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市会報告

井坂博文 議員

09年11月30日(月)

市職員給与条例の一部改正等に対する反対討論 09年11月定例市会 本会議討論

 

 日本共産党は経済総務委員会に付託された議案3件のうち、議第209号「京都市職員給与条例の一部を改正する条例の制定」および議第210号「京都市職員の給与の額の特例に関する条例の一部を改正する条例の制定」については反対の態度を表明していますので、日本共産党市会議員団を代表して討論いたします。

 今回の改定措置は異例中の異例なものであります。まず、今回の条例提案の背景にある今年度の人事院勧告そのものが乱暴かつ不当なものでした。史上2番目という賃下げ幅の人勧は、公務員の賃下げをすることによって国民の支持を得たいという当時の与党の思惑があり、8月の総選挙のために、民間職場の給与水準に対するまともな調査も行わず、異例の速さで例年の発表時期を前倒しして勧告を行い、それを受けて麻生内閣が投票日の直前に閣議決定したものであります。さらに、この人事院がおこなった一時金の暫定引き下げ(0.2ヵ月)の勧告によって、その後の民間中小の春闘相場や一時金回答に否定的な影響を与えたことは明らかであります。

 また、今回の引き下げによる影響は、職員一人あたり年間約15万円、3年間で約46万円もの額に及び、職員の生活設計を狂わせ、消費購買意欲にも否定的な影響を与え、何よりも職員の労働意欲を著しく後退させるものであります。さらに、景気対策や雇用促進のために数次にわたる補正予算を本市でも組んで経済対策を打ちながら、足元の職員給与引下げを行うことは、整合性がないばかりか、京都経済の再生と景気回復の流れに逆行し、冷や水を浴びせるものです。

 そもそも今回の給与改定の真の狙いは、本市の深刻な「財源不足」への対策にほかなりません。210号は、「京都未来まちづくりプラン」による給与減額措置の幅を縮小するとしていますが、市人事委員会の報告は「減額措置を可能な限り早期に解消することを望む」としているように、減額措置を早急に廃止し、本来の給与に戻すことこそ求めているのであります。人事委員会の報告を正面から受け止めるならば、「京都未来まちづくりプラン」で当初見込んだ3年間の人件費抑制額40億円をゼロにすべきであり、33億円も残すことは重大であります。一方で、209号に基づく削減で52億円の影響額が見込まれ、合計で85億円にもなります。当初の人件費抑制見込みの2倍を超えます。職員にすれば当初の2倍の負担が押し付けられることになるではありませんか。

 あわせて、削減幅縮小の対象から課長級職員をはずしていることは職員間の分断そのものであり、管理職職員の労働意欲の低下につながるものであります。

 最後に、市長は先日、財政の専門家による有識者会議を設置し、本市財政構造を抜本的に改革するとしています。その遡上にまたもや職員人件費をあげて更なる削減をするとしています。

 「健全化団体への転落を回避する」という名目で、職員人件費を目の敵のようにして削減一辺倒の進め方は言語道断であり、行き着く先は行財政改革方針の推進であり、市民負担増につながるものであります。

 そのことを強く指摘し、反対討論といたします。