「技能労務職への職員採用等に関する条例の制定」に対する反対討論 - 市会報告|日本共産党 京都市会議員団

「技能労務職への職員採用等に関する条例の制定」に対する反対討論

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閉会本会議討論
井坂 博文議員

 日本共産党市会議員団は、今議会に上程されている市会議第1号「京都市技能労務職への職員採用等に関する条例の制定」については反対の態度を表明しておりますので、議員団を代表してその趣旨を述べて、討論をおこないます。
 本条例案は、平成18年に策定された「信頼回復と再生のための抜本改革大綱~不祥事の根絶に向けて~」を遵守し、今後も技能労務職職員の採用凍結および削減を計画的に実施するよう提案しています。しかし、委員会審議で理事者から答弁があったように、「すでに一定の役割は終えている」改革大綱にしがみついて、大綱の徹底を求める提案は道理がありません。
 条例案に反対する理由は、改革大綱では不祥事の根本的解決にはならないこと、ましてや技能労務職職員の削減や民間委託化では不祥事は根絶できないからであります。わが党議員団は改革大綱策定の時から一貫してそのことを指摘してきました。
 「改革大綱」では不祥事の原因と背景に「優先雇用という採用方法の甘さ」「採用後の指導や研修、処分における甘さ」「職場環境の甘さ」をあげています。しかし、不祥事問題の本質は「甘い採用や研修」という程度のものではありません。採用においては同和運動団体推薦を無条件に受け入れるという、職員採用権を同和運動団体に明け渡したこと。採用された職員は「自分は市長に採用されたのではない」「仕事をしなくても言いといわれて採用された」と言って、研修や上司の指導に従わないという異常な事態が、長年にわたって放置されていたことに本質があります。しかし、改革大綱ではそのことにはいっさい触れていません。
 同和運動団体と行政の異常な関係や特別対応にメスを入れ、断ち切ることに踏み込まなかった「改革大綱」だから、今日でも運動団体関係者による不祥事や、差別発言を口実にした糾弾行動が起きているのではありませんか。
 また、採用凍結や職員数の削減、民間委託は不祥事根絶に有効だったのでしょうか。確かに環境政策局に不祥事が集中していたのは事実ですが、技能労務職だから不祥事が起きたという短絡的なものではありません。提案者も委員会質疑で「必ずしもそうではない」と答えざるを得ませんでした。結局、「改革大綱」は不祥事根絶を口実にして、職員数削減と民間委託化することが目的であったと言わざるをえません。
 最後に、行政の公的責任と公務労働のあり方に関して意見を述べます。
 提案者は、「改革大綱」を全面的に評価し、徹底を求め、その先は「民間委託は50%でもまだ少ない」(代表質問)、「仕事の補充は民間でもアルバイトでも」(委員会答弁)と述べています。しかし現実は、職員削減と見せしめ的な職場管理によって労働強化が進み、安上がりの民間委託競争によって委託先労働者の労働条件の悪化が進みました。
 本来、自治体の業務は、技能労務職であれ、事務職であれ、サービス分野であれ、直営を基本とすべきです。なぜなら「住民全体の奉仕者」である自治体の責務は「住民の福祉と健康の増進に寄与する」にあるからであります。それを「効率性と競争性の原理」を基本とする民間企業に委ねることは、「儲からなければ撤退する」ことが求められ、住民サービスの後退につながりかねません。
 従って、「改革大綱」にある「新規採用の凍結」「職員数の50%削減と民間委託化」の方針は撤回すべきであります。以上が、私の反対する理由であります。
 なお、市会改革委員会で協議、合意したように、政策論議、議員提案を積極的に行うよう期待し、求めまして討論とします。 

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