「京都市会議員の定数及び各選挙区において選挙すべき市会議員の数に関する条例の一部改正」について、自民党、民主・都みらい、公明党の各会派及び無所属の清水、森川両議員から提案されています「議員定数を2名減らそうとする条例案」に反対し、日本共産党市会議員団が提案しています「議員定数を3名増やそうとする条例案」に賛成する討論を行います。
一票の格差の是正は議員を増やすことで図っていくという私どもの考えについては、今、井坂議員の提案説明の中で述べられた通りです。
与党会派から提案されている市民と議会のパイプを細くする定数削減については認めることができません。
京都市会は、現在の定数69人でも、市会議員の一人あたり人口が2万1363人となります。これは、19ある政令指定都市の中で議員一人あたりの人口の少ない順に並べると12番目であり、議員一人あたりの人口は決して少なくありません。こうしたもとで議員を減らせば、現在でも少なくない議員一人あたりの人口を更に増やし、市民の多様な意見を吸い上げるパイプを細くするだけです。
議会は合議制の機関であります。首長によるトップダウンと違って、多様な住民の意見を可能な限り反映して、意志決定をはかるという重要な役割を担っています。だからこそ、日本国憲法94条は議会の議案の議決とともに条例の制定をはかる立法の機関として定め、首長より優位であり、第一義的な住民代表機関としての位置づけを議会に持たせているのであります。多様な住民の意見を反映させるという点で後退をもたらすことは、憲法に定められた議会の存在意義と役割を後退させるものだと言わなければなりません。
そもそも、「京都市会議員の定数をどうするのか」は議会制度と民主主義の根幹をなす重要な問題であり、主権者である市民に公開されたもとで、時間をかけた慎重な論議を行うのは当然のことです。
しかしながら、今回、公開の場で2名削減の案が示されたのは3日前の14日であります。本市会の具体的な定数について、公開の場での十分な論議もなく、削減を押し通すことは住民無視、民主主義否定の姿勢であり、断じて容認できません。
先ほど可決された京都市基本条例の第四章9条では「市会は市政を担う一翼として、主権者である市民が主体となり、市民自らの意思と責任において行われる住民自治の発展に向けて、より一層市民と情報を共有するとともに、市民の市政への参画の機会を充実させるものとする」としています。つまり、主権者市民が主体としての住民自治と市民との情報共有・参画が謳われているのであります。これは全会派一致での可決となりました。今回のやり方は、この基本条例にも全く逆行するものではありませんか。
市民の暮らしがいっこうによくならない今、議員に何ができるか、まさに問われています。京都市会の議員の報酬の年間支給額は1,447万円であります。政令市の中で、横浜市、神戸市についで3番目に高い状況にあります。今こそ、議員報酬の3割カットに踏み込むべきです。
以上、申し述べ、討論と致します。