「労働法制の改悪に反対する意見書」についての討論 - 市会報告|日本共産党 京都市会議員団

「労働法制の改悪に反対する意見書」についての討論

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閉会本会議討論
くらた共子 議員

 日本共産党市会議員団は、「労働法制の改悪に反対する意見書」を提案しています。私は議員団を代表し、この「意見書」(案)の可決を求める立場で討論を行います。
 世界的に、1日8時間・週40時間以内の労働時間の規制は、誰もが人間らしく働くための保障の大原則であります。EUの「労働時間指令」で、「時間外を含め週48時間」と厳格に規制されているヨーロッパにたいして、日本では労働者と使用者が労働法第36条、いわゆる「三六協定」を結べば、自由に残業時間が決められる仕組みとなっており、法律の抜け穴によって労働者の健康と生活を脅かす実態が常態化しています。政府は、異常な長時間労働やサービス残業の横行、ブラック企業・非正規雇用拡大などの問題や過労死という重大な社会問題の原因に正面から向き合い、是正に取り組むべきであります。
 とりわけ、日本を代表する大企業がそろって「月80時間以上」の「過労死ライン」を無視している実態は許されません。「企業まかせ」では長時間労働はなくせません。これを質し、人間らしい働き方と安定した雇用を確保することが政治の果たすべき責任であります。
 ところが、政府の労働者派遣法「改正法案」は、「臨時的・一時的な業務に限る」という派遣労働の原則をなくし、人を入れ替えれば、いつまでも派遣労働者を使い続けることができる「生涯派遣・正社員ゼロ」法案となっております。
 さらに、昨年制定された「過労死等防止対策推進法」の具体化が今こそ求められているにもかかわらず、労働時間規制を適用除外とする「成果型労働制」の導入や「裁量労働制」の対象を拡大することは、成果が出るまで働き続けることになり、「過労死」の防止そのものに逆行するものであります。また、「解雇の金銭解決制度」はお金さえ支払えば不当解雇も是認するというものであり、到底、認めることはできません。
 今、国が総力をあげて取り組むべきは、労働時間の上限規制を定めることです。1998年に政府が大臣告示として決めた「時間外労働は月45時間」を限度とする基準を法律に定め、賃金を底上げし、労働者の生活と健康を守ることが重要です。その為にも、労働者派遣法の「改正」法案を撤回し、「残業代ゼロ」「過労死促進」となる労働基準法の改悪はやめるべきであります。最低賃金の大幅な引き上げとともに、地域間格差を縮小する施策をとり、全国一律の最低賃金制を確立すべきであることを強く指摘し、私の討論といたします。



 

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