日本共産党京都市会議員団は、「病床削減推進法」廃止を求める意見書を提出していますから、その理由を述べ討論します。
5月21日に「良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を推進するための医療法等の一部を改正する法律」、いわゆる「病床削減推進法」が成立しました。この法律は、消費税を財源とした補助金で病床削減を誘導するとともに、医師・看護師の体制を弱体化させるものです。コロナ禍以前から、厚労省が再編統合する公立・公的病院のリストを公表し、すすめてきたものです。
本市で、自宅や高齢者施設、宿泊療養施設で重篤化しても入院できず、治療を受けられないまま亡くなるという重大な事態も起こりました。感染症対策に逆行する同法は直ちに廃止し、命を救うための医療体制の拡充こそ必要です。そのためにも、436の公立・公的病院の再編統合リストはもちろん、必要病床数を再検証し、補助金は病床削減ではなく医療機関への支援にまわすべきです。
また同法は、医師の過労死を容認するものに他なりません。
政府はすべての勤務医に年960時間の時間外労働上限を設けるとともに、年1860時間を上限とする特例を認めようとしています。960時間は過労死ライン、1860時間はその2倍であり、異常な働き方を合法化するものであり、決して容認できません。
政府は、高齢者増に伴う医療需要は想定せず、労働時間も過労死ラインを前提とするなど、実態とかけ離れています。需要推計を見直し、医師を抜本的に増員する必要があります。
さらに、医師不足に対応するため、業務移管を推進し、医師養成課程を見直すものになっていることも重要です。医師・看護師の絶対的不足を放置したまま侵襲性の高い医療行為の業務移管を進めることは、医療の質・安全性を脅かしかねません。
以上、コロナ禍で病床削減、医療弱体化を食い止めるために、先輩、並びに同僚議員のみなさんの賛成を求めて討論を終わります。