医療・介護総合推進法案等に関する意見書についての討論 - 市会報告|日本共産党 京都市会議員団

医療・介護総合推進法案等に関する意見書についての討論

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終了本会議討論
西村よしみ議員
 日本共産党市会議員団は、ただ今自民党・公明党などから提案されています、「地域包括ケアシステム構築のため地域の実情に応じた支援を求める意見書」(案)について、反対し、
わが党と民主・都みらいなどが共同提案している「地域医療・介護推進法案に関する意見書」(案)に、賛成する態度を表明していますので、討論をおこないます。
 自民党・公明党などから提案の意見書(案)に反対する第一は、意見書の中で「介護基盤整備」について、「推進を図るための支援強化」を求めていますが、そもそも、全野党の反対を押し切って、自民党と公明党が衆議院で可決した「地域医療・介護推進法案」とは、相反するものであるからであります。
 「同」法案は、特養ホームの入所者を「要介護3以上」に限定する改悪をしようとしています。特養ホームの待機者52万人のうち17万8千人は、「要介護1・2」の人です。これらの人は、「虐待」など一部の例外を除いて対象外となり、待機者の枠からも除外されてしまいます。行き場のない高齢者が、劣悪な環境の「お泊まりデイ」などに押し出されることが危惧されます。このことについて政府は、「サービス付き高齢者住宅」などを"受け皿"にすると言いますが、月15万~25万円もの負担が必要です。特養ホーム申請者の多数は貧困・低年金であり、"受け皿"にはなりえません。
 また、「同」法案では、利用料について、所得160万円以上(単身者)は、これまで1割負担だった介護保険サービスが2割負担に倍加することになります。「入院難民」「看(み)取り難民」が社会問題になっているのに、病床の大幅削減を進めようとしています。さらに、都道府県に「病床再編計画」をつくらせ、従わない場合はペナルティーまで科して在宅に押し戻す計画であり重大です。
 反対する第二は、「患者7人に看護師1人体制」を取る病床を、9万床削減する診療報酬改定を行い、病院から患者追い出しを加速させ、「入院から在宅」を強引にすすめながら、「在宅」の基盤を悪くする診療報酬改定をさらにすすめることは、矛盾であります。
 意見書(案)指摘の通り、今年四月から訪問診療の報酬引き下げが行われました。これは、月二回以上定期的に訪問診療をおこなった場合、老人ホーム、グループホーム、サービス付き高齢者住宅、マンションなど「同じ建物」に住む複数の患者を、「同じ日」に診察すると診療報酬を約4分の1に大幅に削減するとし、既に医療現場に苦難と混乱をもたらしています。意見書(案)にある「適切な調査と対応」を求めるよりも、このようなやり方は即刻辞めるべきです。
 反対する第三は、意見書に取り上げている支援策そのものが、消費税を増税して、「社会保障・税一体改革」を推進することを求めているからであります。すなわち、国民に負担を押し付けて、医療も介護も福祉も後退の方向であり認められません。
 このように、政府が進めている「診療報酬改定」や「地域医療・介護推進法案」が、医療の質の低下や抑制を招き、要支援者及び要介護者が必要な介護サービスが受けられなくなるものであります。政府においては、医療・介護総合推進法案を撤回するよう強く求めて、討論とします。

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