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市会報告

宮田えりこ 議員

05年3月18日(金)

「地球温暖化対策充実」意見書についての討論 05年2月定例市会 閉会本会議討論

 私は、日本共産党市会議員団を代表して、「地球温暖化対策の充実・強化を求める意見書」について討論いたします。

 COP3開催から7年、京都議定書が2月16日、ついに発効となりました。議定書の下、2008年から12年までに先進国全体で1990年比5%、日本では6%の削減義務達成がいよいよ現実の課題となります。日本ではさらに、この間のCO2排出量増加をふまえ、2012年までに14%の削減が必要となることが判明しています。もはや待ったなしの温暖化防止策を確実に進めるには、各国政府の地球規模での活動とともに、企業などの開発・経済活動の規制、個人の消費生活面での努力という、3つの視点での真剣なとりくみが必要です。

 しかし日本の現状として削減目標にたどり着くどころか排出量は8%増加し、「実質削減目標」が雪だるま式に膨れ上がっていることが明らかになっています。原因は、排出削減が企業の「自主的な取り組み」にゆだねられており、国としての政策がないところにあります。数値目標に基づく削減の義務化という京都議定書の考え方そのものに否定的な大企業側の抵抗を背景に、経済産業省と環境省が対立しています。

 このような状況に対しロイター通信では(14日)、議長国の日本は「削減の先頭を切るのに失敗した」とまで報じています。国民レベルの努力は当然必要ですが、排出量の80%を占める企業や公共系での抜本的な取り組みがなければ、削減目標達成はおろか、排出量を増加から減少に転じさせることさえも不可能です。約100の企業だけで80%を占める排出量の半数に達しているだけに、企業の役割は重大です。

 にもかかわらず、日本経団連が「自主的なとりくみ」に固執しており、同団体が作成している「環境自主行動計画」でも、「産業界マイナス7%。これは目安であり、受け入れた覚えはない」「法的規制については経済の発展の立場から明確に拒否する」と主張しています。しかし、京都議定書にもとづく温室効果ガスの削減目標の達成は、日本が世界にたいしておこなった国際的約束であり果たさなければなりません。

 3会派提案にあるように経済界の「自主的なとりくみ」に任せるだけは不充分です。政府が進める「温室効果ガス排出量の算定・報告・公表」にとどまらない「排出削減の総量を決める」こと、あわせて大量に排出する企業に「削減計画の策定」と「目標達成状況の報告を求める協定化の仕組みを作成」することこそが必要です。

 京都議定書が発効したといっても、その目標の実現はこれからです。地球温暖化防止のための初めての法的拘束力ある国際的取り決めが発効された今、日本政府の実行ある政策推進が世界から求められています。これは世界に対する公約であり、未来に対する公約です。先ほど述べましたとおり3会派提案には一部に不十分さがありますが「地球温暖化対策の充実・強化を求める」ことには賛成することを申し上げ、日本共産党市会議員団を代表しての賛成討論といたします。ご清聴ありがとうございました。