PCR検査体制の拡充、公衆衛生機能の再構築を!7月補正予算・討論 やまね議員 - 市会報告|日本共産党 京都市会議員団

PCR検査体制の拡充、公衆衛生機能の再構築を!7月補正予算・討論 やまね議員

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終了本会議 討論
やまね智史議員
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 7月特別市会に提案された補正予算について、やまね智史議員が討論に立ちました。社会福祉施設の担い手確保対策など、関係者の要望を盛り込むものとなっていることなどから、賛成する理由を述べた上で、中小企業支援対策に市独自の家賃補助や持続化給付金の上乗せがないことなど、いくつかの点を指摘しました。
 討論の内容は、以下の通りです。


7月特別市会「京都市一般会計・補正予算案」に賛成する討論

2020年7月10日やまね智史
 日本共産党京都市会議員団は、議第74号「京都市一般会計・補正予算案」に賛成の態度を表明していますので、私は議員団を代表し、その理由を述べて討論します。
 7月特別市会では、新型コロナウイルス感染症対策として第4次となる補正予算163億6200万円が提案されました。今回、医療、介護、児童、教育、障害福祉関連施設への支援をはじめ、社会福祉施設の担い手確保対策など、関係者の要望を盛り込むものとなっていることは評価できます。新型コロナウイルス感染症にかかる検査体制の強化、救急活動における感染防止対策、京都市DV相談支援センターの体制強化、ひとり親家庭への支援、住居確保給付金の支援対象拡充、大学における学生支援対策事業、本市所管施設の利用キャンセルに伴う利用料還付なども必要なものです。
 また、伝統産業支援や商店街支援についての予算を積み増したこと、新たに農家・林業への支援や中小企業等の担い手確保・育成支援、さらに、文化芸術の再開支援として、個人・団体、発表や鑑賞拠点に対する支援を打ち出していることも、関係者の要望に応えるものであり重要と考えます。以上が賛成する理由です。

 次に、いくつかの問題について指摘し改善を求めます。
 中小企業支援については、「固定費支援や一律の現金給付は国がやるべき」として、市独自の家賃補助や持続化給付金の上乗せがありません。しかし、金融から始まったリーマンショックと異なり、実体経済を担う多くの個人・中小事業者が経営危機に陥っています。だからこそ、現に困っている個人・中小事業者を直接支援することが、現在起こっている事態にかみ合った経済対策となるのではないでしょうか。相模原市・新潟市・岡山市などでは、売上減が50%未満の事業者にも直接支援を行っています。京都市においても、売上減の実態に応じて事業者への直接支援を行うよう重ねて求めておきます。

 また、東京を中心に新たな感染者が多数確認されているもとで、MICE誘致推進として500人以上の大規模会議の開催支援を打ち出していることは問題です。「新しい観光スタイル」「コロナ以前に戻さない」と言い、簡易宿所を住宅に転用する補助金も提案しながら、「宿泊施設拡充・誘致方針」については、いまだに見直さない、矛盾した答弁もありました。今こそ観光インバウンドに偏った政策をあらため、「宿泊施設拡充・誘致方針」は撤回すべきです。

 「GIGAスクール構想」については、今回の31億円を含め、これまでの総額は58億円となりますが、一方で学習保障等のための人的体制整備はわずか10億円です。教育現場の実態を踏まえれば、少人数学級を実現するための、教員増や学校施設の整備こそ優先して行うべきではないでしょうか。

 財源問題についても述べます。今回、PCR検査体制の強化、保育料等還付、学童クラブ等の対応にかかる支援、教員加配、住居確保給付金の支援対象の拡充、ホームレス自立支援事業の充実など、コロナ対策上重要な施策が、地方創生臨時交付金の充当対象外とされ、一般財源の捻出を迫られたことは、京都市の取組の制約となっており重大です。臨時交付金を自治体の裁量で自由に使えるようにすることや、10兆円にのぼる予備費の活用を含め、国の責任で自治体への財政措置を行うよう強く求めるべきです。
 約13億円の減額補正も提案されていますが、コロナ後の社会のあり方や経済活動のスタイルを考えれば、リニア新幹線誘致や北陸新幹延伸、堀川地下トンネルや鴨川東岸線第三工区など、不要不急の大型事業を抜本的に見直すべきであることも指摘しておきます。

 コロナ危機の長期化と実態の深刻さのもと、「水道料金減免」「学生への給付型奨学金」「医療機関・社会福祉施設等への支援金の増額」など、引き続き市民のリアルな実態・声を施策・予算に反映させることが必要です。
 いま京都市に求められているのは、PCR検査体制を抜本的に拡充すること、地域において公衆衛生業務を広く展開する本来の行政機能を再構築すること、そして、国と一体で観光客・宿泊施設を呼び込む経済政策から、市民の暮らしと中小事業者を応援する経済政策への転換であることを申し述べ、私の討論とします。

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