日本共産党市会議員団は提案されました議案の中で、議第1号24年度一般会計予算案、議第3号24年度国民健康保険事業特別会計予算案、議第4号24年度介護保険事業特別会計予算案議第21号24年度自動車事業会計予算案に反対し、議第19号24年度水道事業特別会計予算案、議第20号24年度公共下水道事業特別会計予算案、議第22号地下鉄事業特別会計予算案には賛成の立場を表明していますので、日本共産党を代表して、理由を述べて討論をします。
24年度予算案は、市長が先の市長選挙で市民の皆さんに示されたマニフェストをどのように実行するのかが問われています。市長は、選挙後の就任のあいさつで「京都経済の再生、雇用の創出」を強調されました。しかし、その具体的なプランが示されませんでした。それどころか27年度までの京プラン実施計画の中で、職員を更に700人削減する計画を打ち出す一方で、消費的経費を毎年25億円削減するとして、乾いたタオルを更に絞ると言う、市民への負担増計画はしっかりと示されています。今でも厳しい市民生活を更に厳しくする予算で有ると同時に、市民の意見を聞かない施策が含まれています。市民の中で賛否両論ある京都会館第一ホールの解体については一旦凍結し、議論をし直すことが必要です。以下、具体的理由を述べます。
第一の理由は、国民健康保険料、介護保険料の負担軽減としながら、国保は据え置き、介護保険は値上げになっていることです。介護保険料は月額930円の大幅値上げで、導入時の2958円から5440円と基準額で2倍近くにもなっています。さらに高齢者には、介護保険料の値上げに加えて後期高齢者医療の引き上げ、年金の減額が待っています。これに消費税の増税が重なれば、とんでもない負担増です。
また、「国保料の市民負担は限界に達している」と答弁しながら負担の軽減をせず、高すぎる国保料をやむなく滞納した世帯には、情け容赦のない差し押さえ、保険証の取り上げです。きめ細かな相談をしていると言いますが、実際に納付相談に行こうと思えば、それなりのお金を持っていかなければ相談にはならないという実態をごらんになったことは有るでしょうか。いつまでにいくら払うのか、分割納付しても年度内に完納する事が大原則で、払えなければ差し押さえです。これで払えない世帯の相談と言えるでしょうか。滞納が有れば、病気になって入院しても限度額認定書は発行されません。どこまでも負担がのしかかってくるのです。こんな不安を取り除くべきです。まして、いのちを守れない上に、納入率の向上にはつながらない事が明らかになっている資格証明書の発行は絶対にやめるべきです。
第二には、子育て日本一と言いながら、願いに逆行する予算になっているからです。子どもの医療費はどうでしょうか。市長選挙では詳しい内容を明らかにせず「拡充する」と公約した内容は、通院について月額3000円を越えた分の償還払いの年齢を小学校卒業までとする拡充です。子育て世代の願いは200円払えば後は安心して子どもを病院に連れて行けるようにと言うことでは有りませんか。まして、償還払いではごく一部の人にしか恩恵がありません。更には、民間保育園の問題です。条例化で必要な2億7千万円の予算は上積みされず、その結果、プール制を変質させ、保育の現場ではパートやアルバイト、派遣と言った非正規雇用が増え、正規職員も給与カットせざるを得ない状況です。結局は保育の質の後退につながるではありませんか。そして、教育費については、前年比で8億2600万円も減額し、10年間で何と100億円もの減額です。前年と同規模の予算措置で小学校3年生の35人学級は実現できるではありませんか。
第三には、今述べましたように、福祉を削り負担増を押しつけるという施策で市民には厳しい予算を組みながら、一方では、ムダ使いを見直さない予算だからです。京都市の歴史が始まって以来という出来事を繰り返している焼却灰溶融施設です。事故を繰り返し、基準の42倍ものダイオキシンが検出され、大問題になってから2年も経つのに未だに試運転のめどさえ立たないため、運転経費が当初予算に計上できない異常な施設になぜ、固執するのでしょうか。めどが立てば補正を組むと言いますが、運転経費は4年目からは、毎年20億円以上が必要になります。財政負担の大きさに耐えられず、廃止に踏み切った自治体が今も増えています。そんなムダ使いをしなくても、市民との共同でごみを減らせば埋め立て地の延命は可能です。2020年以降はごみが減らないと言う試算の元での埋め立て地利用計画とごみ減量計画を見直し、危険で税金のムダ使いの焼却灰溶融施設は中止し、契約を破棄すべきです。また、市内高速道路の未着工3路線については、日本共産党議員団は一貫して中止を求めてきたもので、市長選挙で発言された「廃止の方向」で速やかに実効するように求めます。また、リニア計画はJR東海の試算で地下駅となる京都駅の整備費用は2200億円とされています。こういうムダ使いこそやめるべきです。
第四には、市民のいのち・財産を火災から守る消防職員をH29年までに他都市平均に合わせて80人も削減する計画を打ち出していることです。京都市は古くからの木造建築が多く、細街路も多いまちですから、単純な比較はできません。観光都市でもある京都市にふさわしい消防体制を堅持することこそ必要です。
第五に、京都経済の再生と雇用が重要課題と言うのなら、京都経済の再生に効果的な公契約条例の制定が今、急がれるのではないでしょうか。せめて京都市が発注する事業に関しては資材調達も含めて市内事業者を明記し、そこに携わる労働者の賃金においても保証する等、京都市のできるところから市民の暮らしを支える事が必要です。予算特別委員会の中では、同僚議員からも「市の公共事業には他都市の業者でなく市内業者を」との要望が出されています。ところが「まずは入札制度の見直しから」と言い、「公契約条例」については「検討会議設置の準備を進めている」というものの検討会議の日程や内容さえ明らかにされていません。4年かけてと言うほどの余裕はありません。早急に公契約条例の制定に向けて手続きを開始すべき事を指摘しておきます。
次に、議第21号自動車運送事業特別会計についてです。反対する第一の理由は、「管理の受委託」を継続して市バスの民営化に道を開くものだからです。理事者は、受委託について現行の二分一以上には拡大しない、としていますが、委託契約に当たっての委託料を引き下げながら安全確保や乗務員などの労働条件についてきちんと把握していません。委託料の引き下げは人件費の引き下げにほぼリンクされていることは論を待ちませんが、安全を最も重要な責務とする乗務員の労働条件や安全確保をしっかりと掌握して、市バスの安全運行に責任を持つべきです。
第二の理由は、乗務員採用に当たって5年間にも渡る「若年嘱託制度」を変えようとしないからです。公営バス事業をおこなっている8政令市の中で、5年間も嘱託制度を続けるのは京都市だけです。今日、非正規雇用をなくして市民生活の安定を確保することは行政の課題であり、夢を持って交通局職員に採用された乗務員のみなさんに、5年間も嘱託という制度に縛り付けることは人権上も許されるものではありません。一日も早く正規雇用を基本とする制度に転換するよう強く求めます。
第三の理由は、交通不便地域の解消や市民の足を守る取り組みに対して、極めて消極的だからです。この間、東山区今熊野や山科区の鏡山・小金塚などで市民の自主的な努力により「バスの試験運行」が取り組まれ、その後も継続されています。市の制度を活用しての伏見区のバス運行や、北区雲ケ畑での住民バスなど様々な形態での取り組みが始まっていますが、いずれもやむにやまれぬ市民の運動であり、本来市民の足確保に責任を持つ京都市がなすべきことではありませんか。市民の積極的な声にしっかりと耳を傾け、足確保のために予算も確保して努力されるよう強く求めます。
地下鉄事業につきましては、健全化計画前半に予定されていた運賃値上げが先送りにされたことは当然のことです。今後とも、バリアフリー対策や転落防止柵早期設置などの乗客サービスの向上や安全対策を強めること、地下鉄建設や維持管理・安全対策・耐震化・施設更新などに対する国の補助制度拡充に全力を上げるべきです。
次に、上下水道事業についてです。上下水道局は、鉛製給水管の助成制度や雨水貯留施設設置助成金制度に続いて、雨水浸透ます設置助成金制度も実施され、市民の安心・安全のために努力されていますが、上下水道料金制度審議委員会を設置して値上げに向かって世論形成を図ろうとしています。我が党は、値上げではなく、本市が必要な繰入金を確保し、国の補助制度の拡充などに全力を挙げて、いのちの水を確保されるよう求めます。
次に、今喫緊の課題となっている消費税問題について述べます。増税は国民生活と日本経済に多大な負担を押し付けるとともに、代表質問で我が党の山中議員が指摘しましたように、交通局及び上下水道局の両事業において現行でも50億円近い負担が押し付けられていて、市民生活や事業運営を困難にしています。これが10%になれば100億円近い負担となるわけですから、健全化計画などいっぺんに破綻するのではありませんか。市長や理事者はそのことをしっかり自覚し、消費税増税にきっぱりと反対の表明をされるよう求めます。
最後に、原発の再稼働に対する市長の姿勢の問題です。未だにはっきりとした立場をおっしゃらない事は問題です。先日行われたNHKのアンケートには、原発の再稼働について「今は判断できない」と応えておられます。「万全の安全確保」「地元住民の理解」が必要とされていますが、安全の確保とは一体どんな状況なのでしょうか。福島第一原発事故の原因がいまだに究明されていないのが現状です。23日に京都府が発表したスピーディを使った放射性物質の拡散予測によると、高浜原発で福島第一原発と同様の事故が起こった場合の放射性ヨウ素の拡散は、市内の右京区でも原発から50キロメートル以上離れているが屋内退避になると言うことです。ひとたび事故が起これば、市民に取り返しの着かない多大な被害が及ぶわけですから、原発の再稼働は反対の立場を明確にする事を強く求めまして、討論とします。
24年度予算案は、市長が先の市長選挙で市民の皆さんに示されたマニフェストをどのように実行するのかが問われています。市長は、選挙後の就任のあいさつで「京都経済の再生、雇用の創出」を強調されました。しかし、その具体的なプランが示されませんでした。それどころか27年度までの京プラン実施計画の中で、職員を更に700人削減する計画を打ち出す一方で、消費的経費を毎年25億円削減するとして、乾いたタオルを更に絞ると言う、市民への負担増計画はしっかりと示されています。今でも厳しい市民生活を更に厳しくする予算で有ると同時に、市民の意見を聞かない施策が含まれています。市民の中で賛否両論ある京都会館第一ホールの解体については一旦凍結し、議論をし直すことが必要です。以下、具体的理由を述べます。
第一の理由は、国民健康保険料、介護保険料の負担軽減としながら、国保は据え置き、介護保険は値上げになっていることです。介護保険料は月額930円の大幅値上げで、導入時の2958円から5440円と基準額で2倍近くにもなっています。さらに高齢者には、介護保険料の値上げに加えて後期高齢者医療の引き上げ、年金の減額が待っています。これに消費税の増税が重なれば、とんでもない負担増です。
また、「国保料の市民負担は限界に達している」と答弁しながら負担の軽減をせず、高すぎる国保料をやむなく滞納した世帯には、情け容赦のない差し押さえ、保険証の取り上げです。きめ細かな相談をしていると言いますが、実際に納付相談に行こうと思えば、それなりのお金を持っていかなければ相談にはならないという実態をごらんになったことは有るでしょうか。いつまでにいくら払うのか、分割納付しても年度内に完納する事が大原則で、払えなければ差し押さえです。これで払えない世帯の相談と言えるでしょうか。滞納が有れば、病気になって入院しても限度額認定書は発行されません。どこまでも負担がのしかかってくるのです。こんな不安を取り除くべきです。まして、いのちを守れない上に、納入率の向上にはつながらない事が明らかになっている資格証明書の発行は絶対にやめるべきです。
第二には、子育て日本一と言いながら、願いに逆行する予算になっているからです。子どもの医療費はどうでしょうか。市長選挙では詳しい内容を明らかにせず「拡充する」と公約した内容は、通院について月額3000円を越えた分の償還払いの年齢を小学校卒業までとする拡充です。子育て世代の願いは200円払えば後は安心して子どもを病院に連れて行けるようにと言うことでは有りませんか。まして、償還払いではごく一部の人にしか恩恵がありません。更には、民間保育園の問題です。条例化で必要な2億7千万円の予算は上積みされず、その結果、プール制を変質させ、保育の現場ではパートやアルバイト、派遣と言った非正規雇用が増え、正規職員も給与カットせざるを得ない状況です。結局は保育の質の後退につながるではありませんか。そして、教育費については、前年比で8億2600万円も減額し、10年間で何と100億円もの減額です。前年と同規模の予算措置で小学校3年生の35人学級は実現できるではありませんか。
第三には、今述べましたように、福祉を削り負担増を押しつけるという施策で市民には厳しい予算を組みながら、一方では、ムダ使いを見直さない予算だからです。京都市の歴史が始まって以来という出来事を繰り返している焼却灰溶融施設です。事故を繰り返し、基準の42倍ものダイオキシンが検出され、大問題になってから2年も経つのに未だに試運転のめどさえ立たないため、運転経費が当初予算に計上できない異常な施設になぜ、固執するのでしょうか。めどが立てば補正を組むと言いますが、運転経費は4年目からは、毎年20億円以上が必要になります。財政負担の大きさに耐えられず、廃止に踏み切った自治体が今も増えています。そんなムダ使いをしなくても、市民との共同でごみを減らせば埋め立て地の延命は可能です。2020年以降はごみが減らないと言う試算の元での埋め立て地利用計画とごみ減量計画を見直し、危険で税金のムダ使いの焼却灰溶融施設は中止し、契約を破棄すべきです。また、市内高速道路の未着工3路線については、日本共産党議員団は一貫して中止を求めてきたもので、市長選挙で発言された「廃止の方向」で速やかに実効するように求めます。また、リニア計画はJR東海の試算で地下駅となる京都駅の整備費用は2200億円とされています。こういうムダ使いこそやめるべきです。
第四には、市民のいのち・財産を火災から守る消防職員をH29年までに他都市平均に合わせて80人も削減する計画を打ち出していることです。京都市は古くからの木造建築が多く、細街路も多いまちですから、単純な比較はできません。観光都市でもある京都市にふさわしい消防体制を堅持することこそ必要です。
第五に、京都経済の再生と雇用が重要課題と言うのなら、京都経済の再生に効果的な公契約条例の制定が今、急がれるのではないでしょうか。せめて京都市が発注する事業に関しては資材調達も含めて市内事業者を明記し、そこに携わる労働者の賃金においても保証する等、京都市のできるところから市民の暮らしを支える事が必要です。予算特別委員会の中では、同僚議員からも「市の公共事業には他都市の業者でなく市内業者を」との要望が出されています。ところが「まずは入札制度の見直しから」と言い、「公契約条例」については「検討会議設置の準備を進めている」というものの検討会議の日程や内容さえ明らかにされていません。4年かけてと言うほどの余裕はありません。早急に公契約条例の制定に向けて手続きを開始すべき事を指摘しておきます。
次に、議第21号自動車運送事業特別会計についてです。反対する第一の理由は、「管理の受委託」を継続して市バスの民営化に道を開くものだからです。理事者は、受委託について現行の二分一以上には拡大しない、としていますが、委託契約に当たっての委託料を引き下げながら安全確保や乗務員などの労働条件についてきちんと把握していません。委託料の引き下げは人件費の引き下げにほぼリンクされていることは論を待ちませんが、安全を最も重要な責務とする乗務員の労働条件や安全確保をしっかりと掌握して、市バスの安全運行に責任を持つべきです。
第二の理由は、乗務員採用に当たって5年間にも渡る「若年嘱託制度」を変えようとしないからです。公営バス事業をおこなっている8政令市の中で、5年間も嘱託制度を続けるのは京都市だけです。今日、非正規雇用をなくして市民生活の安定を確保することは行政の課題であり、夢を持って交通局職員に採用された乗務員のみなさんに、5年間も嘱託という制度に縛り付けることは人権上も許されるものではありません。一日も早く正規雇用を基本とする制度に転換するよう強く求めます。
第三の理由は、交通不便地域の解消や市民の足を守る取り組みに対して、極めて消極的だからです。この間、東山区今熊野や山科区の鏡山・小金塚などで市民の自主的な努力により「バスの試験運行」が取り組まれ、その後も継続されています。市の制度を活用しての伏見区のバス運行や、北区雲ケ畑での住民バスなど様々な形態での取り組みが始まっていますが、いずれもやむにやまれぬ市民の運動であり、本来市民の足確保に責任を持つ京都市がなすべきことではありませんか。市民の積極的な声にしっかりと耳を傾け、足確保のために予算も確保して努力されるよう強く求めます。
地下鉄事業につきましては、健全化計画前半に予定されていた運賃値上げが先送りにされたことは当然のことです。今後とも、バリアフリー対策や転落防止柵早期設置などの乗客サービスの向上や安全対策を強めること、地下鉄建設や維持管理・安全対策・耐震化・施設更新などに対する国の補助制度拡充に全力を上げるべきです。
次に、上下水道事業についてです。上下水道局は、鉛製給水管の助成制度や雨水貯留施設設置助成金制度に続いて、雨水浸透ます設置助成金制度も実施され、市民の安心・安全のために努力されていますが、上下水道料金制度審議委員会を設置して値上げに向かって世論形成を図ろうとしています。我が党は、値上げではなく、本市が必要な繰入金を確保し、国の補助制度の拡充などに全力を挙げて、いのちの水を確保されるよう求めます。
次に、今喫緊の課題となっている消費税問題について述べます。増税は国民生活と日本経済に多大な負担を押し付けるとともに、代表質問で我が党の山中議員が指摘しましたように、交通局及び上下水道局の両事業において現行でも50億円近い負担が押し付けられていて、市民生活や事業運営を困難にしています。これが10%になれば100億円近い負担となるわけですから、健全化計画などいっぺんに破綻するのではありませんか。市長や理事者はそのことをしっかり自覚し、消費税増税にきっぱりと反対の表明をされるよう求めます。
最後に、原発の再稼働に対する市長の姿勢の問題です。未だにはっきりとした立場をおっしゃらない事は問題です。先日行われたNHKのアンケートには、原発の再稼働について「今は判断できない」と応えておられます。「万全の安全確保」「地元住民の理解」が必要とされていますが、安全の確保とは一体どんな状況なのでしょうか。福島第一原発事故の原因がいまだに究明されていないのが現状です。23日に京都府が発表したスピーディを使った放射性物質の拡散予測によると、高浜原発で福島第一原発と同様の事故が起こった場合の放射性ヨウ素の拡散は、市内の右京区でも原発から50キロメートル以上離れているが屋内退避になると言うことです。ひとたび事故が起これば、市民に取り返しの着かない多大な被害が及ぶわけですから、原発の再稼働は反対の立場を明確にする事を強く求めまして、討論とします。