トップ > 市会報告 > 2006年 > 06年9月定例市会 >

市会報告

加藤あい 議員

06年9月22日(金)

障害者自立支援法の施行に伴う条例改正に反対する討論 06年9月定例市会 本会議討論

 日本共産党市会議員団は、議第114号「障害者自立支援法の一部の施行に伴う関係条例の整備に関する条例の制定について」反対を表明していますので、その理由を述べ、討論を行います。

 本条例案は、障害者自立支援法にもとづいて「応益負担」を障害児施設等にもりこみ、本人負担を定めるものであり、重大です。

 多くの保護者のみなさんは、わが子に障害があることを親として受け入れるむずかしさをのりこえながら、施設に通い発達を保障する療育をうけておられます。その必要な療育に負担を求め、しかもそれを大幅に増やすというのは、あまりにも残酷です。

 本市では、独自に軽減措置がとられることになりました。しかし、それでも、通所施設でいえば9割が、入所施設でも6割が負担の増加を強いられます。

 本市の試算でも「市民税所得割2万円以上、10万円未満」の145世帯で、毎日、通園施設に通う単独通園をしている利用者でいえば、月5000円以内だったのが、1万円をこす倍の負担を求められることになるのです。デイサービスを利用している人は、一回の利用料が200円から800円近くになるわけですから、利用を控えるということにもなってしまいます。実際に「これ以上、利用者負担が増えると、通うのをひかえてしまうことになる」との声がよせられています。

 委員会審議の中で、障害児施設利用にかかわってこれまで通りの利用料にとどめるには2800万円弱で可能であることが明らかになり、与党からも、障害児の負担軽減を強く求める発言がありました。本市の早期療育の必要性、保護者の受容の困難性をとらえての独自措置をもう一歩前進させ、障害の有無にかかわらず子育てのできる環境づくりを現実のものにすることを求めます。

 自治体が負担軽減措置をとらざるをえないこと自体、自立支援法がいかに矛盾をかかえた法であるかを示しています。

 すでに、4月実施で、サービス利用に対する原則1割の「応益負担」がはじまっており、全国的にも施設からの退所やサービス利用の手控えなど「サービスが受けたくても受けられない」深刻な実態が広がっています。本市の障害者施設アンケートでも、利用者負担の見直しについての主な意見に「4月以降利用を控える等、経費節約を行っている利用者がいる」との記載がありました。

 障害者自立支援法は、「構造改革」の社会保障費削減策にそってつくられたもので、自民党、公明党が数の力で押し切って成立させました。障害者・家族は空前の反対運動を繰り広げ、法律が施行されたいま、新たな怒りがわきおこり、応益負担の撤回、制度見直しを求める運動が各地で広がっています。

 政府は、自立支援法案の審議のなかで、「サービス水準は後退させない」と繰り返し答弁してきましたが、深刻な事態が実際に発生し、この政府答弁にも反する事態が進行している今、「応益負担」は撤回すべきことを述べて、反対討論といたします。