日本共産党京都市会議員団は介護保険の抜本的見直しを求める意見書案を提案していますので、私は日本共産党市会議員団を代表して、討論をいたします。
政府は、2015年介護保険報酬改定で2.27%の大幅な引き下げを決定しました。今回の改定には、介護職員の処遇改善、認知症・中重度ケアなどの加算を含んでおり、これらを除くと介護報酬は、4.48%と過去最大規模の引き下げとなります。
特別養護老人ホームの基本報酬は、約6%の大幅な引き下げとなっています。すでに特養ホームの3割が赤字という実態が調査結果で判明しており、今回のマイナス改定によって、さらに特養ホームは苦境に追い込まれることになります。
在宅介護に大きな役割をもつデイサービスにおいても、小規模デイサービス事業所では約5%~20%のマイナス改定となっており、経営困難を理由に、廃業や事業の縮小、利用者への個別負担の徴収を検討している所も出てきています。在宅重視とは到底言えない状況にあります。
また、介護職員の人手不足は深刻な状況にあり、訪問介護事業所では、ヘルパー派遣の依頼があっても、断る事態も起こっています。「募集をかけてもかけても、応募が来ない」という声を多くの事業所からお聞きしています。政府は、今回の改定で介護職員の処遇改善の拡充をしていると言いますが、報酬全体を下げているなかで、改善効果は期待できるものではありません。
高齢化が進み、要支援・要介護者も増加するのは、わかっていたことです。それを3年毎に、保険料は上げ続け、サービスを切り捨てるやり方を進めていくことは、保険制度そのものを破綻させるものです。減り続ける年金から保険料の天引きが増え、生活費が減っていく高齢者の不安の声に耳を傾けることです。いざ、介護保険を利用しようとしても、もっと動けなくなってからじゃないと利用できませんということになると、もはや保険制度は言えません。
決して、大げさな予測ではありません。介護保険が始まって15年になりますが、このままの制度では、国民の不満は爆発し、事業者も破綻していきます。解決するには、国の負担率を大幅に上げ、福祉労働者の賃金を根本から引き上げ、安定した職場運営をできるようにすることであり、猶予できない事態であります。
安心できる介護保険とするための抜本的な見直しが必要です。
以上、同僚議員の皆さまの賛同をお願いし討論とします。