵守すべき法令とは単に「口利き防止」に関する問題にとどまらず、選挙活動における公職選挙法、全国で不正常な運用がされている政務調査費の取扱いなどの政治資金規正法を遵守するよう明記すべきであります。

 第三に、「李下に冠をたださず」ということわざがあります。市から補助金を受けている団体において議員が役員報酬を受ける役員に就任していたり、議員や親族が経営や運営に参加する企業及び団体や法人が市と契約し、事業を委託された場合には、市民から「圧力がかかり、有利に働いたのではないか」と疑惑をもたれかねません。その団体や法人が指定管理の指定を受ける場合においても同様であります。不正や圧力の行為がおこなわれたのではないかという疑惑の前提及び可能性をつくらないことが重要なのではないでしょうか。

 第四に、条例に基づいて議長の下に政治倫理審査会審査会を設置し、万が一に疑惑が発生した場合は、調査及び審査をおこない、その結果を速やかに議会と市民に公表すべきであります。理念条例であり、モラル条例であるならば、その責務を最大限発揮するよう求めるものです。 そのことが市民の期待に応えられるものであります。

 以上、皆さんのご賛同を期待してわが党条例案の提案説明と致します。

 

 

 

日本共産党提案の京都市会議員政治倫理条例(案)

 

(下線部分は、日本共産党市議団が独自に提案した内容です。)

 

(目的)

第1条 この条例は,京都市会議員(以下「議員」という。)の政治倫理に関する基本となる事項を定めることにより,議員の政治倫理のより一層の向上に努め,市民に信頼される市会づくりを進め,もって市政の健全な発展に寄与することを目的とする。

 

(議員の責務)

第2条 議員は,市民の信託を受けた全体の奉仕者として,自らの役割と責任を深く自覚し,その使命の達成に努めなければならない。

2   議員は,政治倫理に反する事実があるとの疑惑を持たれたときは,その疑惑を解明し,責任を明らかにするよう努めなければならない。辞職,失職等により職を離れた者の在職中の行為についても同様とする。

 

(政治倫理基準の遵守)

第3条 議員は,次に掲げる政治倫理基準を遵守しなければならない。

(1) 市民全体の奉仕者として,法令を遵守し,議会及び議員の品位及び名誉を損う行為を慎み,不正の疑惑を持たれるおそれのある金品の授受その他の行為をしないこと。

(2) 本市の職員の公正な職務執行を妨げるような働き掛けをしないこと。

(3) 本市又は本市が資本金,基本金その他これらに準じるものを出資している法人若しくは本市の施設の指定管理者が行う許可又は請負その他の契約等に関し,特定の者のために有利な取扱い又は不利な取扱いをするよう働き掛けをしないこと。

(4) 本市の職員の採用,昇任又は人事異動に関し,働き掛けをしないこと。

(5) 公職選挙法,政治資金規正法等の政治活動に関する諸規定を遵守し,更に自ら襟を正して,より厳正な行動に努めること。

(6) 議員は,市から補助金の交付を受けている団体について,報酬を受ける役員に就任しないように努めるとともに,報酬を受けない役員に就任したときは,議長に届け出ること。

 

(請負契約等の辞退)

第4条 議員が役員をし,又は実質的に経営に加わっている企業や,議員及び配偶者,2親等以内の親族又は同居する親族が経営する企業は,本市が行う請負契約,業務委託契約及び物品売買契約を辞退しなければならない。

 

(指定管理者の指定の禁止)

第5条 議員及び議員の配偶者,2親等以内の親族又は同居する親族が実質的に運営にかかわる団体は,指定管理者にならないよう努めなければならない。 

 

(京都市会議員政治倫理審査会の設置)

第6条 議長は,京都市会議員政治倫理審査会を設置し,調査請求を受けた場合には調査及び審査を公開で行い,結果を公表するものとする。

 

(報告の要求)

第7条 議長は,必要があると認めるときは,任命権者に対し,本市の職員の公正な職務執行を確保するための施策の実施に関する報告を求めることができる。

 

   附 則

 この条例は,公布の日から施行する。