憲法違反の「共謀罪」法案に反対せよ
伏見区選出の西野さち子です。日本共産党市会議員団を代表して市政一般について質問します。
まず今、国会で審議されている「テロ等準備罪」法案、いわゆる「共謀罪」法案が市民や地方自治体に与える影響についてお聞きします。
安倍内閣は4月19日に「テロ等準備罪」法案を提案し、今日にでも衆議院での採決を強行しようとしています。この「テロ等準備罪」法案は、犯罪行為がなくても、相談・計画しただけで処罰するもので、行為を罰するという日本の刑法の大原則が壊され、内心の自由や思想と良心の自由を保障した憲法第19条に違反する悪法です。たとえ名称を「テロ等準備罪」に変え、対象犯罪を絞っても、その本質はこれまで3度も廃案になった「共謀罪」に変わりはありません。安倍内閣は2020年の東京オリンピック・パラリンピックを開催するためにはこの法律が必要だと言いますが、テロ対策という口実は崩れています。日本はすでにテロ防止のための国際条約を締結し、57の重大犯罪について、未遂より前の段階で処罰できる国内法があります。また、「テロを防ぐ『国際組織犯罪防止条約』を批准するため」としていますが、この条約は、テロ対策が目的ではなく、マフィア等の組織犯罪が対象になっているのですから「共謀罪」は全く関係ないのです。
誰を対象にするのかの判断をするのは捜査機関です。共謀しているかどうかをつかむためには、多くの国民が盗聴や監視の対象となり、極めて広い範囲にわたって捜査権限が濫用される恐れが否定できません。「共謀罪」が成立していない今でも多くの国民が利用しているLINEが、1000件もの情報提供を行っていたことが明らかになっています。また、「一般人は対象にならない」と言いますが、国会答弁で誰もが対象になりうることが明らかになりました。かつての治安維持法のもと市民や宗教者の皆さんなど数十万人が逮捕され、獄死者もでたという歴史の事実があります。3月末の時点で、「共謀罪」法案の反対・撤回を求める意見書を採択した地方議会は45議会に上り、140人を超える多くの刑事法研究者や日本弁護士連合会、日本ペンクラブも法案に反対声明を出すなど批判は国民の中に大きく広がっています。現代版「治安維持法」と言える「共謀罪」(「テロ等準備罪」)法案は、市民の誰もが捜査の対象になりうる危険性があります。市長は、もの言えぬ監視社会をつくり、憲法に保障された自由な社会をこわす違憲立法だとの認識はありますか。
(総合企画局長)テロ等の国際組織犯罪や国内における組織的な犯罪集団が関与する重大な犯罪から国民をより良く守ることを目的とした「テロ等準備罪」法案は、これまでの国会における議論を踏まえ、「組織的犯罪集団」や「犯罪行為」の明確化、対象犯罪の限定列挙など犯罪構成要件の見直しが図られてきた。条文の解釈や法の運用を含め、日本国憲法の基本理念である基本的人権を尊重しつつ、国会において十分議論され、国民への丁寧な説明責任を果たすことが必要である。
高浜原発の再稼働は認められない
次に、高浜原発の再稼動問題について質問します。
今年3月28日に大阪高裁から高浜原発再稼動を認める決定が出され、一昨日、4号機が再稼動され不安が広がっています。高浜原発は今年1月にはクレーンの倒壊で核燃料保管の建屋を壊す事故等が続き、免震棟は未完成で、フィルター付ベントは未設置です。更に通常炉よりも事故の危険性が高まるプルサーマル発電であり、使用済みMOX燃料にいたっては再処理の目途は全く立たず、保管自体が危険で長期になります。本市の原発事故を想定した避難計画や訓練も全く不十分です。事実上再稼動を容認している関西広域連合も4月28日の連合委員会で「関西電力の高浜原発再稼動方針に対して、クレーン倒壊事故など住民の不安が大きい。近隣住民の懸念払拭に向けた真摯な対応と万全の安全対策を求めるとともに、国に対して「再稼動に際して同意を求める自治体の範囲を明確にするよう」申し入れ書をまとめました。そして新聞報道では滋賀県知事は「再稼動の同意手続きの法定化や使用済み核燃料の処分の道筋が見えてこない」として『再稼動を容認できる環境にない』と言っている自治体がある」ということを関西広域連合の文書に入れるように求めています。
市長はこのように様々な不安や問題が解決していないことは重大だとの認識は有るのでしょうか。放射能汚染の危険性は30km圏にとどまらないことは、福島原発事故でも明らかです。京都市から、再稼動に反対の声をあげ、市民の安全を守るべきではありませんか。いかがですか。
(植村副市長)中長期的には「脱原発依存」を主張。原発に依存しない電力供給体制が構築されるまでの間、やむを得ず再稼働する場合には、国においてその必要性を明らかにし、世界最高水準とされる新規制基準に基づく安全性の確保に向けて、万全を期すとともに、周辺住民に説明、理解を得ることが重要である。高浜原発の再稼働に際しても、関西広域連合の枠組で、国および関西電力に安全確保等の申し入れを行っている。
介護が必要な方に必要な介護を
次に、介護保険制度についてお聞きします。
要支援1・2の方を対象にした総合事業による悪影響について、わが党は以前から指摘をしてきました。4月1日から事業が開始され、まだ1箇月あまりしか経っていませんが、すでにあちこちで混乱の声が噴出しています。ある包括支援センターの方に現状をお聞きしました。総合事業の訪問介護事業所登録をしている所でも、「登録はしたがまだ検討中なのでヘルパー派遣を見合わせているところが多い」との事です。また、すでに撤退を決めた全国規模の事業所もあるなど、生活支援型ヘルパーが全く足らないとの事です。事業所の運営が困難にならないように家事援助のみでも総合事業前と同じ報酬に戻すべきでは有りませんか。いかがですか。
(保健福祉局長)総合事業は、現行相当のサービスはもとより、新たな家事援助のみを行う生活支援型ヘルプサービスや短時間型デイサービスなども含め、多くの事業者が算入、円滑なサービス利用が進んでいる。生活支援型ヘルパーサービスの報酬単価は、要介護認定を受けた方の家事援助サービスと同じ単価にするなど、サービス内容や提供時間が近い要介護者に対するサービスの報酬と同等としている。サービスに見合った適切な報酬体系であり、見直す考えはない。
利用料についても問題があります。先日、75歳と78歳のご夫婦にお話をお聞きしました。夫は脳梗塞で半身不随までは行かないが、歩くことも手の動作もぎこちなく、生活には介護が必要だと言うことです。ところがこの方は介護保険料の滞納がありました。親族が努力をして滞納分を分割で払われたのですが、時効に間に合わず、利用料の3割負担というペナルティが課せられています。介護が必要な状況にあるけれど利用料の3割負担は重すぎて利用に踏み切れないでおられるのです。自宅で生活するためには手すり等をつける必要がありますが、3割負担ができないため、自宅の改善ができない状況です。妻は入退院を繰り返しておられ、医療費負担などが月に5万円以上かかり、利用料の3割負担とあわせれば負担の限界を超えてしまいます。負担ができないからと利用を控えている人もあるのではないかと考えられますから、対策が必要です。3割負担のペナルティはあまりにも重すぎます。まずは1割負担でのサービスを保障すべきです。京都市独自の措置として、必要な方には必要な介護が受けられる制度に改善してこそ、自治体本来の役割が果せるのでは有りませんか。いかがですか。
(保健福祉局長)介護保険料の滞納により、利用者負担を3割にする等の給付制限は、介護保険法に定められた措置であり、負担の公平性を確保する観点からも本市独自に利用者負担を1割とすることは考えていない。
2015年の改悪で年金収入のみで280万円以上の人の利用料が1割負担から2割負担に改悪され、全国で45万人に負担増が押し付けられました。その結果21世紀・老人福祉の向上をめざす施設連絡会の調査では、100を超える特別養護老人ホームで「支払い困難」を理由にした退所が発生したと言うことです。このような状況があるのに、利用料の3割負担への改悪が、参議院で審議中です。今回の改悪が実施されれば全国で12万人、京都市でも約1700人程度が負担増になるということですから、現状をさらに悪化させることはだれの目にも明らかです。3割負担ではなく、2割負担をもとの1割負担に戻すべきです。地方公聴会も開かず、関係者の声もまともに聴くこともなく、たった22時間の審議で、衆議院で強行採決を行った自民公明維新の責任は重大です。現状の介護保険制度でも介護が受けられない介護難民といわれる高齢者がおられる状況にありますから、京都市として利用料の軽減策をとると同時に介護保険制度の度重なる改悪に対して、国に反対の声を上げるべきではありませんか。いかがですか。
(保健福祉局長)高額所得者の利用者負担を3割とする法改正については、高齢化の進展に伴う保険料の上昇を可能な限り抑制し、介護保険制度を今後とも持続可能としていくためのもの。介護保険制度は全国一律の制度であり、利用者負担の割合を本市独自に変更することはできない。
午前中の質問の最後に、本市の文化行政について一言指摘をしておきます。市長は「京都の最大の強みである文化力を基軸にする」としていますが、実態はどうでしょうか。京都市は本市の名誉市民である桑原武夫氏が88年に寄贈された貴重な蔵書を遺族に無断で破棄したのに続き、京都市美術館が委託して制作・所蔵しているモニュメントを自ら切り刻んで撤去する工事を強行しようとしています。前代未聞の暴挙に抗議し、切断工事を中止するよう強く求めまして、午前中の質問とします。
違法民泊をなくし、「訪れてよし、住んでよし」の京都を
最初に、民泊問題についてお聞きします。
京都市は「宿泊施設誘致・拡充方針」を作成し、訪日外国人宿泊客数を2020年に約440万人~630万人と見込み、「宿泊施設が足らない」と国の方針に基づき観光客を呼び込む政策を展開しています。この「方針」の下で、激増する民泊によって今、京都の町が変貌し市民生活に大きな影響が出ています。共産党市会議員団に寄せられた声や議員団が現地調査をした例を紹介し質問します。まず、京都の町がどのように変貌してきているのかという問題です。民泊関連の業者による空き家の買占め等が異常に進んでいる地域があります。例えば東山区では空き家が次々と売却され、改装されたかと思うと民泊になっています。50坪で3億8千万円の値段で土地家屋が売りに出されたということもお聞きしますから、土地の価格が2倍3倍に高騰し、かつてのバブル期の様相で、一般市民には手が届かなくなっています。ある狭あいな道路に面した路地では、丸ごと民泊になる勢いだったり、9軒中6軒が民泊になり、町内会が機能しないだけでなく生活実態の無いまちになっていく不安を住民のかたがたは語られています。このように民泊が急増する例は今、市内の中心部にとどまらず、周辺部にも広がっています。まちが変貌する下で市民生活に及ぼす影響も深刻さを増しています。1町内に10軒以上の民泊ができ、周辺住民の静かな生活が壊されている地域もあります。深夜のキャリーバックの音にとどまらず、ある商店が目印にされ、宿泊者の荷物の配送先にされたという考えられないことが起こっています。連棟の1つが民泊になり、宿泊客の大きな話し声が騒音として住民を悩ませています。ここでも住み続けることができない町になりかねない深刻な問題が起こっています。市長はこの現状について、どのように認識されていますか。ますます深刻になっているという認識はありますか。お聞かせ下さい。
市内の民泊はエアーB&Bだけでも昨年2月に4650件と増え続けていますし、他のサイトを含めれば5000件を越すことは明らかです。市民にこれだけの被害が出ているにも拘らず京都市は、11の区役所で90人体制であった民泊対応の部署を1箇所19人に集約し、「重点的、集中的、機動的に対応できるよう集約し、専門のチームを作って対応していく。実態調査も民間のノウハウ、情報をしっかり把握して、行政として適切に対応していく」と答弁してきました。しかし、区役所で地域の状況がつかめなくなり、市民が何度電話をかけて違法行為を訴えても改善されない等、現状はますます深刻の度を増しています。現状を改善するために、旅館業法関連の部署を各行政区へ再配置することとしっかり対応できる職員体制の充実を求めます。いかがですか。
更に問題なのは、京都市が許可をした簡易宿所周辺でもこれらの住民被害が引き起こされている現状です。その原因は元あった帳場が無い、緊急連絡先がわからない、看板が無いなど、明らかに違反している施設が増えていることにあると考えられます。一旦許可をすればあとは野放し状態では許可の意味がありません。ホテル旅館等の許可件数は、昨年だけでも838件、5月10日現在で市内2135施設の許可が出されています。全ての施設に対して許可条件が守られているのか、周辺住民への被害が無いのかどうかのチェックが必要です。そして問題があれば許可の取り消しをすべきです。そのための職員体制の強化を求めます。いかがですか。
観光客が増加して宿泊施設が足らないと言いますが、無制限に観光客を増やして良いのではありません。観光客の方々が、京都に何を求めておられるのかをしっかりと見極めることが重要です。落ち着いた雰囲気のまち並みや歴史を感じることのできる京都を見失ってしまったのでは、取り返しのつかないことになります。2015年の京都観光総合調査における満足度調査でも、「京都を再び訪れたい」と言う人が日本人で減少し、日本人観光客は前年比112万人減少しています。京都らしさが無くなり、その上、地域住民が住めない町になってしまっていいのでしょうか。これでは全くの本末転倒です。誘致一辺倒ではなく、観光の在り方への検討が必要ではないでしょうか。市内で起こっている民泊問題に拍車をかけている宿泊施設の誘致・拡充方針の見直しが必要です。
そして京都市が5月1日から5年計画で取り組んでいる「上質宿泊施設誘致制度」はこれまで規制されてきた地域でも京都市が上質と認めれば宿泊施設が可能になるというのですから、まち壊しにつながる危険があります。撤回すべきです。
一方、自宅で海外からの観光客に宿泊してもらうホームスティ型民泊で交流を深めておられる方もあります。「日本の文化に触れ、人と人との交流をしたい」「日本の生活を体験したい」と言う思いを持っている観光客も多いそうです。畳の部屋に押入れや仏壇は驚かれるようです。また、地域の商店街で買い物をしてお馴染みさんになることもあるそうです。リピーターになって「また来たい」と言う人もあるといいますから、これが交流を目的とした本来の民泊の姿ではないでしょうか。今、京都市が進めようとしている京町家の保全にもつながります。ホームスティ型民泊に取り組んでおられる方々も違法民泊には反対されています。違法民泊を根絶し、地域と良好な関係を築き共存できるようにすべきではないでしょうか。
観光の基本は「住んでよし」「訪れてよし」と言われていますが、観光客で混雑しすぎている町、コミュニティが壊され、住みにくい町になっている現状について、市長はどのように認識されていますか。観光の本来のあり方に立ち戻るべきと考えますがいかがですか。
また、今でも市民生活に深刻な被害をもたらしている現状がある上に国が進めようとしている新法「住宅宿泊事業法」は、許可制を届出制にして違法民泊を合法化するものです。これでは市民への被害はとりとめもなく広がっていく危険がありますから、市長として新法の撤回を国に強く求めると同時に、帳場への人の常駐、住居専用地域や集合住宅での民泊を条例で禁止すべきと強く求めておきます。
(市長)本市では、違法民泊対策にいち早く取り組んできた。平成27年度に立ち上げた「民泊対策プロジェクトチーム」による実態調査を踏まえ、平成28年度には「民泊通報・相談窓口」を設置し、これまで延べ2143回の現地調査、厳正な指導により違法状態にある300施設の営業を中止させた。28年度の法令にもとづく簡易宿所の許可件数は前年度の3倍以上の813件で取組の成果を実感している。しかし指導を行うべき施設等も依然存在している。今年度から各区役所の衛生課の業務を医療衛生センターに集約化し、民泊対策に特化した専門チームを設置、指導・監督すべき施設が集中する地域への重点的な取組や複数の行政区にまたがって営業する事業者への的確な対応など、柔軟でかつ機動的でさらに強力な取組が可能な体制を構築したことろ。違法な民泊施設の所在地や営業者等を特定するため、民間事業者を活用した調査を6月から実施する。京都府警とも連携し、違法な民泊施設の根絶を目指して、全庁をあげて毅然と対応していく。
許可施設に対しては、定期監視において、法令に基づく施設基準や衛生面の確保に加え、昨年12月から新たに実施している指導要綱に基づき、周辺住民の安心安全や生活環境との調和の確保の徹底を図る。地域住民の皆様からの相談にも丁寧に対応していく。京都の強みである文化を中心に観光の本質に迫る観光振興を引き続き明確にし、伝統文化・伝統産業の振興や中小企業の活性化、安定した雇用の創出など、市民生活の豊かさや都市格の向上につなげ、観光客の皆様に感動を与えると同時に市民生活との調和を図っていく。
市営住宅ストック総合活用計画は見直しを
次に、市営住宅ストック総合活用計画についてお聞きします。
最初に、空き部屋改修の問題です。市営住宅は年4回一般公募が行われています。毎回の応募倍率は団地による差はありますが、昨年12月の公募結果では平均で7.6倍、高いところでは一般で49倍、単身者で77.5倍、単身者向けシルバーハウジングでは86倍と非常に高くなっています。「京都市住宅マスタープラン」の中間見直し後のプランでは、市営住宅について「住宅確保要配慮者の住居の安定を確保するための中核的な役割を担うことが求められる」とされています。住宅マスタープランに基づいて、市民が安心して住み続けることができる住居を提供することは京都市の果すべき使命です。ところが公募倍率が高い一方で空き部屋が目立っています。極端なところでは、階段型のところでは1つの階段で10戸の内2戸しか入居されていないところもあります。1階や2階でも空き部屋が目立つ状況です。高齢化が進み4階5階から下に住み替えを望んでおられる方も多い中、空き部屋のままで放置されているのですから、市民から「何とかしてほしい」という声が上がるのも当たり前です。また、空き部屋の増加で自治会活動にも支障が出かねない状況も深刻です。「改修に時間がかかるから、簡単に改修できるところから進めている」といつも答弁されます。しかし、改修をして入居してもらえば家賃収入が増えるわけですから、空き部屋のまま放置すべきではありません。空き部屋の改修をすすめ、住宅を必要とする方の住居の安定確保に向けて京都市の責任を果すべきです。いかがですか。
(都市計画局長)市営住宅を長期間有効に活用するために、活用方針や目標とする数値を定めた「ストック活用計画」を策定し、適切な改善・改修を実施しながら、全市営住宅2万3千戸を管理している。空き家については過去の応募倍率や市内の地域間のバランスなども考慮し計画的に整備、近年では年間平均700戸を超える住戸を供給している。昨年度から、国の補助金を活用した子育て世代向けのリノベーションを実施し、供給戸数の更なる上積みを図っている。
前回の10年間計画に引き続き、2010年から10年間の計画で市営住宅ストック総合活用計画が進められています。耐震改修やバリアフリー化が進められていますが、耐震化は計画内に90%ありきではなく、少しでも前倒しをすべきです。また、バリアフリー化については、前回の計画が70%を目標にしていたものを、51%にしか進まなかったことを受けて、今計画では70%以上と言う消極的な目標にとどまっています。今年度はどこまで進める計画になっているのでしょうか。年次計画を立てることが必要です。そして、年次計画を前倒しにしてでも耐震化・バリアフリー化のどちらも急ぐ必要があります。いかがですか。
(都市計画局長)耐震改修については、4217戸の改善を図り、耐震化率を18ポイントアップさせた。
また、「ストック活用計画」では、旧改良住宅を集約し、跡地を市営住宅ではなく、他の施策への活用が検討、実行される計画になっています。旧改良住宅を含めての市営住宅の管理戸数の維持がされなければ、住宅マスタープランの住宅確保要配慮者の住居の確保は後退するではありませんか。
また、今進められている集約も含めて住民に説明が全くされていないことも重大です。集約と規定されているがいつごろに計画が動くのか、住民にとってはわからず、不安が募るのみです。そして集約棟はどれだけ空き部屋が増えても公募はしないために、治安が不安な現状もあります。耐震改修もせず、放置されたままではあまりにも無責任です。旧改良住宅は交通の便の良い場所が多いのですから、老朽化した旧改良住宅の建て替え計画を策定し、市営住宅としての活用を進めるべきです。旧改良住宅の集約による管理戸数の減少は許されません。市営住宅の管理戸数の減少を進める「市営住宅ストック活用計画」の見直しを求めます。いかがですか。
(都市計画局長)積極的な国費の確保や民間活力の導入により、楽只団地や八条団地など5箇所の団地再生事業、醍醐南団地や樫原団地など4箇所の改善工事に取り組む。
「ストック活用計画」では、公営住宅に改善工事を施し、長く大切に使うこととしており、新たに公営住宅を建設する考えはない。
また、入居者からは入居環境の改善についての請願が何度も寄せられています。その結果風呂がまの改修についての改善が行われ大変喜ばれています。ただ、シャワーの設置と浴槽の改善はされておらず、要望が強く出されています。浴槽は高さが60センチ~65センチのものが最も多く、高齢者は足が上がらず入浴ができない方が増えています。本当に危険ですから早急な改善が必要です。取り替えるには高額の費用が必要となり、我慢されている方も多いのが現状です。市営住宅の改修について、シャワーの設置と浴槽の取替えや特に高齢世帯には優先して安全に使用できる低い浴槽に取り替える等、公私負担区分の見直しをして対応をすべきです。いかがですか。以上で私の質問を終わります。
(都市計画局長)本市の負担で行うことは、厳しい財政状況の中で、現状では困難であり、まずは、浴室のない住戸への浴室の設置を優先的に進めていく。