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市会報告

井上けんじ 議員

04年9月13日(月)

請願第240号「生活保護受給者への夏季・歳末手当の復活を求める請願」の不採択に反対する討論 04年9月定例市会 本会議討論

 請願第240号「生活保護受給者への夏季・歳末手当の復活を求める請願」について、日本共産党市会議員団は、これを採択すべきと考えておりますので、私は、議員団を代表して不採択に反対する討論をおこないます。

 自民党・公明党=小泉政権は、昨年、今年と連続して生活保護基準を値下げ、さらに老齢加算や母子加算も、すでに減額、更にまた廃止の予定など、保護費の大幅値下げをすすめています。そもそも保護基準は最低生活の基準として設定されているものですから、本来、それ以下には切り下げ得ないものであります。統計上、値が下がっているのはIT関連など、特に高齢者にはあまり縁のない品目ですから、物価下落も理由にはなりません。今の世の中では、必然的に、所得の格差が広がる傾向がありますから、税制や社会保障制度によってその格差を少しでも縮め、国民生活全体の底上げをはかるのが政治の役割ではないでしょうか。ところが、小泉政権のもとでむしろ逆方向の動きばかりが強められています。今こそ、こういう流れに批判の声をあげ、具体的・現実的に市民のくらしを守るという、京都市の、自治体としての存在意義が、問われているのではないでしょうか。

 また京都府においても、保護世帯に支給している見舞金について、「来年度、…見直しの検討をすすめている」とのことであり、そうなるとますます実際の手取額が減るばかりであります。

 「町内のお葬式の香典など交際費に充てていたのに、近所づきあいがやりにくくなって困る」「電気製品が故障したら、この手当がでるのを待って修理していたのに」「夏や冬の学校の休み中は子どもの昼ご飯代に充てていたのに」など、切実な声が寄せられています。市長や与党の皆さんには届いていませんか。とりわけ、母子家庭などの子どもさんが高校へ進学される折には、特に私学の場合、就学資金などを借りるか学校をあきらめるか、まことに切羽詰った決断をしなければなりません。保護基準の引き上げや教育扶助の高校生への適用拡大などが必要ですが、当面のやりくりのひとつとして、この夏季歳末手当が、低い保護費の不足分を補う、必須の役割を果たしてきました。理事者は、廃止の理由として「一般世帯の7割の水準になったから」と言っておられますが、これは国の統計一般の話であって、本市として独自の調査をされたわけでも何でもありません。市の独自の手当の存続か廃止かを議論する材料とはなり得ないものであります。また財政危機も理由のひとつとされていますが、市民が、まず基本的な、最低限の生活を維持することを保障することこそは、市政の、最大で根本的な課題ではありませんか。高速道路で大阪方面へ10分20分早く行くことと一体どちらが大事なのでしょうか。復活を願う本請願の趣旨はきわめて切実であり当然であり採択すべきが相当であります。

 最後に、請願質疑の際、「財政危機で困難です」などとの理事者答弁を不採択等の理由とされる場合がありますが、議会は市民の味方でありたいものであります。市民のくらしを守る立場から不採択との態度を撤回され、ご一緒に採択できますよう心から呼びかけまして、討論とします。