日本共産党京都市会議員団は、議題74号「京都市過疎地域自立支援計画」については「反対」をしていますので、議員団を代表して討論を行います。
合併10年が経過した京北で、住民のみなさんからさまざまなご意見をお聞きします。「人口減少・高齢化が進み、集落の存続が厳しくなってきた」との声。「住み続けたくても仕事がない。基幹産業である農林業が厳しい」などのお話です。これらの願いに応えるためにも、今後も京北地域への支援は大変重要でありますし、更に強めていく必要があります。「京都市過疎地域自立支援計画」は、住民のご意見を充分に踏まえることが何よりも大切です。
提案されている「京都市過疎地域自立支援計画」に反対する第一の理由は、この計画において、全「事業費」の52%を占める「小中一貫教育推進事業」については、住民の根強い「異論の声」があるからです。
昨年、「京北未来かがやきビジョン」策定時に実施した市民意見募集では、京北での小中一貫教育校には、「反対である」、あるいは「時間をかけて議論すべきである」、「最優先にされるべきは京北第三小学校建て替えである」など、「小中一貫教育校」、「学校統廃合」に異論の意見が、併せて159件寄せられ、「賛同」する意見14件よりも、圧倒的多数となりました。
また、京北地域の6つの自治会では、小中一貫教育校に「賛成した」とされる自治会は半数に留まっています。PTAでも「小中一貫教育校」「学校統廃合」に「異論」のご意見が根強く存在しています。「過疎地域自立支援計画」は、これらのご意見に応えるべきです。
京北へ子育て世代の移住をすすめ、人口流出に歯止めをかけるためには、身近な学校が必要です。「各地域になくてならない学校を残してほしい。身近や学校を存続して教育を頑張って欲しい」、との声に応えるべきです。
第二に、京北地域では、近年の台風災害などにより、「通行止め」の京都市道が5ヵ所残されています。その中には「復旧時期も未定」の道路も残されています。これらの道路は生活道であり、林業など作業道であり、集落の大切な基盤です。復旧を直ちにすべきではありませんか。
また、今月末で終了する、現在の「過疎地域自立支援計画」において予定した事業のうち、完了出来なかったのが「林道整備事業」です。提案の新しい「過疎地域自立支援計画」では、この未完了となった別の場所での「林道整備事業」計画が入っていますが、大規模公共事業である「広域幹線林道改良事業」以外に、地域の林道整備はたった1ヵ所に留まっています。これらの点について林業者から、「林道整備が少ない」など意見があります。林道整備事業は、林業振興に極めて重要な施策です。そのため、今後も林業者の意見集約と、しっかりとした現状調査を実施した上で、既存林道の再整備も含めた事業化が必要です。
第三に、各地域の住民が必要とし、安心して住める地域づくりの為の、京北病院附属の「4つの診療所」の古くなった施設の再整備や、京都市直営の各「保育所」の施設再整備についても計画はありません。各地域で安心して住めるように、なくてはならない身近な施設整備が必要です。
京北は広い各地に集落が点在し、住民が生活しています。ところが、学校など公共の施設を一つに集約する傾向ではありませんか。これでは、各地の住民の生活は守れません。住民が住みやすいまちづくりと産業振興が必要であることを指摘して討論と致します。