日本共産党市会議員団を代表して、「チーム学校推進法の早期制定を求める意見書(案)」に反対する立場から、討論します。
「チーム学校運営」を推進する「チーム学校運営の推進に関する法律」は、昨年12月に開催された中央教育審議会総会において決定された3つの「答申」の一つ「チームとしての学校あり方と今後の改善方策について」を具体化したものです。この答申は、養護教諭や栄養教諭等の配置基準の改善、スクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラー、部活動指導員などを法に位置づけるという方向性を打ち出しています。しかし、管理職層の配置を増やすなど学校長の「マネジメント」力を強化する観点からのものとなっており、チームワークが大切にされなければならない学校職場の協働を阻害するものと言わざるを得ません。
現在、国会で継続審議となっている同法案は、基本理念で「校長の監督の下に、公務を分担し、連携協働する」となっており、さらに、条文では、国および地方公共団体が「校長に対し必要な権限を付与するよう努める」とあるように、学校の管理運営を強化し、校長中心の管理統制型の学校づくりを押し進めるものです。
この法律は、「少子高齢化」やグローバル化などに対応した人材育成をおこなうことを目的とするものです。そして、子どもと教育をめぐる困難の打開をもっぱら子どもと父母・保護者、学校と教職員、地域住民の責任とし、これらの社会的要因を作り出してきた国や行政の責任を不問に付すものであり、反対です。
今、求められていることは、国の責任で30人学級を実施するなど学級定員をOECD諸国並に引き下げることです。全国学力テストなど競争主義的な教育をあらためること、教職員の長時間過密労働を抜本的に改善すること、学校や教職員への統制ではなく自主性や自由な議論を尊重することなど、子どもと教育にゆとりを取り戻すことです。これらのことを指摘して、討論とします。