日本共産党議員団は、「集団的自衛権行使に反対する意見書案」を無所属、森川議員と共同で提案し、民主・都みらいなどから提出されている「集団的自衛権の行使を容認する閣議決定の撤回を求める意見書案」に賛成の態度を表明しております。わたくしは、議員団を代表し討論を行います。
集団的自衛権行使は「戦争の放棄、戦力不保持、交戦権の否認」を定めた憲法9条に違反するものであります。
戦後、日本国民は、アジア・太平洋戦争により、310万人以上の日本国民と、2000万人を超すアジアの人々の命を奪い、国土を荒廃させた経験から、「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにする」ことを誓って、戦争を放棄しました。
憲法9条は、日本が自ら引き起こした侵略戦争の責任を認め、世界に先駆けてあらゆる戦争を放棄し、再軍備や日米軍事同盟強化の企てはあっても、日本が一人の戦死者も出さず、他国の国民も殺すことを許さない歯止めとなっています。アジアや中東諸国で日本が信頼されてきたのも、自衛隊が活動する、その国の住民を殺したことがないからにほかなりません。
多くの国民が、この歴史的事実を深く認識するからこそ、安倍政権の「戦争する国づくり」のための、集団的自衛権の行使を容認する閣議決定に、強い反対の意志を示しているのであります。
政府が今日、日米軍事協力の指針の再改定に向けた「中間報告」で、たとえ地球の裏側であっても、戦闘地域に自衛隊を派兵するなど、すでに集団的自衛権の行使を前提とした作業をすすめていることは、極めて重大な事態であります。
政府は、ただちに集団的自衛権行使を容認する閣議決定を撤回し、戦争する国づくりに奔走する政治を止めるべきであります。このことを厳しく指摘し、わたくしの討論といたします。