後期高齢者医療広域連合議会 「75歳以上の医療費・窓口負担2割化の実施中止を!」井上けんじ議員(南区) - 市会報告|日本共産党 京都市会議員団

後期高齢者医療広域連合議会 「75歳以上の医療費・窓口負担2割化の実施中止を!」井上けんじ議員(南区)

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22年2月 後期高齢者医療広域連合議会
井上けんじ議員
【請願第1号、国に「75歳以上の医療費窓口負担2割化実施中止」の意見書提出を求める等の請願書について、紹介議員からの説明】

 紹介議員として、提出されております請願書の趣旨について説明させていただきます。 
 周知のとおり、今年10月から全員ではありませんけれども、一部負担金が現行1割負担から2割に値上げされることになっています。もともとは、無料であったものが定額負担となり、、さらに所得が現役並みだとされる被保険者には3割とされるなどの経過の上に、さらに、今回の値上げで、当事者にとっては2倍もの値上げです。あわせて、今日の議会で保険料についても、先ほど残念ながら、来年度からの値上げが可決されましたので、二重の値上げ、まさに踏んだり蹴ったり、泣き面に蜂と思うべき負担増になってしまいます。 
 一方で、被保険者の大半の生活の糧である年金は、来年度、今年度比0.4%値下げと、この1月21日に厚労省が発表しています。一部商品の値下がりを口実に物価スライドと言い張って、片や医療保険料は2年ごと、介護保険料は3年ごとと、負担増ばかりの政治が続いています。 
 介護保険の利用料も、所得に応じては2割、3割、しかも最近、医療や福祉・介護等の分野で収入だけでなく資産要件が加わり、しかも、それらの基準が厳しくされる等々の動きも強まっています。京都市で言えば市民税減免制度が見直され、非課税が課税になることによって、2年後にはその影響でほかの様々な負担金が大幅に値上げになる予定とされています。収入は値下げ、負担は値上げ、医療保険だけに限っても、入り口も出口も値上げです。 
 かくなるうえは、もはや受診自己抑制しか抵抗手段はないとでも言わなければならないのでしょうか。いや、実際に受診抑制は既に現実の問題になっています。早期発見、早期治療の大原則に逆行する動きが広がっています。重症化が進めば、かえって医療費の増につながっていくでしょうし、実際にも既にそういう因果関係は否定できないと思われます。 
 請願書に添えられたアンケートの記述欄に書かれた多くの声は、誠に切実です。議会としても、これらの声を受け止めたいと思います。 
 昨年12月20日には、向日市議会におきまして、75歳以上の医療費窓口負担の2割への増加を中止との項目を含む、安全・安心の医療・介護・福祉を実現し、国民の命と健康を守るための意見書が可決されたとお聞きをいたしております。
 保険料については、そもそも医療費の一定割合を、保険料で賄おうというリンク性自体に問題があると考えます。本来は、所得割一本とすべきで、せめて均等割の割合の低下を目指すべきだと思います。所得に応じ、生活費に食い込まない負担とした上で、全体として、国が財政責任を果たす仕組みとすべきだと思います。 
 保険料と一部負担金は二重取りであり、一部負担は考え直すべきだと、こういう研究者もおられます。実際に、ヨーロッパの先進国などでは窓口負担無料とされておりますから、これは理想でも空想でもありません。少なくとも、そういう方向も含めて負担の在り方、財源の在り方についての議論をもっと深める必要があると考えます。 
 そこで、最後に、社会保障の財源の問題ですが、歳出については、まず、軍事費を削り、北陸新幹線京都延伸など、大型事業をやめるべきであります。さらに、政党助成金はやめるべきです。 
 歳入については、大企業、富裕層への行き過ぎた減税政策をやめ、法人税、所得税を以前 の税率に戻すべきです。証券優遇税制を見直すべきでありますし、また、大企業の名目法人 税引下げに加え、様々な租税特別措置によって、実質納入税率はさらに低くなっています。この30年間で所得税の国税収入、所得税収は26兆円から19兆円、法人税収入は18兆円から10兆円へと大幅に落ち込んでいます。 
 労働行政規制緩和による政策的・意図的非正規労働の増大で、今や非正規率は40%前後と 言われ、特に京都はその割合が高くなっています。労働者でありながら社会保険から排除さ れ、結果としてその分、特に大企業などが社会保険料事業主負担を大幅に免れ、そのことが社会保障財源の大きな収入減少の要因にもなっています。健康保険はまだしも、厚生年金保険料の標準報酬月額は、65万円が天井で最高限度ですから、所得が高いほどその負担割合は低くなり、大企業の重役クラスなどの低い保険料負担割合が見過ごされたままになっています。無駄遣いにしろ、大手の懐にしろ、とにかく桁が違い過ぎます。 
 一言で言えば、私は強きを助け、弱きをくじく政治をやめること、格差縮小、賃上げと社会保障の負担増ストップで国民の懐を温め、その力で消費拡大、商店や製造業等の売上げア ップという方向は財源拡充にもつながっていくと、このように確信をいたしております。 
 本請願への御賛同、採択を心から願いまして、紹介議員としての説明とさせていただきます。ありがとうございました。

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