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市会報告

03年3月14日(金)

公営企業予算案に対する討論 03年2月定例市会 本会議討論

 ただ今、岩橋ちよみ公営企業予算特別委員長の報告で、日本共産党は議第十八号・自動車輸送事業予算には反対し、その他の議案4件は賛成するとの態度を表明しているとのべられました。

 私は日本共産党市会議員団を代表し、その理由と問題点について発言するものであります。

 そこでまず、自動車運送事業・市バス事業の予算に賛成できない理由を申し述べます。

 市バス事業は、市民の足を守る大切な事業であるにもかかわらず、表向きは「再建」といいつつ実際は、一路「縮小・廃止・民営化」へ邁進する計画「プログラム21」の失敗につづく「ルネッサンスプラン」を推し進める予算になっているからです。

 「ルネッサンスプラン」では、市バスの二分の一を民営バス会社に委託することを主な内容とするもので、ダイヤ管理や料金等は、交通局が責任をもつというものの、先発ですでに実施している横大路営業所の例を見るまでもなく、民間バス会社にはいくら赤字が出ても高い人件費や修理費を保証し、絶対に損にならない委託費が支払われています。

 一方、交通局採用の一年契約の若年嘱託運転手は、委託民間会社の運転手の二分の一以下の低賃金で採用するなど、労働者への犠牲押しつけがはなはだしいものになっています。

 市長就任以来のこの六年余で、市バスは車輌も職員も減らされ、その結果、走行キロや路線数が減り、不便なうえ値上げで日本一高い料金にしてしましました。これでは乗客が減るのも当然ではありませんか。この間、一日あたり十二万五千人の乗客の市バス離れをおこし、大幅な赤字をさらに増大し、悪循環を断ち切れない状態をつくってきています。

 一方、国に対してはハッキリものを言う姿勢に欠け、例えば職員乗車証に関わる消費税を国税局のいうままに修正申告しています。これは十年前から中京税務署の指導に基づいて払わなくてよいとなっていたものを国税局が税務調査で突然要求してきたものであり、与党議員からも訴訟してでも争うべきだと意見がでるほどの状態です。また市バス車内に乗客を留置する事件が、新聞社の取材をうけて発生後六ヵ月をへてやっと発表されましたが、ここには失敗をひた隠しする体質があらわれ、真剣に乗客や利用者の立場に立つ姿勢にかけていることを証明したものではありませんか。

 一方、市民の約一割を占める学生の要求である学生定期を使いやすいものにとの要求が受入られ、料金据え置きで「全線定期」化されました。こうした市民要望の実現こそ、乗客を増やし、経営健全化に進む道ではありませんか。

 LRTの導入やTDM施策の実施、多くの行政区の基本計画で出されているコミュニティバスの運行や公共交通手段のない地域へのバス路線の新設など、市長部局や国への財政援助も要求して実現をはかるなど、市民の期待にこたえた公営交通の役割を積極的に果たされるよう強く求めるものであります。

 地下鉄につきましては、韓国での火災事故の教訓から学び、安全、確実、快適な運行に万全を期すべきです。地下鉄西伸の財源について道路特定財源があてられることになり、財源確保が進んだとの発言があり、事業は予定通りに進められるとのことでした。大幅な赤字の原因は国の劣悪な補助制度によるものであり、国に対して補助制度の抜本的な改善を求めるものであります。

 次に市立病院についてであります。前年度に引き続き、繰り出し金五億円のカットは問題です。累積赤字が増えれば、料金値上げ等に転嫁できない病院は、人件費の抑制につながる危険性があります。看護師体制確保の決意は示されたものの、新採用者訓練中は、夜勤者不足を生み出し、月八日以内の夜勤制限が守られない事態が心配されています。

 救急医療の受け入れのさらなる努力など公的病院としての役割を一層果たされるよう求めておきます。

 水道につきましても規制緩和で民間参入の可能性があり、「命の水」水道は公営を堅持するよう強く求め、理事者も市の手で守りたいとの答弁がありました。上下水道局の来春の統合について、水道は、命の水を供給する重大な責任を持つ。一方、下水道はまちづくりと環境衛生の責務を負うことが法律にも明記されているように、それぞれ目的が違う責務を持っていることを指摘し、スリム化の名の下に市民犠牲・職員犠牲、そして料金値上げにならないよう求めておきます。

 また政令市のなかで唯一、上・下水道料金の福祉減免制度のない状態を一日も早く改善すべきは言うまでもありません。一月末現在五千件もの給水停止の実態を真剣にとらえ、福祉の増進こそ自治体の使命の立場に立って、市民の要望にこたえるよう求めます。

 また公共事業への信頼を失墜させた水道サービス協会等をめぐる契約の不透明性が指摘されてきました。逮捕者も出ており、下水道事業とともにより一層透明性を求めておきます。

 下水の汚水資本費補助金の二年連続カットは、赤字の計上=使用料の値上げへと連動するおそれがあるだけに、さかのぼっての復活を強く求めておきます。

 また大型雨水幹線については、過大な工事にならないよう目的を精査し、雨水利用や地下浸透、山林保全で緑のダムなど雨水流出抑制に全庁体制でとりくむよう、たびたび要求してまいりましたが、今議会でやっと市長から「大規模な計画を見直せとのお話には同意する」との答弁がありました。総額四千億円を投資する計画をそのままにして、目先だけかえるということにならないよう指摘いたします。

 今議会で、市内周辺地域の高齢者のみなさんが切望されています敬老乗車証を公平にしてほしいとの請願が、全会派一致で採択の運びとなり、高齢者のみなさんに大きな激励となっています。ぜひ実現へ一層のご努力をお願い致します。

 私、五期二十年を振り返ってみましても、このように、はじめは少数でも世論の高まり、議会と行政の努力で実現したものはたくさんあります。

 十七年前、私は多くのランナーの願い、京都市民マラソンを要望いたしましたが、8年目にみなさんの一致で実現。今年も先日、、第十回目が成功裏に実施されました。

 (手話を交えて)私が手話を交えていった「市会本会議テレビ中継に手話通訳を」の願いも全会派一致の協力で、今では、当たり前のように実施されています。市民の願いが生きる京都市政へ今後もみなさんのご健闘を念じ、私、この場所、最後の討論といたします。長い間有り難うございました。