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市会報告

くらた共子 議員

06年5月19日(金)

くらた共子議員の質問と答弁の大要 06年5月定例市会 本会議代表質問

 上京区選出のくらた共子です。わたくしは、西野さち子議員につづき、日本共産党議員団を代表し市長に質問します。まずはじめに、昨日の衆議院本会議で、自民、公明は医療改悪法案を強行可決しました。高齢者を狙い撃ちにした負担増、混合診療の拡大は、医療にも格差を生み、公的医療保険制度の根底を崩すものであり断じて許せません。このような暴挙に国民の大きな怒りが湧き起こっています。市長は国に対してはっきりと抗議の声を挙げるべきです。

介護保険「改正」後の実態をつかみ対策を

 それでは、質問に移ります。

 はじめに、改定された介護保険制度に関連する問題についてお聞きします。2月議会で京都市の32億円にものぼる介護保険料の値上げが、自民、公明、民主及び無所属議員の賛成により決められました。今回の介護保険料の改定は、23,1パーセントの引き上げで、月額の基準額がこれまでの3,866円から4、760円となりました。介護保険制度が導入された2000年の基準額が2,958円であったことからすれば、実に1,6倍にまで引きあがったことになります。4月中旬から保険料通知が行われていますが、通知を受け取った市民から怒りの声が続出しています。区役所窓口にも、「食事を一日2回にするしかない。介護保険を受ける前に干上がってしまう。」とお年寄りからは強い抗議があるとお聞きしています。2000年以降高齢者の年金収入は引き下がるばかりで、暮らしが成り立たないことへの不安の広がりは深刻なものです。いま、早急に取り組むべき課題は明らかです。国の負担増から住民のいのちと暮らしを守るため、京都市は介護保険料を引き下げ、負担を軽減する措置を大幅に拡充するべきです。いかがですかお答えください。

〈上原副市長〉保険料は長寿化とサービス利用の増加に応じたもの。国で新たに年金80万以下の階層、市独自で9段階の階層を設定、独自の減額も継続する。これ以上の拡充は困難。

 次に国の制度改定に伴い、昨年の10月より特別養護老人ホームなど施設に入所されている利用者に居住費と食費の新たな負担が課せられました。京都府の調査によると、制度改定後の1ケ月で、費用負担が増えたことにより、施設を退所された方が27人に上ることがわかっています。市長は、こうした方々のその後の療養実態がどうなっているのか解っておられるのでしょうか。上京区の85歳の女性の例ですが、在宅での療養が限界に達し老人保健施設に入所されていました。収入は月6万円の古い木造アパートの賃貸料のみで年金はありません。持ちアパートの1室に居住する息子さんは精神疾患を患っておられ、仕事に就けず、ましてや母親の介護を担える状況にはありません。貸しアパートも老朽化が激しく入居者が確保できず収入は減り続けています。収入を上回る食費・居住費を含め月8万円の負担に耐え切れずついに老人保健施設を退所されています。現在、週に3回のヘルパーサービスと週に1回のデイサービスを受けておられますが、関係者は「在宅生活は数ヶ月もつづけられないだろう」と見ているとのことです。国は介護保険制度創設時より「在宅重視」と言いながら、在宅での介護サービスの制限をすすめ、とりわけ経済的困窮者ほど家では療養しつづけることのできない状況を作り出してきました。ところが、今度は財源問題を逆手にとり、やっとの思いで入所できた施設から、高齢者を追い出すというのですから許されません。行き場のない高齢者が介護難民となるような実態を放置することは自治体の責任をも放棄するものです。京都市は、制度改定後の施設入所者の実態を調査し、経済的負担を理由とした施設からの退所を防ぐ手立てをとるべきです。いかがですか、お答えください。

〈保健福祉局長〉 在宅との負担の公平から自己負担化は実施された。低所得者への配慮もあり、77%が負担軽減を受けている。収入に応じた負担となっている。

 次に、在宅サービスについてお聞きします。ひとつには、福祉用具のレンタルサービスを抑制する問題です。今回の制度改定のなかに、新予防給付の創設と合わせ、介護認定の要支援、要介護1の方への特殊寝台や車イスなどの給付の打ち切りが含まれています。布団では自力で起き上がれない高齢者が、背挙げと高さ調節のできるベッドを使用することにより、自力で起き上がり、そこから立つこと、歩き出すことへと生活の質と幅をひろげてきたことは、これまでの在宅療養の実態を見れば一目瞭然です。サービス調整を担当するケアマネジャーは、「やっと定着してきた福祉用具の利用が大きく後退する。1割の利用料が重く介護サービスを手控えぎりぎりの生活をしているひとに、1台数十万円もするベッドをどうして買えと言えるでしょうか。この方から今のベッドをとったら、せっかく向上しかけた状態がたちまち悪化することは目に見えている。」と制度の矛盾を指摘しています。国の通達では、特殊寝台のレンタルが認められるのは「日常的に起き上がりが困難な者又は日常的に寝返りが困難な者」となっており、実質ねたきりであることを条件としています。これまで、寝たきりとならないためにと本人や介護者を支えてきたあらゆる関係者の努力も無にしてしまうものです。京都市は、こうした現場の声をしっかりと受け止め、国に対して意見をあげること、同時に9月30日までにひとりひとりの利用者への対応が求められているいま、現在介護給付されている特殊寝台が現場で必要だと判断された場合には引き上げないこと。それと同時に京都市が給付用ベッドを買い取り、低料金でのレンタルができる仕組みを早急にとり対処することを求めますがいかがですかお答えください。

〈保健福祉局長〉 自立支援の観点から軽度は対象外とされた。真に必要な方はひきつづき利用できる。適切なサービス利用で、状態の悪化防止や改善に努めて頂く。

 また、ヘルパーによる家事援助については、1回の訪問時間の上限が1時間30分と決められてしまいました。このことが大きな問題となっています。例えば、ある79歳で独り暮らしの方は、これまで1回、2時間30分の援助を週3回利用することで生活を送ることができていました。これを1回あたり1時間も切り詰めなければならないとなれば、買い物、調理、洗濯、掃除の何かを諦めなければならなくなります。ヘルパーからは、「日中独居となる方も含め、多くのお年寄りがヘルパーによる基本的な家事援助と外から持ち運ぶ情報となる何気ない会話を楽しみに訪問を待ってくれている。時間に追われメニューをこなすだけの介護では、利用者の生きる力を引き出すことはできない」と訴えておられます。あわせて国に対し、上限設定を止めるよう強く意見をあげるべきではありませんか、お答えください。

〈保健福祉局長〉 家事援助による能力低下が指摘され、自立支援のため長時間利用の適正化がされた。他都市と連携し、利用者の立場に立ったサービス提供がされるよう国に要望する。

 つづいて、ケアマネジメントについてお聞きします。この4月よりケアマネジャー一人あたりの受け持ち件数が要支援者を含む39件までとなりました。このことはケアマネジャーの激務を緩和する意味合いでは一部前進と受け止めます。しかし居宅介護支援事業所のなかでたった一人のケアマネジャーの受け持ち件数であっても50件を超えるものがあった場合には、事業所全体の報酬が減算されるという制裁措置があり、ケアマネジャーは、「不採算が拡大して困るからと、これまで対応させていただいてきた利用者を放り出すようなことはできない。かといってこんな状態で新規の要請に応えることなどとうていできない。」と苦悩を深めておられます。こうした中で、新たに介護保険の利用を希望しても、すぐに介護保険の申請も受け付けられないという重大な問題が起きています。保険料は上がり、サービスの利用は抑えられ、そのうえに制度の入り口である申請手続きからも締め出されるというのでは、市民はたまったものではありません。市長は、こういう重大な問題に対して手立てをうつべきではありませんか。せめて、制度改定に伴う経過措置として京都市も申請手続きと訪問調査、ケアマネジメントを担う体制をとり、必要な人が介護を受けられるよう自治体としての責任を果たすべきではありませんか、はっきりとお答えください。

〈保健福祉局長〉 ケアマネージャーの負担軽減を要望してきた。介護予防のプランは地域包括支援センターで担当してケアマネの担当件数を軽減、区役所・支所で居宅介護支援事業者の紹介をしており、要介護認定を受けた方はケアプランを作成、必要なサービスを利用頂いている。

払える国民健康保険料に、国保証の取り上げはやめよ

 二つ目に、国民健康保険の問題についてお聞きします。京都市は平成17年度には保険料の算定方式を変更し、低所得者層への大幅な値上げとなる改定を行いました。京都市の国民健康保険料の値上げの影響は深刻で、短期証の発行は1996年3、171件であったのが、今年3月には17、648件、資格証明書は652件から3,967件と短期証で5,5倍、資格証明書にいたっては6倍以上にも広がっています。「高すぎて払えない」これが、市民の実感です。さらに、京都市の冷たさは保険料を値上げしながら、京都市独自の努力を示す保険給付費繰り入れの単費分を減額しているところに現れており、極めて重大だと指摘してきたところです。保険給付費繰り入れの単費分を大幅に増やし全体の国保料を値下げして、「払える保険料」にするべきです。制度のしくみからも収入の無い世帯が急激に増えている国保加入世帯の実態をふまえ、国の補助率を引き上げることをしっかりと国に求めるべきです。合わせて京都府からの補助金は平成14年度1億3900万円であったものが、その後減り続け17年度の決算見込みでは、なんと7513万円と激減しています。京都府の補助金の増額を何としても確保するべきですがいかがですか、お答えください。

〈上原副市長〉 国・府からの補助金確保に最大限努めるとともに、一般会計から過去最高の繰入を行っている。100億を超える巨額の赤字であり引き下げは実施できない。

 市が非課税世帯に対して所得割分の3割減額を2年間行うという経過措置をとったものの、今年度は国の税制改正で、19,000人の方が新たに課税世帯となり、減額対象からはずれることが解っています。今年度予算審議のときにもわが党が、「国の税制改正により新たに課税世帯となる方の収入は増えていない。平成17年度と同じく経過措置の対象とするべき」と求めてきたのに対し、京都市の態度は、「国による問題であり、京都市としての対応は行わない」という大変冷たいものでした。昨年の値上げは所得の少ない高齢世帯を直撃し、そのうえ今回の国の税制改正が厳しい生活実態にある高齢世帯に追い討ちをかけるというとんでもない事態です。市長は、そうした高齢者の負担の重さがどれほどの痛みであるか感じないのですか。市長は、対象とならない高齢世帯に新たな減免制度を緊急につくり、内容を拡充するべきです。さらに、国の税制改正により、新たに課税世帯となる方への所得割部分の減額措置を継続させることは、京都市が最低限やらなければならないことではありませんか。はっきりとお答えください。

〈上原副市長〉 独自の条例減免で、きめ細かな対応をしている。新たな課税世帯に対する減額は、市の激変緩和と趣旨が異なり、継続する考えはない。

 ただでさえ、医療費負担を苦に保険証を持っていても受けなければならない治療を手控えている人が増えており重大です。そのうえに国保料の滞納を理由とした短期証・資格証明書の発行は、いのち綱を絶つようなものです。京都市は、「窓口で個々にていねいに対応している」と繰り返しますが、保険料を滞納している市民の中には引け目を感じ、医者にかからなければならない切羽詰まった状況を伝えられない方もあるのです。資格証明書の発行は、患者になれない病人をつくることになっています。さらに資格証明書で医療を受けても、窓口でかかった医療費の全額を払えない事態が起こっています。わたくしは、かかった医療費の全額を窓口で払い、その領収書がなければ償還手続きもとることができないという資格証明書の非情さを告発せずにはおれません。あらためて国保証の事実上の取り上げとなる短期証・資格証明書の発行は行わないことを強く求めます。いかがですか、お答えください。

〈保健福祉局長〉 できる限り接触を図り、きめ細かな納付相談や納付指導を行っている。被保険者の公平を確保するためにも、特別な理由なく滞納している方には交付はやむを得ない。

大型店の出店を規制し、商店街振興を

 つづいて、京都市におけるまちづくりと商店街振興についてお聞きします。長引く不況に大型店の出店で、市内の商店街は苦境に立っています。わたくしの地元上京区でも、地域の中心となってきた商店街の振興組合が次々と解散へと追い込まれている状況にあり事態は深刻です。ある商店街の理事長さんは、「高齢化が進むにつれ、ますます商店街は必要や、なんとか頑張って商売をつづけていって欲しい‥とのお客さんの願いに応えたいが、もうこれ以上は無理や」と現状を訴えておられます。MID都市開発株式会社による京都駅南開発構想が発表されましたが、その概要は、延床面積154,900平方メートルに、売り場面積56、100平方メートルと1200台の駐車スペースを要する大規模商業施設が新たに京都駅周辺に集積するというものです。説明会でも参加されたみなさんからは、「数十年間、地元で商売をしてきているが、長時間働いても売上がどんどんと落ちている。小売り店との調整は考えてもらえるのだろうか」と切実な声が出されていました。売り場面積56,100平方メートルといえば、例えば東山区内にあるすべての小売店の売り場面積を合わせた大きさに匹敵するわけで、すでに集積している大型商業施設と合わせ、その影響が市内全域に及ぶことは必至です。この間、国においてまちづくり三法の見直しについての審議が行われています。見直しの背景には、地域住民や商店街が築き上げてきた生活と営業の場を巨大スーパーが席巻し、もうからなくなれば平然と撤退する「焼き畑商業」といわれる身勝手なやり方に対する批判と、大型店の規制を求める世論の高まりがあります。ところが、今回の見直し案には需給調整を禁止する大店立地法には手がつけられていません。わが党がこの点を指摘したのに対し、国土交通大臣は「まちづくりというのは、基本的に市町村が主体である」とし、福島県の例を示し「かなり厳しく大規模店舗について規制していこうと条例などもつくってやっている。」と弁明しています。先日には、熊本市長もイオングループが計画している大型ショッピングセンターについて「計画的なまちづくりをすすめる上で支障がある」として開発を不許可とすることを発表しました。そこでお聞きします。京都市が掲げる「華やぎと賑わい」「歩いて楽しい」まちづくりをすすめるには、市民生活がその地域に息づき、活性することが不可欠です。副市長は、適正な商業配置を進めるとしながら、「実際にはすべてがうまく言っているとは言えない。商店街のみなさんが困っていることは認識している。全国の先進事例に謙虚に学び、京都にとって何がいいのか考える」と答弁してこられました。この京都には、これ以上の大型店は必要ありません。自治体独自の裁量で大型店の出店を規制する具体的な施策を条例で定めるべきです。いかがですかお答えください。

〈星川副市長〉 福島・熊本の例は、京都市ではすでに実施しているもの。まちづくり条例と商業集積ガイドプランに基づきゾーニング手法による適正配置に努めてきた。法改正後も必要な見直しをはかり、大型店の適正な規制と誘導をはかる。

 地域商店街の衰退は、コミュニティの衰退であると同時に市民生活の安全性の低下にも直結する問題です。近年、凶悪化する犯罪に小さな子どもの命が犠牲となる事件が後を絶ちません。地元の小売店には、危険を察知した小学生が駆け込んでくるといったことも起こっています。安心して暮らせる地域社会を創る観点からも市民の商店街対策への願いは切実です。大型店の規制とともに、地域商店街振興予算を大幅に増やし、抜本的な対策をすすめるよう求めます。

〈星川副市長〉 従来の支援策に加え、伏見に続き山科で地域商業ビジョンの策定など支援を拡大している。地域を支える商業者と連携し、まちづくりの核となる商業の振興に取りくむ。

伝統産業の後継者育成策を

 次に、西陣をはじめとする伝統産業の問題にかかわりお聞きします。平成15年度の工業統計調査結果によると、全事業所を対象とした調査で、前回の平成12年に比べ上京区で25,3%、中京区で17,9%をはじめ全ての行政区で事業所が減少しました。事業所数の減少とともに雇用が失われているわけですが、このことは、「ものづくり都市」・京都の顔を失っていることでもあります。あらためて、西陣をはじめとする地場産業への対策予算を大幅に増額し支援を強めることを求めます。そこで昨年度制定された伝統産業活性化推進条例をもとに、今年度伝統産業推進計画を策定することになっています。その具体化をすすめるためには、現場の声を活かすことがなによりも重要です。わたくしは、先日市内で伝統産業に従事しておられる30歳台の職人さんたちからお話をお聞きしました。ろうけつ染をしておられる39歳の女性の方は、子どもを出産後も子育てしながら仕事をつづけておられますが、それまでと同じように働くことはできません。正規職員から非常勤職員へと雇用形態が変えられることとなり、賃金の低下など厳しい現実に直面しています。「工房では、所帯を持てば時間給で働くことが当たり前となっている。」と現状を語っておられます。また、糸染めから手織りまでの製造過程を独自におこなっている工芸作家の方は、1点ものを作成されていますが販路の開拓支援が必要とのべ、「生活は安定しない。いつまでつづけられるかわからない。」と言われています。後継者の育成は、伝統産業全般にわたる重要課題です。若い世代の方々が意欲を持ちながらも、生活ができないとせっかく志した伝統工芸の道を断念している現実を直視することが必要です。合わせて、竹筬や杼、刷毛を始めものづくりをするための道具をつくる職人も育成できていないという実態は、京都市のこれまでの取り組みがいかに立ち遅れたものであったかという事実をつきつけているのではないでしょうか。そこで提案します。ひとつには、市内の伝統産業各分野のすべての工程にかかわる職人の就労と育成状況について実態調査を求めます。その際に、技術をもちながら他の職業に就いている方も含めて把握することが重要です。そのうえで系統的にひとの育成を行っていけるプログラムをつくるべきです。ふたつには、若い世代が伝統産業分野に従事し、生活していける最低工賃及び賃金保障の制度を創ること、みっつには、使用されなくなった工芸用の貴重な道具をプールし、新たに工芸作家を目指す方々が用途に応じその道具を使えるようにするための情報をネットワーク化する仕組みが求められています。いかがですかお答えください。

〈森井産業観光局長〉 伝統産業活性化条例の具体化のため、市政総合アンケートや72品目の業界調査をふまえ審議界で協議中。秋には後継者育成や用具確保に向けた施策も盛り込んだ推進計画を策定する。最低工賃、賃金確保は仕事確保が前提。伝統産業の活性化が生活安定につながる。

市長公約「30人学級」実現、乳幼児医療費助成制度の拡充を

 つぎに市長の公約にかかわってお聞きします。ひとつには市長は、これまで平成19年度までに本市での30人学級を実現すると明言してこられました。どの子にも行き届いた教育を‥の願いは切実です。ところが、国会で審議されている「行革推進」法案では、5年間で国家公務員を5%以上、地方公務員を4,6%以上、それぞれ減らすことを目的とするなど重大です。このことは昨年8月に政府が掲げた国の教職員配置基準で小学校1年生に35人学級を可能とする定数改善計画を打ち消すものであり許せません。市長は、ご自身の公約である30人学級を実現させるため、いつまでに、どのように手立てを尽くすのかお答えください。ふたつには、いよいよこどもの医療費助成制度の拡充を決断するべきですが、いかがですかお答ください。

〈市長〉 国の18年度からの定数改善計画実施が見送られ厳しい状況であり、財政も逼迫しているが、30人学級について、教育委員会で効果的・効率的導入方法を検討中。19年度に工夫を凝らした京都方式を導入したい。

 最後に、教育基本法の改定をめぐる問題についてです。政府が、今国会に提出した教育基本法の改定案は、教育の自主性を保障した現教育基本法を180度転換し権力統制を正当化するなど憲法に違反するものでありとうてい認められるものではありません。現在の教育基本法には「教育は、不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接責任を負」うと定めています。ところが政府の改定案は、これを投げ捨て、その時々の政府が決める「教育振興計画」どおりに教育を行い、国家が定めた道徳を強制し、競争と格差を是認する学校教育制度をつくることなど重大な問題点があります。こうした教育基本法の改定のねらいは、現行法が定めるひとりひとりのこどもの「人格の完成」を目的とする教育を、憲法9条の改悪がめざす「海外での戦争をする国」を担う人間を育てる教育へと変質させることに他なりません。自民と公明与党が、教育の目標に「わが国と郷土を愛する態度」という文言を入れることに合意しましたが、愛国心は本来、国民ひとりひとりの見識や社会の自主性に委ねられるべきものです。この間、新聞にも、「愛国心の強制は必要なのか」との声が多く寄せられています。「よほどの事情でもない限り、私たちは生まれ育ったふるさとを愛しています。郷土愛は自然な感情の発露であり、そのことは国においても同じではないでしょうか」と、なぜ法律を改正してまで「愛国心」を強調する必要があるのかと多くの国民が疑問を呈しているのです。教育基本法の改定をすすめる背景に、社会の荒廃や犯罪の低年齢化などを挙げ、教育に「公共の精神」が入っていないからだとする論調があることは重大です。教育をめぐる問題の根源は、現教育基本法に基づいた教育の実践が阻まれているところにこそあるのです。わたくしは、21世紀を担うこどもたちを二度と戦場へ送るようなことを許さないためにも、現教育基本法の原則に基づいた豊な教育の実践をつよく求め質問といたします。

〈保健福祉局長〉 市の財政状況をふまえ、ひきつづき府と協議する。

第2質問

 ただ今御答弁をいただきました。特に介護保険制度の改定に関連しまして、現場でおこっているケアマネジメントを受けることもできない、あるいはサービス提供がこれほど抑制される中でおこっているさまざまな実態、そこへの認識がないということが改めて浮き彫りになたと思います。これでは本当に自治体の責任、果たせるわけがないと言うことではないでしょうか。直ちに、しっかりと実態をつかんで対策を取るよう求めて質問といたします。