日本共産党京都市会議員団を代表して、我が党提案の「高浜原発第3号機・第4号機再稼働の中止を求める意見書」について賛成する立場から討論をいたします。
ご承知のとおり、今まさに、国および関西電力は、原子力規制委員会の定めた新規制基準に「適合」したとして、高浜原発第3号機・4号機を再稼働しようとしています。新規制基準は東京電力福島第一原発事故を踏まえて地震・津波の想定を見直したとしておりますが、それ以上大きい災害が起こらない保証はどこにもありません。そもそも、福島第一原発事故の原因の究明すら本格的にはできていない状況であり、新規制基準が福島第一原発事故並みの事故を防ぐだけの水準かどうかも定かではありません。
新規制基準では、すべての電源が途絶えて原子炉が冷却できなくなり、核燃料が溶融して放射性物質が外部に拡散するような重大事故発生の可能性は認めたにもかかわらず、もっとも肝心な住民避難については審査の対象外にしています。しかも、国は、各都市の地域防災計画における原子力防災のもととなる指針において、30キロメートル圏を越える被害の拡大について、PPA・放射性ヨウ素防護地域をあらかじめ設定する方針を撤回し、事故が起きてから対応を考えるという、より無責任な方向に変更しようとしています。
直近の国会審議の中では、高浜原発の周囲には、関西電力の大飯原発と美浜原発、日本原子力発電の敦賀原発、さらに高速増殖炉「もんじゅ」と、14基の原発が集中立地しているにもかかわらず、同時多発的に事故が起こる想定をしての安全対策の検討がされていないことも明らかになりました。
今こそ、高浜原発再稼働は決して認められないという強い意思を、市議会の「意見書」として表明し、国に高浜原発再稼働中止の政治決断をせまろうではありませんか。各会派、議員の皆さんのご賛同を心よりお願い申し上げまして、討論を終わります。