くらた共子 議員
10年3月19日(金)
国民健康保険制度の抜本的改革と財政措置の求める意見書に対する反対討論 10年2月定例市会 閉会本会議討論
まずはじめに、この意見書の問題は、被保険者の保険料負担を公平化するためには医療保険制度の一元化が必要としていることです。これは、平成13年11月、自民公明政権の元政府・与党社会保障改革協議会の医療制度改革大綱に掲げられた方針であり、そのねらいは、医療費の総額抑制にあります。改革大綱には、「医療保険制度の一元化の一段階として被用者保険・再編を促進するものとする」と明記し、国民健康保険については、「保険者の規模の拡大を図る」としていますが、いずれも事業者責任を後退させ、所得の少ない被保険者の負担を増大させる危険性を孕んだもので、到底認められるものではありません。
いま必要なのは、国民の命を守る砦としての国民健康保険制度の役割が発揮できるようにすることです。そのためには、市町村の危機的な国民健康保険財政への国の負担割合を大幅に引き上げることが不可欠です。旧政権は、景気が回復したら、負担率をもとの2分の1に戻すとした国民との約束を反故にしてきましたが、そうした社会保障費削減、痛み押し付けの構造改革に、国民が審判を下したのではなかったでしょうか。
新政権は、「政権を取ったら、ただちに9000億円国庫負担を増やす」と言っていたにもかかわらず、実際に増やしたのはたった40億円だということが明らかとなっています。これではまったく変わりばえがありません。国民の審判に応え、ただちに国の負担率を引き上げるべきです。あわせて2年前から0となった京都府の市町村への補助金の復活も求められていることを指摘しておきます。
最後に、高すぎて払えない保険料を引き下げ、すべての市民に正規の保険証を発行し、一人ひとりの命に対する責任を果たしきることこそ喫緊の課題であることを指摘し討論といたします。