加藤あい 議員
09年10月28日(水)
「子育て応援特別手当」の執行停止に対する意見書への反対討論 09年9月定例市会 閉会本会議討論
いうまでもなく子育て支援は国民的課題であり、喫緊の課題です。しかし、その内容は、仕事と子育ての両立や経済的負担の軽減、「子どもの貧困」の解決など"子育てがしにくい"という日本社会のあり方への総合的な取り組みであるべきと考えます。
その趣旨で、日本共産党は四つの政策を提案してきました。第一に、ワーキングプアや長時間労働解消など働く条件の改善や保育所増設で仕事と子育てを両立できるようにすること、第二に、医療費無料化や児童手当を充実する、第三に、教育費負担を軽減し、経済的理由で学業をあきらめる若者をなくす。第四に、生活保護母子加算の復活、就学援助、児童扶養手当の拡充など、「子どもの貧困」の克服に力を尽くすことです。
今回、意見書案で執行を求めている「子育て応援特別手当」は前政権が15兆円の経済危機対策の一環として打ち出したものです。不況下の子育て世代支援がその趣旨ですが、一回限り、3から5歳の年齢のみという極めて、限定的なものとなっています。国民向けの支援は一時的なものに限るというこれまでどおりの対策で問題は解決するでしょうか。根本的解決にはつながりません。鳩山首相は先の所信表明演説で「人の命とくらしを大切にする政治」を掲げました。その理念を実現するには、政治のおおもとにある弱肉強食の構造改革の政治に真正面からメスを入れることがどうしても必要です
すでに先の総選挙で、"バラマキ"といわれるような一時的なやり方について国民的な審判は下りました。民意を厳粛に受け止め、雇用を安定させることや安心の社会保障をつくることを優先し、国民の命と暮らしを直接守るための対策こそすすめられるべきと考えます。
先の市会本会議で採択された「緊急経済対策予算の円滑な執行を求める意見書」について、つまり、前政権下での15兆円の経済対策の円滑実施を求めることに民主・都みらい会派のみなさんは反対をされました。しかし、今回はその同じ経済危機対策について「執行停止」に抗議をされています。一方で「円滑実施」に反対し、もう一方で「執行停止」に抗議する。いったい、どちらなのでしょうか。市民への説明責任が問われます。
なお、前政権のバラマキ施策下にあったとしても、執行停止をする上で住民の納得のいく説明責任をはたすこと、この為に本市をはじめ各自治体が使った費用を補填することは新政権において当然すすめられるべきであることを申しそえて、討論といたします。