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市会報告

加藤あい 議員

06年5月30日(火)

国民健康保険特別会計補正予算等についての賛成討論 06年5月定例市会 閉会本会議討論

 日本共産党市会議員団は、議第63号平成18年度国民健康保険事業特別会計補正予算、議第64号平成18年度老人保健特別会計補正予算について、赤字分に今年度の保険料収入などをあてる会計上の措置として賛成します。その上で、問題点を指摘し、討論します。

国庫負担を元に戻すべき

 国保会計の赤字の根本に、政府がその責任を放棄し、財政支出を抑えてきた問題があります。1984年に国の負担を実質、医療費の45%から38.5%に引き下げました。国民皆保険制度の継続と、住民の命と健康を守るために、国の財政面での責任を大いに求め、この国庫負担を元に戻すよう、本市としても国に強く求めるべきです。

京都府の補助金の増額を

 さらに、府の補助金も、年々減少しています。17年度で、2億6700万円の京都府補助対象事業を行っているのにもかかわらず、補助額は7500万円、16年度の1億90万円と比べても後退しています。「府内市町村が交付金になるもとで、引き続き下がっても補助金として出ている」との答弁がありましたが、18年度も、本市は1億3500万円の予算をたてており、京都府にたいして、強く、増額を求めるべきです。

一般会計からの繰入の増額を

 本市として、改善すべきことの第一は、一般会計からの繰入金の問題です。

委員会で、「17年度8億増額を確保し、18年度も引き続き過去最高を確保した」と理事者から答弁がありました。これまでから、党議員団は、繰入金総額ではなく、その内訳、市独自の繰入金を増やすかどうかが本市の努力の目安となると指摘し、増額を求めてきました。国が法に基づいて措置をする繰り入れをあたかも市の独自繰り入れかのようにいうごまかしは許されません。 市独自の繰入金は、17年度見込みで、70億7750万円となっており、14年度決算75億3000万、13年度79億8500万円と比べても大きく後退しています。他都市と比べても、一人あたりの独自の繰入金は、1万5700円と、13政令市のなかで、下から二番目にとどまっています。抜本的に独自の繰り入れを増額し、払える国保料に値下げするよう求めます。

 次に、資格証明書と短期証の発行の問題です。

 3月時点で、18年度の資格証明書は約4000、短期証は1万7600交付されています。資格証明書、短期証の発行は、患者の受診抑制につながり、医療を受ける権利を奪うものです。委員会では、「若い人の中には『医療機関を受診しないから不要』という意識の人もいる」と答弁されましたが、単に市民の意識の問題なら、どうして、10年前と比べて、資格証明書の発行数が6倍以上、短期証の発行数は5.5倍と大幅に増えているのでしょうか。

 資格証明書の発行を受けている若い世帯は少なくありません。しかし、乳幼児医療費助成制度があるにもかかわらず、資格証明書を発行されている世帯は利用することすらも出来ない状況においやられています。

 本市としては、厳しい経済状況が色濃く現れている実態をとらえて、市民の命と健康を守るために、全ての人が医療を受けられるよう、資格証明書・短期証の発行をやめ、払える国保料にする事こそ必要です。

 また、今議会に、国の政令にもとづいて、公的年金等控除が減額されたことにともなう経過措置を講じる条例改正が提案をされていますが、こういう、緩和措置をとらざるをえないこと自体、大増税の影響が大きいことを政府自らが証明するものです。あわせて、17年度非課税で本市の激変緩和措置、所得割部分の3割減額を受けておられた方が、老年者控除廃止等国の税制改悪で収入も増えないのに、18年度から課税世帯になり、減額を受けられない事態が生まれています。少なくとも、新たに課税世帯となる方への減額措置を本市として行うべきです。

 わが党は、今国会で政府が成立をめざしている「医療制度改革関連」法案について、高齢者・重症患者への負担増と医療の切捨てをすすめ、公的医療制度の土台を解体するものであり、市として反対の声を上げるべきだと求めました。委員会で、同法案について「国民皆保険を維持する改正」だと、事実上追認する答弁がありましたが、市民の負担をかえりみない姿勢を、厳しく批判するものです。

 地方自治体が担う「住民の福祉の増進をはかる」という責務とてらしても、大変重大な認識です。さらに、65歳以上の被保険者の年金から保険料を天引きすることについても「介護保険と同様」との認識を示されました。保険料が高くて、払いたくても払えない市民への納付相談にのるとしてきた本市の立場とも矛盾する認識です。見直しを強く国に求めるべきです。        

 以上、問題点を指摘して、賛成討論といたします。