2014年度京都市予算案等についての反対討論 - 市会報告|日本共産党 京都市会議員団

2014年度京都市予算案等についての反対討論

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閉会本会議討論
くらた共子 議員

 日本共産党京都市会議員団は、議第1号平成26年度京都市一般会計予算案ほか76件に対して反対の態度を表明しておりますので、議員団を代表し討論を行います。

 本予算案に反対する第一の理由は、消費税大増税を市民に押し付けた予算だからです。そもそも消費税は、所得の少ない方にほど重い負担となる不公平税制であります。質疑で、消費税増税は円安、物価上昇などでいっそう厳しい経営状況にある市内中小企業や、拡大している非正規雇用の労働者、また、子育て世帯や年金生活者の生活を押しつぶすことになると指摘しました。
 ところが市長は、4月からの消費税税率引き上げを上下水道料金や市バス・地下鉄運賃をはじめ、施設の使用料、利用料など主な項目だけで64項目に転嫁し、市民負担24億円にも及ぶ値上げを提案しました。この中には利用料金制度に移行するものも含まれており、住民の福祉の増進を図るために設置された公の施設の委託料が大幅に削減され、さらなる企業参入で、公的責任を放棄する道に繋がることともなり、二重に重大であります。わが党は、他都市の中には「消費税法の特例措置を活用し、一般会計での使用料・手数料については、原則、転嫁しない」としている実例を示し、消費税増税の転嫁を回避するよう求めましたが、市長は「消費税引き上げの主旨に沿い、税金で賄うべきでない」と拒否されました。
 また、水道料金は半年の間に2度の値上げです。水道局の質疑で住民の暮らしや経済への影響について調査し、市民の意見を聞くべきと求めましたが、理事者は「議決後に説明していく」と述べるなど、市民生活への影響については把握もせずに、「消費税を適正に転嫁する」との答弁に終始しました。
 さらに、増税を公共料金などに転嫁することが、中小企業などに大きな影響を与えることを指摘したのに対し、副市長は「発展する産業があれば、つぶれる所も出てくる。効率的な社会経済が必要」などと答弁しました。あまりにも無責任な態度であります。消費税の増税中止を国に求め、増税の転嫁を回避して市民の暮らしや中小企業、事業者の経営支援を強化するよう強く求めるものです。さらに市民に求められている「中小企業基本条例」や「公契約条例」の制定を行うべきです。

 本予算案に反対する第二の理由は、「京プラン」に基づく社会保障と市民サービスを切り捨てる予算だからです。京都市身体障害者リハビリテーションセンター附属病院廃止を提案したことに対し、患者さんや介護家族、京都府保険医協会、医師会などが「民間病院では受け止められない障害者や、様々な事情で在宅療養できない市民の実態がある。京都市のリハビリテーションセンター附属病院が担っている公的な役割を果たすことが地域医療に責任を持つことだ。廃止は認められない」と厳しく批判されました。
 自民、民主、公明、京都、無所属会派の皆さんは「現行の入院・外来患者については、行き場がないようなことが決して起こらないよう責任を持って対応すること」を付帯決議に求めざるを得ませんでした。市民の人権にも関わる重大な問題のある議案を可決することは許されません。廃止案は撤回すべきであります。
 また、国保料の引き下げを行わず、最高限度額を4万円引き上げるとしています。「市民の負担は限界に達しつつある」と認識しながら、市民の切実な声を黙殺するなど、本当にあまりにも冷たい姿勢です。国保会計は6年連続して単年度黒字を計上しています。今回、国民健康保険料を軽減する対象世帯は拡大されるものの、一方で応益負担分を減額するなどの根本的な対策なしに保険料の最高限度額を引き上げることにより、収入565万5千円以上の世帯の保険料が引きあがることとなり重大であります。質疑の中で、正規の保険証を持っていても必要な医療を手控える市民の実態があり、保険料滞納世帯に対する短期証や資格証明書の発行は、市民の医療を受ける権利を著しく抑制するものであり発行するべきでないと求めましたが、副市長は「資格証明書を発行することは省令の定めである」と答弁されました。
 資格証明書の発行をしないと決めている自治体があることからも、京都市として決断すべきです。また、公立保育園等を廃止し、民間移管をすすめることも認めることはできません。さらに市民が「宝物」と現行制度の継続を要望する敬老乗車証制度の改悪方針は、きっぱり撤回すべきであることを指摘しておきます。

 第三の理由は、職員削減ありきの予算だからです。小栗栖排水機場ポンプ停止による浸水被害者への賠償は未だ完了の見込みが立たない状況です。「銀行ローンを借りたが、返済が始まっている。ローンの利息も含めて市が責任を持ってくれるのか不安」「営業に関するものが使用できなくなった」「相談しても対応してもらえない」等の声が届いています。そもそも事故発生は職員削減をすすめ、市民の生命と財産を守る施設の管理を外部委託してきたことに起因しています。また、台風18号に対する対応全般にも、職員不足の弊害がはっきりと現れました。建設局の定数は10年前との比較で120人減っており、このことが日常の業務、災害時対策の不備の原因となっています。増員の求めに対して理事者は「人を増やさずに質を増やす」などと解決策にならない答弁を繰り返しましたが、新たに市職員定数74人の削減計画は撤回し、日常業務を充実させることで、災害時の被害を最小にとどめること、かつ柔軟、迅速な対応で市民の命と財産を守る自治体の役割を果たせる体制を確保するべきです。
 また、区役所、支所の税務職員300人を異動させ市税事務所に一元化するとしていますが、審議を通して市民に対するワンストツプサービスの後退と、防災や選挙管理業務にも支障をきたすことが明らかとなりました。職員の削減ありきで、税務事務を集約化し区役所機能を大きく後退させることは絶対に認められません。撤回すべきであります。

 反対する第四の理由は、原発ゼロの立場にたたず、再稼動を容認しているからです。京都市暖化防止計画や京都市エネルギー戦略には、原発ゼロの立場はありません。また、国の「原発をベースロード電源に位置づける」エネルギー基本計画案についても「安全性を確認の上、地域住民の理解が必要」と批判はありません。福島第一原発で高濃度の汚染水漏洩事故が連続している事態をどう捉えるのか、その認識が厳しく問われるものです。市民の命に責任を持つというのであれば、はっきりと国に対して原発再稼働に反対の意思を表明するべきであることを厳しく指摘しておきます。

 第五の理由は、税金のムダづかいに反省がないからです。リニア中央新幹線の誘致予算を計上していますが、国の整備計画は国会で審議されることもなく、交通政策審議会陸上交通分科会鉄道部会中央新幹線小委員会というところで、学識者などを集めた会議で決定されたものです。需要見込みや収支採算性について多角的な検討もされていないというのが実態です。直近の情報では、東京品川間の8割以上がトンネルのため、残土が6359万㎥で東京ドーム51個分出るが、それを持っていく場所が決まっているのは現時点でわずか6%のみです。建設に伴う環境への影響は多岐に渡ることも含め、将来に莫大な財政負担を生みかねない事業に奔走することがあってはなりません。高速道路未着工3路線は今年度末にも廃止の予定となっています。焼却灰溶融施設についても、繰り返し技術的に未完成の施設との指摘を聞き入れることなく契約解除となりました。これらのことを教訓とするべきであり、厳しく指摘するものです。

 最後に、安倍政権が憲法改正や、解釈改憲による集団的自衛権の行使を行えるようにするなど危険な動きを強めています。これに対して、わが党は、住民のいのちと暮らし最優先の政治を実現するために、目前の知事選挙で広範な住民のみなさんと力を合わせ、府政の転換に全力で頑張る決意です。
 以上、申し述べて私の討論といたします。

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