3月1日の市議会で、2月補正予算が議題となり、日本共産党京都市会議員団は、コロナ禍に187億円もの収入を積立(公債償還基金の返済)に充てるという補正予算に反対しました。その内容は、以下の通りです。
日本共産党京都市会議員団は、議第170号、令和3年度一般会計補正予算に反対との立場を表明していますので、私はその理由を述べ討論します。
今回の補正は、新型コロナウイルス感染症への対応として、82億円が計上され、ワクチン接種事業や介護施設への支援事業、子育て世帯への生活支援事業や困窮者への自立支援事業、民間交通事業者への支援事業などを行うとしています。これらはどれも必要な予算と考えます。また、国の補正予算等を活用して事業の推進を図る予算として113億円が計上され、橋梁の耐震化や道路の改修や防災対策、保育や学童保育の職員の賃上げ、学校施設の改善などを行うとしており、これらも多くは必要な事業です。
しかし、今回の補正予算には大きな問題があります。
1点目は、2021年度の収入見込みが200億円多くなったにもかかわらず、そのうち187億円を公債償還基金の返済、つまり積立に充てると説明している点です。この財源は、コロナ禍で苦境に陥っている市民の、命と暮らしを守るために、つまり、今この瞬間に、緊急の支援を必要としている市民のために使うべきです。公債償還基金の積立は、計画的に行えばいいもので、187億円についての優先順位は、市民の暮らしの支援にあることは明らかです。この財源を活用することで、少なくとも、来年度の25億円の市民負担増を中止する、補助金カットなど、27億円の制度改悪を中止する、全庁体制でコロナ対策にあたる職員の147人、12億円の削減を中止するべきです。この3つを合計しても、64億円でしかありません。付け加えて言えば、国民健康保険料については、27億円の累積黒字がありますから、今回の収入増を使わなくても、保険料14億円の値上げを中止することが可能です。
問題の2点目は、職員の賃金をカットしている点です。全庁体制でコロナ対策にあたっている職員のみなさんに対して、激励が必要である時に、逆に賃金をカットするというのはあまりにも酷な話です。人事委員会の勧告にもとづくものとはいえ、今は、景気を底支えするためにも賃金カットをやめ、民間の賃上げと公務の賃上げの好循環をつくることこそ政治の役割です。
そのほかにも、中央卸売市場第一市場整備の総事業費が過大になっているものが是正されていない点や、市バス・地下鉄会計への一般会計からの支援が不十分な点も、問題です。市バス・地下鉄会計については、そもそも国に対して支援の抜本的強化を求める必要があります。
本市が、受益者負担や独立採算制ばかりを強調することは、公の責任を放棄するものにほかなりません。今こそ、自治体本来のあり方に立ち戻り、住民福祉の増進を図ることに最大限の力を尽くすための予算とすることが必要であることを述べて、討論とします。