河合ようこ 議員
11年1月31日(月)
「福祉、保育予算の確保、拡充を求める請願」の不採択に対する反対討論 11年1月臨時市会 閉会本会議討論
京都市会ホームページ > インターネット議会中継 上で、録画がご覧いただけます。(約1年間)
第一に、民間保育園に対する保育ポイント制を柱とする新しい制度は保育園運営と働く職員の処遇を不安定にするものであり、子どもの発達を見守る職員が、その職に責任を持ち続けられるような制度に改善する必要があるからです。
この間、京都市は2年連続民間保育所への補助金を削減してきています。その上、職員の給与保障の基盤であった「プール制」の根幹を変えてしまいました。その下で、各行政区の保育園関係者と議員との懇談では、職員の処遇を守るための苦心や、不安の声が出されていました。「ポイント制は撤回してほしい」「保育になじまない制度だ」という声を同僚議員のみなさんも聞いておられるはずです。現に、職員の賞与を削減するところがある状況を市も把握しています。
子どもの保育に専念すべき園長、職員が、保育園運営費、職員給与の確保のためにポイントをどう獲得するかに苦慮されている状況は、安定した保育を保障する基盤が揺らいでいるということではありませんか。各園独自の給与制度になることで、民間保育園がバラバラにされてしまうおそれがあります。
第二に、ポイント制の各項目には検討しなければならない項目があるからです。例えば、新プール制のポイントの加算項目にあげられている『人事評価制度』の導入は、職員間の格差をつくり、保育の仕事にかかせない職員のチームワークを壊すことにつながるおそれがあるからです。これは保育の質に影響します。
「子どもの最善の利益の保障」「児童福祉の向上」をうたった児童福祉法の目的にも反するものであり、人事評価制度を導入する予算誘導策はすべきことではありません。
第三に、「新プール制」の運用が始まっており、現場の声を聞いてよりよいものに改善していくことは当然であるからです。
「新プール制の実施要項」でも、「適宜検証していく」ということがうたわれています。保育所の保護者や職員をはじめ5万人を超える市民から寄せられた請願署名も寄せられています。この当然の願いを不採択とすることは、京都市の保育や子育て支援の充実をさらにすすめるために、京都市議会としてその役割を果たすことを否定することになるのではないでしょうか。
以上、請願不採択に対する反対討論と致します。ご静聴ありがとうございました。