一般会計、国民健康保険事業決算、介護保健事業決算の反対討論 - 市会報告|日本共産党 京都市会議員団

一般会計、国民健康保険事業決算、介護保健事業決算の反対討論

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終了本会議討論
玉本なるみ議員
 日本共産党市会議員団は、報第1号一般会計歳入歳出決算、報第3号国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算、報第4号介護保険事業特別会計歳入歳出決算について、認定しないと表明しています。私は議員団を代表し、その理由を述べ討論します。
 平成28年度決算は「京プラン後期実施計画」の初年度として、「くらしに安心、豊かさ実感、未来に責任」のまちづくりに積極的に推進したと言っていますが、市民の暮らしや生業が脅かされる重大な問題が起こっています。

 まず第1に認定しない理由は、財政と経済認識の問題です。史上空前の儲けをあげている大企業に特別な減税をしている国に対し、何ら批判もしないまま「国も財政が厳しい」と容認する姿勢を示しています。さらに国が地方交付税総額をこれまでよりもさらに削減する手法として導入した「トップランナー方式」も批判できないでいます。その結果、交付税の削減に対して本気で批判をできない姿勢となり、結局、対策と言えば、市民のくらしの予算を減らすばかりとなっていることが最大の問題です。景気が「緩やかな回復基調」という実感は市民にはまったくありません。さらに、低所得者ほど負担が重くなる消費税についても、「広く薄く負担を分かち合い安定した収入として将来に渡っての社会保障の財源になる」という答弁でしたが、消費税増税後の41カ月で家計消費が前年同月を上回ったのは、たった4カ月で、37カ月はマイナスです。政府は増税の影響は「一時的」と言いましたが、3年以上経過しても、深刻な消費不況が続いています。さらに社会保障は削減ばかりです。こんな時に、10%への大増税をやれば、経済もくらしもどん底に突き落とされます。市民や中小業者がいかに苦しめられ、景気を落ち込ませ、いまだに回復する状況にないことに目を向けるべきです。10%の増税は到底市民生活に受け入れられるものではありません。

 第2の理由は、歳入の確保として、公務の民営化や市有地、市の施設を企業へ提供を進めてきたことです。
 学校跡地は地元の皆さんの自治活動の拠点であったにも関わらず、民間へ差し出したことにより、施設の使用が制限され、自治活動に重大な支障が生じています。第一市場のにぎわいゾーンにもホテル及び商業施設を建てる計画が進みつつありますが、その際には都市計画の規制緩和をしてあげた上に、ホテルにつながる通路まで作るなど優遇措置まで行っています。
 さらに、ネーミングライツの問題では、京都市美術館という文化・芸術の拠点としての施設が、京セラスクエアにみられるように民間企業の宣伝のための施設かのような状態になってしまいます。京都市に収入が入ることが優先され、市民の思いが切り捨てられ、施設本来のあり方さえも変えてしまうことになっています。市民の財産を企業の儲けに提供することはやめるべきです。

 第3の理由は、歳出の抑制として、職員の削減や施設のリストラを大幅にすすめ、公的サービスの後退を進めてきたことです。
 まず、大宮消防署出張所を廃止したことで15人の消防職員が削減されましたが、その結果、木造密集地への消防車の到着時間が遅れることが明らかになるなど、住民の安全に重大な問題が生じています。また、民泊や食中毒、感染症などの対応や相談を行っていた区役所の保健センターの生活衛生部門が医療衛生センター一カ所に集約化され、市民にとっては身近な区役所での対応がなくなってしまいました。増大する簡易宿所や違法民泊の対応については、医療衛生センターの職員は多忙化を極めており、10月から前倒しで2名の増員はあったものの、20名ではまったく不十分であり、抜本的な体制の充実が必要です。区役所・支所の衛生コーナーのあり方も拡充が必要です。
 さらに、公権力の行使を含む窓口業務の民営化は、その他の行政業務の民営化の突破口にしようと国が押し付けてきているものです。市民アンケートでも多数の市民が民営化を望んでいないことが示されており、窓口業務の民営化はやめるべきです。

 第4の理由は社会保障を削り、市民生活を壊してきたことです。
 高齢化が進む中で、社会保障費が増額となるのは当然でありますが、国が社会保障費の自然増分を1700億円も削ったためにあまりにも不十分な内容にとどまっていると言わざるを得ません。その結果、「持続可能」な制度とするためだと、制度の改悪を進め、給付を抑え込んできています。自治体として、国の制度の改悪が進む時にこそ、国に改善を求めると共に、独自の対策を打ち、市民サービスの後退とならないようにすべきです。
 介護保険制度では、要支援1・2の方々の訪問介護と通所介護を予防給付から外し、市独自の総合事業としました。訪問介護では無資格者がたった8時間の研修で家事援助を行う「支え合い型ヘルプサービス」の導入や、有資格者の介護職員が行う生活支援サービスの報酬額を15%もカットする等で、介護サービス事業所の運営が厳しくなり、介護現場は大混乱しています。しかし、京都市は順調に総合事業は進んでいるという認識を示しています。現場の実態の把握が不十分であり、対策が取られていません。報酬額の改善などの早急な対応を求めます。
 国民健康保険制度では、保険料率は維持したものの、全体として保険料は高止まりの状況が続いています。保険料の引き下げを行うべきです。国に国庫負担率の引き上げを強く求めると共に国や京都府の支援の活用と京都市の繰り入れを増やし保険料の引き下げこそすべきです。
 生活保護制度においては、この間の国の扶助費の引き下げと住宅扶助の引き下げで、受給者の暮らしはこれまで以上に厳しくなっています。影響調査を行い、対応すべきです。捕捉率が低いことにも鑑み、市民の暮らしの実態を把握し、必要な方に生活保護制度の利用をすすめるべきです。
 敬老乗車証については、現行のままの制度では、財政が破たんしかねないとして応益負担への改悪をすすめようとしています。市民に対しては市民新聞で、敬老乗車証が財政を圧迫しているという宣伝を行うなど、市民にがまんを押し付けるような誘導を行ったことは問題です。高齢者の社会参加を進める立場で予算を増やして対応すべきです。
 子育て支援では、市長が公約としている子どもの医療費助成制度の拡充について、進展はなく、方向性も示されていません。通院も中学校卒業まで、窓口負担の無料化は市民の切実な願いであり、一刻も早くの実現をすべきです。
 保育の問題では、4月1日現在で国基準での待機児童ゼロを達成したとしていますが、その中には希望の保育園に入れず、別の保育園を紹介され辞退した方の数は入っていないなど問題を残しています。年度途中での入所もかなり厳しい状況にあります。必要な地域で安心して入所できる保育園の整備は引き続き求められます。公立保育園の民間移管については、保護者の公立のままで存続してほしいという要望には応えようという姿勢がありません。障害児保育の受け入れでは、民間保育園でも努力をしてもらっていますが、受入が困難となった場合にその受け皿となっているのが公立保育園です。その公立保育園の民間移管の方針は撤回すべきです。

 第5は市民の暮らしを守る立場において不十分な点を指摘しておきます。
まず、民泊対策の問題です。京都市がつかんでいる宿泊施設の内、約7割が旅館業法上、違法民泊であり、許可されている簡易宿所においても、市民の住環境を脅かしている施設もあり、「24時間の常駐体制」を原則とし、少なくとも「営業時間内の従業員の常駐」が必要です。住民とのトラブルの解決や、観光客にとって、安全と安心を確保するために、京都市独自の規制を厳しく定め対応すべきです。
 違法「民泊」の激増やホテル建設ラッシュの背景に、住民の暮らしを顧みることなく、「市外からの稼ぐ力を引き込む」とした観光客数を追い求める観光客誘致方針があります。市長は「インバウンドの中で様々な課題がある」と答弁しましたが、違法「民泊」による住環境の悪化、観光地も市バスも混雑しすぎ、地価の高騰など「住んでよし」が脅かされているという現状認識をもって、観光客誘致方針は見直し、規制に踏み出すべきです。
 教職員の働き方改革では、中央教育審議会の緊急提言で、残業時間の把握を自己申告ではなく、タイムカードやICカードなどによる客観的把握が必要と指摘されています。京都市において把握した超過勤務月80時間以上の教員は小学校で2.0%、中学校で13.1%ですが、国の調査では小学校が34%、中学校が58%と乖離していることを教育委員会も認められ、これまで実施してきた自己申告方式では、実態把握が不十分であったことが明らかになりました。28年度の超過勤務最長時間の方は月223時間で、27年度より悪化しています。また、精神疾患で休職している人も、ここ数年改善はなく、昨年度も84人休職されています。過去に京都市では公務災害で亡くなられた教員は5人おられ、二度と繰り返さない決意をもって取り組むことが必要です。副市長が今後も研究を重ると答弁しましたが、早急な対応が求められます。
 京都市が強調されている文化力について、言及しておきたいと思います。美術館の建て替えに伴って、屋外彫刻モニュメントを作者の同意を得ず、破壊したことについて、市長は初めて答弁しましたが、作者に対して、反省も謝罪もありませんでした。さらに、美術館再整備における休館中の作品提示会場の確保については、京都市が提示した代替施設はいずれも、設備や展示スペース、料金のどれをとっても、美術家団体の要望に応えるものではなく、責任をもって活動の保障ができるように対応すべきです。
 性的マイノリティ(LGBT)の権利保障に関して「国民健康保険証への通称名表記について関係機関との調整が整えば対応する。トイレの案内表記について研究する」との表明がありました。先進自治体に学びや当事者・支援者の方々のご意見を聴き、対策をすすめるよう求めておきます。
 原発については、エネルギー戦略において「中期的には脱原発」論に立ち、再稼働を容認している点は厳しく批判するものです。再生可能エネルギーに関しても原発ゼロの立場に立たないから、飛躍的拡大にならないと言わざるを得ません。
 最後に世界が今、注目する「核兵器禁止条約」について、唯一の戦争被爆国である日本の政府が参加しないという態度についての市長の認識について述べます。市長は被爆者国際署名に素直に署名し、「核兵器廃絶国際キャンペーン」がノーベル平和賞に選ばれたことも喜びたいと表明されました。しかし、肝心の条約参加については、「平和は唱えるだけで訪れるものでない。安全保障の問題も含めて、平和を継続していく国民的な議論も大事」と政府への働きかけへの言及はありませんでした。極めて残念です。平和都市宣言を行った都市にふさわしく、核兵器禁止条約に参加することを求めるよう政府に働きかけることを強く求めておきます。
 市民の暮らしの実態や声をもっとしっかりと受け止め、その声に応えるのが市政の役割であり責任です。以上、この様な多くの問題点を持った決算は認められないことを述べ討論とします。

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