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市会報告

玉本なるみ 議員

06年12月15日(金)

2005年度一般会計決算等についての反対討論 06年11月定例市会 閉会本会議討論

 日本共産党市会議員団は、2005年度決算のうち報第13号の一般会計、および、報第22号駐車場事業特別会計については認定しないと表明しております。私は、議員団を代表してその理由を述べ、討論を行います。

 認定しない理由の第一は、財政危機を理由にした戦略的予算編成方針に基づいた本格的な市民サービスの削減を実施した初年度であり、市民の暮らしの負担を増大させたからです。主なものだけでも、国民健康保険料の値上げ、敬老乗車証の有料化、保育料の値上げ、施設使用料・利用料の引き上げ、市営葬儀事業の廃止、小児慢性特定疾患の独自策の切捨てなど、市民負担の増大のオンパレードです。そして、その影響は、国の税制改革の影響で、所得税、住民税の値上げが今年度も、来年度も続く中で、17年度だけに留まらない負担の増大が続くことになっています。介護保険料の値上げやゴミ袋の有料化も高齢者や低所得者層の生活を直撃しています。

 市営葬儀事業は存続を求める声を押し切って廃止してしまいましたが、その理由は民間でも安価でお葬式ができるということでした。しかし、実際は市営葬儀のように安く、丁寧にやってもらえいと復活を求める声が多数上がっています。敬老乗車証は、16年度に受け取っていた方144,120人が、17年度には118,923人に激減しました。さらに、今年は税制改悪の影響で、負担金の増えた世帯が32,000人あり、負担3千円の人が17,060人に減少し、5千円、1万円の人が増加しました。つまり3千円だった人が5千円、1万円になったということになります。仙台市では、増税による値上げはせず、据え置きの措置を取る等努力されていますが、京都市は対策が取られない状況で、10月末の交付者数は115,754人と、昨年よりさらに3,169人の減少となっています。申請の手控えが起こり、高齢者の社会参加の機会に抑制がかかっていることを示しています。

 又、決算審議では、社会的に問題になっている格差社会が教育の分野に大きく影響されていることが問題となりました。保護者の経済状況が厳しい中、就学援助事業の対象の増大がその実態を表しています。中学生では対象者が16年度20. 1%が、17年度は21. 6%と1. 5%増加しています。H18年度では、さらに増加が見込まれていましたが、対象の収入基準を引き下げた為、951人の方が申請できませんでした。あまりにも冷たい対応です。部活で、合宿や遠征の費用が出せず、参加できない生徒がいるという事態であり、緊急に対策を講じるべきです。国が一般財源化してきたことも問題ですが、京都市として、独自に予算確保し対象枠をもどすべきです。又、学校施設において、避難はしごの設置や防火シャッター、消火栓の未整備など、消防法違反で改善命令がH17年度は312件ありましたが、その内改善は44件で、改善率14. 5%という状況が明らかになりました。改善のスピードを速めるという答弁はありましたが、厳しい財政を理由に後回しできるものではなく、早急の改善が必要です。

 さらに、H17年11月に京都市内で開催された「文化力親子タウンミーティング京都」において、参加の応募に対して特定の人物を意図的に落選させる不正な抽選が行われていたこと、その巻き添えで50人の市民が落選したことも明らかとなりました。特定の市民の名前を把握し、意図的に排除するというおよそ民主主義とかけ離れた行為であり大問題です。調査委員会でも、その悪質性を指摘していますが、京都市教育委員会の情報提供がなければ、排除はできないもので、内閣府と京都市教育委員会が共同で行ったその責任は極めて重大です。

 認定しない第二の理由は、京都経済の中心である中小企業・伝統産業対策が不十分であるからです。

 最大の中小企業支援対策である制度融資の実績は年々減少しています。あんしん借換融資制度はH15

 年度1500億円でしたが、16年度は1365億円、17年度は980億円、今年度もさらに減っていることからも、利用しやすいものへの改善は急務です。商店街支援策の予算も年々削られ、大型店の出店の結果は地域の商店街は寂れ、近所での買い物ができなくなり地域のコミュニティが崩れてきています。京都駅南口や、キルンビール跡地においての大型店出店についても、にぎわい創出の起爆剤になると答弁していますが、とんでもない商店・町壊しとなります。伝統産業支援においては、最大の課題である後継者育成制度の年齢制限や額も不十分なままです。この間の愛染蔵・たけうちの倒産による影響もかつてない規模で起こってきているのに、特別の対策もなく、基幹産業に位置付けているとは到底いえない状況です。

 認定しない第三の理由は、厳しい財政状況を強調しながらも、無駄で不要な焼却灰溶融炉施設や市内高速道路を推進しているからです。

 一方で市民生活に最も密接な道路の維持補修費や歩道補修費はどんどんと予算は右肩下がりで、管理瑕疵損害賠償の件数は右肩上がりになっている実態です。さらに、木造住宅の耐震化は、診断はこれまでで、1,150件に対して、101件のみの改修の状況で、耐震化が進んでいません。耐震改修助成制度の利用は16年度3件、17年度1件と制度の対象枠が狭すぎることを表しています。助成額の大幅な引き上げや対象地域の拡大等、制度を充実することを、2015年までに耐震化を90%にするという耐震改修促進法に基づく計画に盛り込むべきです。市民の安全と命に関わる予算は削減し、高速道路建設では、斜久世橋線区間を阪神高速から引き継ぐことになるなど、本市の負担は増えるばかりです。残る3路線についても推進の立場を崩していませんが、負担は際限なく続くことになります。やめるべきです。焼却灰溶融炉建設においても、市民への負担を増やしながら、建設事業の凍結を解除し、工事を進めていますが、建設費用は230億円、年間ライニングコストはわかっているだけでも18億円の経費がかかる大変なお荷物です。ごみ減量を本気で進めれば、不要の代物です。市民へのサービスを削り、そして負担を増やしておいての、不要不急の公共工事はやめるべきです。

 第四の理由は同和特別扱いを継続しているからです。市長はこれまで、何度も特別対策としての「同和対策」は終結したと宣言していましたが、この間の市職員の不祥事問題では同和対策がゆがめられて、一部「特別対応」があったと認められました。そして同和団体との特別な関係は現在はないというものの、団体幹部であった元東山・北区のケースワーカーについては「結果として特別対応があったと認めざるを得ない」と答弁されています。「同和選考採用という30年間の悪弊が温床」という根本となる、任命権を渡してきた一部幹部の特別対応にメスを入れる取り組みなしに、不祥事問題の根絶はできないのは明白です。事業としても、H13年度に終結宣言をしておきながら、市長は議会で指摘を受け、びっくりしたものもあると答弁され、逆にこちらが驚きましたが、今年度まで、奨学金制度はつづけられ、その返済を免除する「自立促進援助金制度」は今後20年間、47億8千万円を一律免除するわけですから、終結しているとは到底いえる状況ではありません。直ちに事業を廃止すべきです。

 いざなぎ景気をこえる好景気と言われても、市民の暮らしや中小業者の営業はまったく実感のない状況にあります。そして、国が進める三位一体改革の影響はますます、地方自治体の財政を圧迫し、国民の暮らしを圧迫しています。こういう時にこそ、自治体が防波堤となって対策を取らなくてはならないのに、そのしわ寄せを市民に転嫁してきた京都市政の責任は極めて重大です。

 一年の世相をひと文字の漢字で表す恒例の今年の漢字が「命」に決まりました。いじめや生活苦で自らの命を絶ったり、虐待で幼い命が失われたりする事件が相次ぎ、命の重みや大切さを感じた人が多かったとあり、森貫主は「命が選ばれたのは人々に深い苦しみが潜んでいる表れ。」と話されています。

 行政は、市民の暮らしの実態や声をしっかりと聞き、暮らしや命が危ぶまれている事に心を砕き、教育・福祉・暮らしを充実されるよう強く求め、討論とします。