日本共産党市会議員団は,自民党などが提案している「農業委員会制度・組織改革が真に農業者のためになる改革となるよう求める意見書」(案)に反対し、「農林水産・地域の活力創造プランの撤回を求める意見書」(案)を提案していますので、その理由を述べ討論をいたします。
自民党などが提案している意見書は、国の「農林水産業・地域の活力創造プラン」及び「規制改革実施計画」の推進であり、農業委員会、農協などの組織の解体的見直しを前提にしたものです。このことについて、全国農業委員会会長大会が、「理解しがたい内容である、決して容認できるものではない」と決議をあげるなど、農林業者をはじめ農協や農業委員会関係者から、「現場を無視したもの」「改革は自主的に行う」などの態度が表明されています。
また、国の「活力創造プラン」と同じくする「農地中間管理機構法」では、農地の管理について、農地の番人とされ、農地利用を農業者の代表として公正に審査する農業委員会を農地集積事業から排除しているなど、農業委員会の権限と役割を弱くする方向です。
これらは、大企業が農業法人に参加し、優良な農地を集めて規模を拡大することについて問題が生じても、農地の審査に農業委員会が口を出せないことになりかねません。そして、これまで家族農業が担ってきた農村の解体や中山間地のいっそうの荒廃がすすむことが懸念されます。
今年は、国連が定めた「国際家族農業年」で、食糧の安定供給や農業・農地の多面的機能の発揮のためには家族農業などの役割が強調されています。これを生かすために、農家の声を農業経営に反映させる、農業委員会や農協などの役割が益々大きくなっています。
必要なのは自民党などが提案の「活力創造プラン」推進ではなく、農家が苦しんでいる米価の暴落対策を早急にすすめること。農産物の価格保障・所得補償、新規就農者への支援の充実です。
このことを申し上げ、日本共産党議員団が提案の「意見書」への賛同をお願いし、討論といたします。