「保育所条例の一部を改正」(聚楽保育所)の継続審査を求める動議。井上けんじ議員 - 市会報告|日本共産党 京都市会議員団

「保育所条例の一部を改正」(聚楽保育所)の継続審査を求める動議。井上けんじ議員

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終了本会議 討論
井上けんじ議員
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 只今、議題となっております議第69号「京都市保育所条例改正案」について、日本共産党市会議員団は、これを継続審査とすべきとの動議を提出いたします。以下、党議員団を代表して、私から、その理由を申し述べます。

 第一に、元々、同保育所については、昨年9月議会に対する市長の提案は、市立としては廃止するけれども、民間園として存続させるという内容でありました。保育所としては継続するということが市長の方針であったわけであります。にも拘わらず、その僅か半年後に、今度は保育所自身を廃止するなどということになると、では昨年秋は一体何だったのか。180度の方針転換、朝令暮改と言わなければなりません。
 しかし一方、よく考えてみると、昨秋と今春の共通点はというと、市立保育所としてはいずれも廃止との提案であります。要するに市にしてみれば、初めに廃止ありき、法人が見つかれば移管するがなければ文字通り廃止する。正に今回はこの意味での廃止提案ですが、もしそういう前提から保育園が足りるかどうか等が検討されたとすれば、その結論は最初から見えておる。その結論を導くための調査分析ですから、その結果は、ある意味、分かっていることだと私は思います。いずれにせよこういう市長の方針変更の経過、或いはその底を流れる一貫した廃止方針の背景や要因について、審議は未だ未だ尽くされているとは言えません。

 そこで第二に、その周辺の、乳幼児数と保育園の受容れ枠との調査分析でありますが、やっぱり足らないとなったとすれば、移管先が見つからない段階で市長は市立市営での存続も選択肢の中にありましたですか。昨年暮れあたりから、所謂行財政改革、施設の最適化という動きが急に浮上してきたのであります。最初に結論ありきだから調査分析もその範囲に留まるのも当たり前です。仮にそういう前提を置かない調査だとしても、そもそも、今の時点での、年度当初の現状調査だけに留まり、途中入所を経た年度末乳幼児数を考慮したものではありません。まして近隣園の定員外入所の現状までをも含めて受容れ枠があるなどというのは論外であります。いわんや、6年後も人口は減少傾向だ、受容れ枠は足りる等と言ってもその根拠はありません。市長は、今後の人口をどうしたいのですか。若い人たちにたくさん住んで頂きたいのではないでしょうか。今後の、周辺でのマンション建設など人口や、また近隣での事業所の動態・推移等については今の段階で断定できることではありません。この点で、市長サイドだけでなく、議会自身としても調査研究や分析や予測が必要ですし、そのためにも結論を急ぐべきではないと考えます。

 第三に、保護者や地域のこれからの子育て世代等関係者の皆さんへの説明が全く不十分で、保護者会ご自身も「今議会で採択せず、継続して審議して下さい」と要望されておられる通りであります。説明会を6回開催といわれてはおるものの、これは三密を防ぐために6回に分けて実施されただけで、各保護者にとっては1回の限定された説明会であったにすぎません。
 第四に、施行日が6年も先とされています。ということは、何も今急ぐ必要はないということに他なりません。一般的には「公布日と施行日は、一定の合理的な期間を置く」とされており、例えば周知に一定の期間が必要な場合等が想定されておりますが、今回は、周知期間必要な場合にはあたりません。継続審議とすれば議案としては継続するわけですから、市長の提案は既に市民には伝わっています。本条例改正案の場合、議会としては、未だ未だ時間は十分にあると考えます。

 最後に、ここ数年の一連の民間移管の総括が全く不十分であります。市立保育所の民間移管方針は、効率的運営・効果的保育なるものが目的とされ、また昨年秋の議案撤回後の今後の在り方の検討に際しては、市全体の行財政改革が背景にあることも委員会質疑の中で明らかになり、財政が大きな動機付けとなっています。ところが一方、その同じ行財政改革では「民間保育所等職員の給与等...補助金等の見直し」と予告されています。即ち、市立が民間に移管され、その民間もまた見直しの対象とされ、挙句の果てには今回の、その民間すら存続しないという事態に至っている、いや、市長が至らしめている。給与見直し、即ち低賃金は労働の質を低めると言われます。子どもたちの保育内容、即ち発達の権利にかかわってきます。どこまで見直すのですか。意向調査をしても応募法人が申請されない、或いは辞退されるといった一連の経過自体が、最早、民間移管方針が破綻しておることの証左であります。と、私は思いますが、いずれにせよその評価や総括について、未だ未だ議論は尽くされていないと考えます。

 我党自身は今の段階で、またおそらく今後とも本条例案には反対でありますが、しかし未だ未だ議論が尽くされていないと考えています。議論を尽くせば認識が一層発展しより深い立場から賛否を考えることもできていけると思います。先輩・同僚各議員の皆さんのご賛同を心から願いまして、継続審査の動議といたします。ありがとうございました。

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