右京区選出の西村よしみです。私は、日本共産党市会議員団を代表して市長に質問いたします。
災害対策の教訓生かし、危険箇所の総点検を行い、万全の防災対策を
8月の台風11号と引き続く集中豪雨で各地に被害が発生しました。昨年9月の台風による被害の復旧が完了しないままの災害です。右京区京北上弓削では、山崩れによる土砂の流入で家屋損壊の被害を受けた高齢のご夫婦は、恐怖の中、暗い外に出て近くの納屋に避難しました。雨は一気に降りそそぎ、山は大量の水を含み土砂が崩れ、河川は各地で護岸が崩れました。
京北では鉄砲水を防ぐため土嚢を積んでいた男性が水路に流されお亡くなりになりました。亡くなられた方にお悔やみと、被災されたみなさんにお見舞いを申し上げます。そして、近年繰り返す豪雨災害に対する万全の備えをし、災害につよい街づくりに向けて決意を新たにするものであります。
災害対策について質問します。近年、「50年に一度」とか「100年に一度」と言われる豪雨災害が頻発しています。8月16日の豪雨は、一時間に90㎜近くの大量の雨が集中して降りました。京北では山崩れで、家財道具や車が土砂に押し流され、ペシャンコで木に引っ掛かっている状態はすさまじいものです。このような土砂災害は市内で今後も起こる可能性が高く、市民の命と財産を守るためにもその対策が急がれます。
京都市内の「土砂災害警戒区域、特別警戒区域」の指定・公示については、指定すべき77地区・2418個所のうち、わずか49%の21地区・1185個所が指定されたのみで、残り56地区・1233個所が残されており、本市の災害への姿勢が問われています。この指定地域について京都市は、京都府に強く働きかけを行い、昨年9月の台風災害とともに今年8月豪雨で新たに発生した土砂災害個所なども総点検し、「土砂災害警戒区域、特別警戒区域の指定・公示」を早急におこない、災害対策に万全を期すべきです。
また、市内各地でマンホールの吹上や水路の越水による住宅街の浸水も多発したことを踏まえて、内水氾濫の点検と対策を進めるべきです。更に、新たに発生した災害個所を含めた防災マップ作り、市民へ周知・徹底に取り組むべきです。これらについてお答え下さい。
(市長)現在1185個所の指定が完了しているが、残る1233箇所について、京都府とより一層連携を強化し、この度設置した土砂災害防止のためのワーキンググループの進捗管理の下、早期の指定拡大に努めていく。下水道幹線における空気抜き施設の設置や、水路の越水などの危険性がある箇所への土のうの設置等、引き続き取組んでいく。防災マップ水災害編は、過去の内水氾濫も考慮しており、8月豪雨による浸水箇所は、ほぼすべて含まれている。本市防災会議専門委員の助言のもとより適切な防災マップづくりに努め市民の方々に周知していく。
今回の台風・豪雨災害は、昨年9月の台風被害個所で、再び被害が発生した個所が多くあります。例えば、京北周山町では8月16日の豪雨により、昨年9月の台風18号災害と同様に、床上浸水の被害が発生しました。被害に遭われた皆さんは、繰り返している水害について、「昨年の豪雨災害を検証したのか、その対策はどうなったのか」と怒りの声さえ上がっています。
弓削川と桂川が合流するこの地域の水害対策は、待ったなしです。災害の検証を早急にすすめるとともに、河川の浚渫、地域の側溝など排水機能の強化、樋門については京都市と町内が共同管理して強化すると共に、排水ポンプの設置など進め、安心して住める街づくりに全力を尽くすべきです。お答え下さい。
(小笠原副市長)桂川や弓削川の水位が上昇しているときに、短時間に集中的な大雨で、水路から水があふれたと考えられ、その対策は急務。周山地区の浸水被害の原因を早急に検証し、浸水被害の再発防止取り組んでいく。
今回の豪雨災害により、昨年に続き再び、田んぼや畑に大量の土砂が入り収穫前の稲や野菜が土砂に埋った個所があり、農林業が主な産業であるこの地域にとっては深刻な事態です。田畑には野生動物の被害を防ぐ、電気柵などが各地で壊れ、シカやイノシシが侵入し、作物を乱食しました。収穫目前の被害ですから皆さんは大変ショックを受けました。
赤石(あけし)地区で、水に浸かった田んぼでガレキを除去していた男性は、「昨年につづいてまた被害が出た、助けて欲しい」と切実な声です。
上弓削筒江地区では、青々と稲が実った田んぼに、山から土砂が流入し、半分以上埋まったところがあります。農家の方は「去年の台風災害の時は補助金があって自分たちもお金を出して土砂を取り除いたが、今回はもう出せない」と話していました。また、「稲の生育はまだ7割の状態だが、今、刈り取る、金にはならない」と話す方もいました。
これら被災者の声に応えることが京都市の役割です。9月補正予算で一定の前進もありましたが、災害支援のため国や京都府に対して更に支援を求めながら、京都市として、農作物、生産施設、防除柵などについて、農家、生産者組合などへの補助率を上げて軽減策を一層上積みすべきです。お答え下さい。
(塚本副市長)昨年と同等以上の手厚い支援に向けた補正予算を組んだ。農地や農業用水路等の国庫補助の対象とならない小規模な被害の復旧について、本市独自の支援策に更なる補助率の上乗せを行った。農業機械や農作物等の被害についても府市協調で対応し、特に2年連続の被害には補助率を引き上げるなど、支援に万全を期しているところ。
消費税10%引き上げに反対を
次に、消費税増税について質問します。
消費税増税後の国内総生産(GDP)は、年率7,1%減と大幅な落ち込みとなりました。特に個人消費は、年率で19%減と過去20年間で最悪であります。これは、増税前の駆け込み需要の反動減だけではなく、長年にわたる国民の所得の減少が消費を押し下げた結果でもあります。さらに、前期比で、企業の設備投資の減、公共投資の減、輸出の減という結果です。これを見ると、政府が描いた、消費税増税後の経済の落ち込みを、「大規模公共工事」や「円安による輸出拡大」など、アベノミクスに「期待」していたものが、もろくも崩れさった結果ではないでしょうか。経済の落ち込みが「想定以上」となったことで、消費をはじめ、日本経済への影響が、長期にわたって続くことが懸念されます。
さらに、消費税増税が京都市内の中小企業と経済にも悪影響を及ぼしています。京都の金融機関の8月の景気動向調査によれば、企業の業況判断指数(DI)は5月比で7ポイント悪化しマイナス13ポイントとなりました。「実質的な賃金の減少などから個人消費の回復が遅れ」、「家計への負担が増し、需要回復の足取りが遅れている」と分析しています。京都商工会議所の経営経済調査でも、消費税の引き上げの影響で、「自社業況について、下降した」と答えた企業は40、6%にのぼっています。増税され多くの地元中小企業が苦しみ、市民の暮らしを直撃しています。消費税増税後の京都経済、とりわけ中小企業の実態について市長の認識を伺います。さらに、暮らしも経済も深刻な時に、安倍首相は10%へ増税する姿勢を変えていません。市民の暮らしを守るため、いまこそ、国に対して消費税増税を中止するよう求めるべきであります。お答え下さい。
(財政担当局長)各種調査によると、中小企業においては、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動や円安等により、業種による差が見られるが、基調的には景気は概ね緩やかに回復している。消費税10%への引上げについては、国において、経済状況等を総合的に勘案し、本年中に、適切に判断されるものと認識している。
住宅改修助成制度の実現、公契約条例の一刻も早い制定で、地域経済の活性化を
地域経済の活性化の取組について質問します。
増税により多くの地元中小企業が苦しむなか京都市において、京都経済を立て直し、雇用環境を改善させるなどし、市民の暮らしを応援する取り組みが求められます。
その1つが、大きな経済波及効果を発揮する「住宅改修助成制度」の創設の課題です。京都府与謝野町は2009年から同制度を実施してきましたが、京都大学の研究グループがこの施策の経済波及効果を調査・研究しました。その結果、投入した補助金の、実に23,84倍、金額にして63億円もの効果があったことが判りました。この研究グループが、地域の経済に与えた影響について分析したところ、産業別の波及効果は、建設業が63,4%とトップ。金属製品、窯業・土石製品、鉄鋼、運輸、金融、保険など多様な業種に及んでいることも分かりました。この制度にかかわった施工業者と申請者は53,5%の方が「受注量が増えた」と回答しています。経済対策としての補助金が循環し地域経済に効果をもたらしています。こういう制度を早急に創設して市内の中小企業を支援すべきです。お答え下さい。
(都市計画局長)本市では、市内事業者が工事を行うことを要件とし、耐震リフォーム支援事業や省エネリフォーム支援事業を創設している。一般的な住宅改修に対する助成制度よりも、安心・安全の確保や低炭素社会の構築など、政策上の重要度・緊急度が高いものを、優先的・重点的に取り組んでいく。
公共工事の設計労務単価改訂よる、労働者の賃金引き上げについて質問します。
昨年、14年ぶりに「公共工事設計労務単価」の引き上げが行われ、賃金引き上げの期待が高まっています。しかし、公共工事で働く皆さんの多くは賃金が上がっていません。
例えば、全京都建築労働組合が今年4月に公表した「賃金アンケート」(回答は約4000人)によると、公共工事にかかわる労働者の平均賃金は日給で、2013年が14290円ですが、2014年は13292円と、増えるどころか998円減っていました。
また、京都市が発注している公共工事現場での聞き取り調査によると、43歳、経験年数20年の男性・大工の日給は18000円。42歳、左官工、経験年数19年の男性は13000円。71歳、配管工、経験年数56年の男性は15000円でした。いずれも改訂された設計労務単価より低い賃金です。現場で働く労働者の賃金は上がっていませんでした。京都市はさらに対策を強めるべきです。
そもそも、国がなぜ労務単価を引き上げたかと言えば、「構造改革」のもとに建設工事の単価が下げられ、賃金が切り下げられたことにより、建設労働者が減り、震災復興やインフラ維持に障害となってきたからです。この14年間で全産業の賃金下落が6%に対し、建設労働者の賃金水準は26%も低くなっています。
しかし、問題は、公共工事設計労務単価の引き上げ分が、適正に賃金や社会保険など福利厚生に回されているかです。適正な労働条件の保障は、単に労働者の労働条件改善に止まらず、建設産業全体の課題にもなっているのです。
下請も含めた、現場で働く労働者の賃金を確保するための取組を、いっそう強めていかなければなりません。本市が発注する公共工事において、単価引き上げに伴う賃金の引き上げなど適正な指導を強めるべきです。お答え下さい。
次に、公契約条例制定の取組について質問します。
先ほど述べた賃金の引き上げなど労働環境の改善のためにも、公契約条例の制定が欠かせません。条例制定は急がれるべきです。
本市の公契約基本条例の制定に向けた取組は、庁内検討会議の中間報告の公表のほか今年度は、労働者団体などからの意見聴取をおこなうなど、取組がおこなわれています。そのもとで、災害対策など国からの交付金が増えて本市でも公共事業が増えていますし、経済団体も「公契約条例の制定により公共事業を地域経済の活性化につなげる」よう期待が高まっています。
2011年12月に条例を制定した東京都多摩市で、今年4月に、公契約条例対象事業者にアンケートを実施しています。「適正な労働条件の確保・労働者の生活の安定に結びつく成果があったかどうか」の問いに、約70%の事業者が、「成果があった」又は「今後成果があると考える」との回答です。また、「地域経済・地域社会の活性化につながるかどうか」の問いについては、約60%の事業者が、「つながったと感じられた」又は「今後つながると考える」との回答で、大きな効果を発揮しています。
京都市内中小企業は、増税や経済の落ち込みで厳しい経営です。こういう時だからこそ公契約条例制定での支援が求められています。早期に公契約条例の制定をすべきです。お答え下さい。
公共工事の分離分割発注による、地元中小企業支援について質問します。
京都市が発注する工事全体について、2013年度の契約件数は、1721件で、その内、中小企業が1366件、79%の受注でした。しかし、工事契約金額を見ると、全体の741億円の内、市内の中小企業の受注金額は約398億円と、54%に留まっています。地域循環型経済の強化は、市民生活にも影響します。京都市の公共工事については、分離・分割発注を基本に、維持・補修工事の発注など、中・小規模工事を拡大させ、地域の中小企業の受注に結び付けることを更にすすめるべきです。お答え下さい。
(小笠原副市長)ダンピング対策をはじめ入札制度改革を毎年度行い、国の公共工事設計労務単価引き上げについては、事業者に対して、賃金水準の低下や社会保険等への未加入等の事態改善のため、必要な費用を適切に見込んだ下請契約の徹底を文書で要請し、労働環境の改善に努めている。公契約基本条例については、昨年度実施した事業者へのアンケート調査等に続き、今年度は、学識経験者や関係団体からの意見聴取等を進めており、これらを基にさらに検討を深めていく。本市の公共工事は、分離・分割発注の活用などにより、昨年度も契約件数では約8割、金額ベースでも法令上市内企業に限定できない政府調達協定の1件を除くと、7割以上を市内中小企業へ発注した。政府調達協定の案件も、市内企業を含む共同企業体に発注するなど、市内企業の受注機会の拡大に最大限取り組んでいる。
重度心身障害者、難病患者の支援強化を
次に、重度の肢体不自由と重度の知的障害とが重複した重症心身障害児(者)の介護について伺いします。
第一種身体障害者第一級認定の重症心身障害児(者)のご家族から相談を頂きました。この身障児(者)は全国で3万8千人の患者がいると言われており、安心した生活を送るためには介護制度の充実が不可欠です。相談を受けた方は自力では全く生活が出来ません。32歳となったAさんは、ご両親が自営業を営みながら自宅で介護を受けて生活しています。入浴はご両親の2人がかりで入れるなどしていますが、仕事を遅くまでこなして、遅い食事を取り、その後にAさんを入浴させます。終わると深夜の12時が過ぎます。ご両親にとっては、子どもの介護の生活を続けていくために週に一度程度は施設へ預けて、夫婦とも心身を休めるようにしています。そうしなければ家族は介護を支えることができません。
ところが、医療が必要な重症心身障害児(者)のショートステイを受け入れる施設は限られているのが実態です。重症心身障害児(者)は、肺炎を起こしやすく、てんかん発作、痰吸引など、いつ緊急事態がいつ起こるかわかりません。そのため、多くのみなさんが、医師・看護師が常駐している施設での介護を希望しています。希望する施設へのシュートステイの予約は一か月前から連絡を入れて取りますが、予約がなかなかとれません。どうしても予約が取れなければ、他の自治体の施設や医師・看護師がいない施設を利用しています。これらの患者のショートステイの施設のベッド数は京都市内でわずかです。ご家族は、「慢性期のベッド数は一床で、以前から増やす様に要望しているが変わらず、予約の取り合いが続いている」と話しています。重症心身障害児(者)やその家族が安心して介護が受けられるよう、ショートステイのベッド数を増やす対策を求めます。お答え下さい。
(保健福祉局長)重症心身障害児・者の短期入所の利用にあたっては、医療的ケアも含めたきめ細やかな対応が必要であり、聖ヨゼフ医療福祉センターを中心に受け入れをお願いしている。センターにおける短期入所ベッド数は、平成25年11月以降、3床から5床とし、直近の利用状況は約7割程度となっており、ニーズに応えられる環境を整えた。今後とも、ご家族の方のニーズを的確に把握し、支援の充実を図っていく。
次に、「難病患者への医療費助成を柱とする難病医療法」の制定と今後の課題などについて質問します。
今年5月に難病医療法が成立しました。NPO法人京都難病連のみなさんは「これは私たちが望むすべての難病患者・慢性疾患患者が安心して暮らせる社会に少し近づきました」と受け止めています。しかし、新法は新たな課題も生じています。
新規認定者については負担が軽減される一方、難病の既認定者の内、住民税非課税世帯では、医療費自己負担が無料から大幅な負担増となります。例えば、気管切開による人工呼吸器の装着者は、無料から月1000円に引き上げられ、「重症患者からお金を取るべきでない」との厳しい批判の声が上がっています。そこで、これらの低所得者の医療費自己負担や、生きるために不可欠な装置は、無料にするよう政府に強く求めるべきです。お答え下さい。
また、患者団体でもある京都難病連では、京都市の委託事業として「ピア相談」など実施して、患者の不安や生活相談などにあたり大きな支えとなっています。新法制定に伴い一層役割が高まり取組が増えることから、財政支援を増やすべきですが、いかがですか。
さらに、法制定で新たな難病疾病数が増えることに伴い、新規および既存の認定患者などへの対応を万全に行うため、各保健センターの体制充実をおこなうとともに、患者や関係団体へ制度を分かりやすく周知徹底に努めるなど支援を強めるべきです。
難病者は、疾患がありながらも社会参加をすることを求めています。難病患者の就職サポーターの設置など支援につとめるべきです。併せてお答え下さい。
(藤田副市長)来年1月から対象疾患が56疾患から約110疾患へと大幅に拡充され、新たに医療費助成を受けることができるようになる難病患者は大幅に増える。難病患者の医療費の平均的な月額負担は、約4800円から約3200円へと軽減されると見込まれる。人工呼吸等の装着者や医療費負担が高額で長期に及ぶ世帯に対して負担軽減策も講じられており、引き続き制度の充実を国に要望していく。また、就職など、生活全般にわたる支援についても、京都府の「難病相談・支援センター」との連携や、京都難病連との協働による相談事業等を、今後とも取り組んでいく。
京北における学校統廃合ありきの小中一貫校の見直しを
最後に、京北における、学校統廃合による小中一貫校づくりについて質問します。
合併から10年を迎える京北は、急速な少子・高齢化とともに人口減少がすすんでいます。「過疎地域自立促進計画」によりトンネルや水道施設などインフラ整備が行われて来ましたが、人口減少に歯止めがかかりません。こうしたなか京都市では、「京北地域の今後の活性化のビジョン」の策定をし、合併10年後の新しい京北のまちづくりをすすめようとしています。
このもとで教育委員会は、学校統廃合を基にした京北小中一貫校づくりをすすめていますが、地元から「京北の活性化とは相反するのではないか」と疑問の声があがっています。
そもそも「小中一貫教育」は、競争主義に拍車をかけ、学校の統廃合や教職員削減をさらに進めるもので、「競争と教育リストラ」が問題となっています。京北では過去に、学校の統廃合が行われてきた歴史があり、その影響を見る必要があります。
1999年、京北には6つの小学校に472名の児童と、1つの中学校に257名の生徒がいましたが、その年、小学校は三校へ統廃合されました。それから15年後の2014年には、232名の小学生と126名の中学生となり、児童・生徒数は統廃合後、半分以下となってしまいました。
実は、京北地域の「ゼロ歳から14歳の人口減少率」については、1990年から学校が統廃合された1999年まで10年間は、3%から7%の減少率でしたが、学校が統廃合された1999年以降は、18%から21%と高い減少率で推移しています。学校の廃校はその地域に大きな影響を与えています。
学校は、運動会やお祭り、文化祭などを含め、地域の拠点としての役割を担っています。廃校により地域コミュニティーが薄れ、地域社会の荒廃へと進み、取り返しのつかない事態を招きかねません。京北では、小学校が廃校となり子どもたちは遠くの学校に通学することとなり教育環境が悪化し、保護者にとっても子育て環境に影響を与えています。学校の統廃合は、子どもの教育環境と地域社会の存続に関わる重大な問題です。保護者から「学校は地域社会の中心であり無くさないでほしい、むしろ子育て環境こそ良くして欲しい」との声を多く聞きます。
教育委員会が議会で「京北地域で小中一貫校をすすめる」と発言して以降、教育関係者らが保護者らに、「小中一貫校は素晴らしい」「今年中に誘致の決議を上げよう」などと話しています。一方、保護者らから、「統廃合は唐突な話だ」「学校が無くなると地域は大変だ」「小中一貫校でなくても、今でも京北の子どもたちは素晴らしい」など、不安と批判の声を聞きました。この問題は京北における将来のまちづくりに関わる問題です。京北で、小中一貫校に名を借りた学校統廃合は、京北のまち壊しになるのではありませんか。学校統廃合ありきの小中一貫校は見直すべきです。お答え下さい。以上をもちまして私の質問を終わります。ご静聴ありがとうございました。
(教育長)平成17年の合併以降も児童・生徒数が減少し、3つの小学校では、いずれも各学年単級、周山中学校も4学級127人となり、今後もさらに減少する見込み。このような状況で4校のPTAでは、今年度から学校統合を含めた小中一貫校の議論が開始されている。今後、地域にも議論の場を広げ、「京北地域活性化企画本部」の取り組みとも連携をはかりながら、保護者や地域の方々の期待に応えられる教育環境の整備に努めていく。