「子育て世帯への臨時特別給付(仮称)」の賛成討論 井上議員 - 市会報告|日本共産党 京都市会議員団

「子育て世帯への臨時特別給付(仮称)」の賛成討論 井上議員

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終了本会議 討論
井上けんじ議員
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 12月9日、「子育て世帯への臨時特別給付(仮称)」について、賛成する討論を、井上けんじ議員が行いました。
 討論のなかで、今回の対象とならない「本当に必要な世帯の人たち」にも「対象を拡大」するよう強く求めました。
 討論の内容は、下記の通りです。


  日本共産党は、議第168号、2021年度11月補正予算追加提案「仮称、子育て世帯への臨時特別給付」に賛成致します。しかし同時に、本制度の制度設計や運用等について、疑問や提案などもありますので、以下、これらについて討論します。

 今回の臨時特別給付は、児童の人数に応じ、世帯単位で給付、年内に5万円、来春に、原則、5万円相当のクーポンで給付、前後2回に分ける。但し、詳細はこれからとされています。給付費180億円に対し、事務費は、現金給付に1.5億円、クーポンは8.5億円、計約10億円が見込まれています。
 子育てや教育にかかる費用の増大の一方で実質賃金は低下傾向であり、特に非正規やひとり親世帯の生活実態は切実です。正規労働者も年末一時金の減額や、ベアどころか定期昇給もない現実が広がっています。子ども自身の貧困化が大きな社会問題になっていることも言うまでもありません。従って今回の補正予算は、当該世帯には大きな実益と激励になるものであり、勿論、賛成であります。

 しかし一方で、国の負担とは言え、ク-ポンについては事務費に多くの費用がかかり、全国で967億円もかかることが、今、大きな問題になっていることは、ご承知の通りであります。計10万円の現金給付の方が、市の事務負担にとっても受給世帯にとっても単純明快ではないかと思われます。本市では既に「電子クーポンに決めている」とのことですが、一方では「詳細未定」と、教育福祉委員会資料には書かれています。政府が、「原則、あとの5万円はクーポンで」との方針であったとしても、これはあくまでも原則にすぎません。
 松野官房長官も「地方自治体の実情に応じて全額現金給付も可能」と発表されており、その後、国会でも、岸田首相自身が、「実情に応じて現金可能」と、「実情」の内容が不明確とはいえ、このように答弁されています。具体的な方針の検討にあたっては、「自治体の意向を伺いつつ」とも首相が言われています。既に大阪市長は「現金のみで給付した方が効率的で、住民のニーズにも合っている」、群馬県太田市長も、「市民は現金給付を求めている。自治体の実務も大変、事務費もかさむ。これでは三方損になってしまう」と発言、等々、現金給付について検討中との自治体が増えていると報道されています。
 
 市長は、計10万円の現金給付という方針を持った上で、ペナルティは課すべきでないと国に声を挙げるべきであります。少なくとも、自治体の裁量を認めるべきだと発信すべきであります。国の事業だと言っても、国が国家公務員の仕事として出先機関で実施する訳ではありません。事務費だけでなく給付費自体が京都市の議会の議案となっています。実際にその事務に携わるのは自治体であり、また地域の実情に最も精通している自治体が、その具体化や運用のあり方を決めて然るべきであります。
 財政的にも、2回に分けたとして計3億円の事務費だとすれば、7億円もの減額または不用額として節約になり、967億円のムダ遣いの一部節減に貢献することができるでしょう。

 最後に、本来、生活困窮世帯は児童のいる世帯だけに留まらないところから、対象を児童に限定するのは制度設計上失敗というか不十分だと思います。元々、この制度は、「コロナ禍で大変苦しんでいる女性や非正規、学生といった弱い立場の方々に現金給付を考えたい」という首相の10/4の記者会見が出発点になっています。いつどこで変わってしまったのでしょうか。
 本当に必要な世帯の人たちにも対象を拡大するよう、この点も含め、市長は声を挙げ国に働きかけるべきであると、強く求めて討論とします。

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