教育条件の改善を求める請願の不採択に反対し、討論をします。貧困と格差が広がる中で、昨年8月、京都市でも子どもの貧困調査が行われました。その中でも明らかなように、行政に求められるのは、「生活や就学のための経済的支援」はもちろん、「読み書き計算など基礎的な学習支援」など学習や進学に対する保障です。今、学校教育に求められることは、全ての子どもの命が大切にされ、安心して学べる居心地のよい環境の中で、確かな学力を保障し、友だちとつながる力を身につけ、自らの進路をしっかりと選択できる力を培うことです。だからこそ、京都市として独自予算を組み、小学校2年生の35人学級と中学校3年生の30人学級を実施しているのではありませんか。そして、それは、教職員や保護者に大歓迎されました。しかしその後、改善されないまま、10年が過ぎようとしているのです。
全国の小中学校の35人以下学級は小学校3・4年生で87.4%です。京都市においても、来年度3年生になると40人学級の定数になり、学級減になるのは、35学級と局別質疑で答弁がありました。つまり、35人の教職員を配置すれば、小学校3年生の35人学級は実現できるのです。この4月からの税源移譲に伴って、京都市として独自予算を使わなくても、国から配分される教職員数で独自の対応ができるはずです。
日本共産党の畑野君枝衆議院議員が3月10日の衆院文部科学委員会で、公立小中学校の教職員数を拡充する法改正案に盛り込まれた「少人数指導等の推進のための基礎定数の新設」について、「少人数学級の拡大」にも活用できるか確認しました。その質問に、文科省藤原初等中等教育局長は「ご指摘の通りだ」と認めています。また、松野文科相は少人数学級について、「よりきめ細やかな指導が可能となり、有効な施策だ」と述べているのです。
教職員の長時間過密労働の是正がクローズアップされ、子どもと向き合う時間の確保のための取り組みが進んでいます。その最大の施策は、一クラスの人数を是正することです。「少人数指導等の推進のための基礎定数の新設」を有効に使って、段階的に35人学級を実現するよう求めます。また、財政的に国が責任をもつ「基礎定数」の改善で35人以下学級を進めるよう、国に対して、京都市の重点としての予算要望に位置づけ実施することを求めます。このことが請願者の思いであることを申し添えて、討論を終わります。