西村よしみ 議員
09年10月 1日(木)
西村よしみ議員の代表質問と答弁大要 09年9月定例市会 本会議代表質問
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労働者派遣法の早期「抜本改正」を
まず雇用の問題です。今度の総選挙の結果は、雇用の問題でも明確な審判が下されました。新政権は、国民が強く求めてきた、労働者派遣法の改正に取り組むことを打ち出しています。
政府が発表した7月の雇用統計によると、完全失業率は5・7%と過去最悪となり、有効求人倍率も0・42倍と過去最低を3カ月連続で更新しました。
雇用の状態は、働く人たちの3人に1人、若者の2人に1人は不安定雇用という事態です。しかも最低賃金は、全国平均で時給713円、フルタイムで働いても年収150万円にもならない低水準にとどまっています。
私のところに右京区にお住まいの43歳の男性から相談があました。自動車部品製造の関連会社、ジャトコで働いていたが、昨年3月に腰痛で休んだところ解雇を通告されたという内容です。この方は派遣社員でした。会社からは、「会社を辞めると直ぐに会社の寮を出なければならない」と言われました。事前に休むことを伝えて休暇をとったのに、なぜ解雇されるのか納得がいかない。そこで一人でも加入できる労働組合に加入して、会社と交渉を試みましたが、会社は解雇を撤回しませんでした。
「何も悪いことはしていない、まじめにコツコツと生きてきたのに、住むところも生活の糧もなくなる、これからどう生きて行けばいいのか」と焦る毎日、職場と寮を追われる悔しさと絶望感で、「心の病気」となりました。次の仕事を探して面接をしても年齢を理由に断られつづけ、やっと決まった仕事も病気で、続かなくて短期で退職してしまいました。これでは生活できないので生活保護を申請し、今でも仕事につくことはできていません。
仕事を探しても正社員の仕事がほとんどなくて派遣社員になり、社員寮を利用すると、寮費・光熱費を引かれ、手取り6万円から7万円の低賃金で働き、休めば簡単に解雇されたのであります。こうした雇用の実態がひろがり、国民の大きな怒りがおこり、政権が変わったのは当然であります。市長は、こうした国民の審判を重く受け止め、「労働者派遣法の抜本改正の立場」を明確に打ち出すべきであります。また、市内に立地する企業に、正規雇用の拡充を求めていくことが、あなたの責任ではありませんか。お答えください。
(市長)非正規労働者の増加は、我が国の人材育成や産業基盤構築に関わる重大な問題と認識する。国会で、日雇い派遣の禁止、登録型派遣、製造業派遣の原則禁止等の改正が図られることを期待している。京都労働局や京都府と緊密に連携し、求人確保を更に強めていく。
OECD経済協力開発機構は、「2009年の雇用見通し」のなかで,日本の労働者の貧しさを警告しました。それによると、「ワーキングプアの増大」「貧困層のなかに非正規労働者の割合が高い」ことを指摘しています。そしてこれら多くが「雇用保険に未加入」の問題などをあげています。そこで、これを解決するため「労働者派遣法の抜本改正をはじめ、最低賃金の引き上げ」の必要性など指摘しています。
8月25日公表の「2009年版 厚生労働白書」は、昨年10月以降に非正規労働者約22万9千人が、雇用契約終了時に「雇い止め」や「解雇」となったと報告しています。
京都市中小企業経営動向実態調査でも、「総従業員数削減の傾向が強まっている」と指摘しています。雇用形態別で見ると、社員を「減らす」の割合が、最も顕著なのが人材派遣社員でした。
市長。安定雇用を作り出すため国に対して、いまこそ「労働者派遣法を早期に抜本改正すること」、京都市の最低賃金が生活保護基準より下回っていることを踏まえ、「全国一律に最低賃金を時給1000円以上に引き上げること」、その場合は「国に中小企業への支援措置」をすることを強く求めるべきです。お答えください。
(市長)国と最低賃金審議会で改善されているが、引き続き改定が必要。中小企業の体質強化や生産性向上等を図るため、国に適切な支援を要望していく。
官製ワーキングプアをなくし、公契約条例の制定を
次に、公務に関連して働く人たちの雇用問題です。京都市の職員は、2004年度から2008年度までの5年間で1301人が削減されました。その一方で、非常勤嘱託員や臨時的職員などに置き換えられています。
その人たちの賃金の実態は、非常勤嘱託職員で、月22万4000円、年間約268万円です。臨時職員の方は,高い方の人で日額8000円、20日間働いて,年間約192万円にしかなりません。「所得税、国保料、年金など支払えば生活はぎりぎり」で、「食べていけないような労働者を自治体が作りだして」いると厳しい声が上がっています。
京都の自治体ではたらく、非常勤職員へのアンケートでは、「雇用契約期間での打ち切りはやめて欲しい」、「職員と同等の仕事の内容をおこなっている現状を踏まえて賃金、労働条件の格差はなくすべき」など意見が上がっています。
9月に発表の「職員の給与に関する報告及び勧告」のなかでは、「臨時的任用職員及び非常勤嘱託職員は、市政運営の担い手としての役割を果たしている」と位置づけ、「職場の一員として、より意欲を持って働ける環境を整備していく」ための「検討を進めるべき」としています。京都市は、官製ワーキングプアをつくらないため、職員の削減計画は撤回し、賃金・労働条件を改善し、率先して雇用を安定させるべきではありませんか。お答えください。
(人材活性化政策監)厳しい財政の中、満足度の高い市民サービスを最小経費で行うために、間断ない行財政改革が必要。総人件費抑制は重要な課題。非常勤、臨時的任用職員は、適切な役割分担を踏まえて任用。賃金・労働条件も適正水準を確保。「官製ワーキングプア」の実態はない。
京都市が発注する公共工事や業務委託では、事業者において「公正な賃金」が確保され、さらに「品質が確保」がされなければなりません。そのためには、発注にあたり、予定価格の算定において十分な賃金単価や、適正な雇用条件の設定を発注先選定の条件とさせるべきであります。
千葉県野田市では9月30日、全国で初めて公契約条例を可決しました。その内容は、市の発注する大規模事業や委託業務を請け負う業者に、国が決めた最低賃金を上回る給与の支払いを独自に義務付けるものです。なぜこの条例ができたのか。その理由は、「一般競争入札を実施するなかで、弊害が出てきたこと。総合評価方式による契約をしている中でも、低入札があること。そのツケが労働者の賃金や、下請け業者へ回ってくることが懸念される」との問題からでした。
京都市に関連する仕事をしている方からは、「下請けの仕事をしているが、賃金が安い」との意見や、「仕事を取るために身を切る努力をしている」などの声を聞きます。
最低価格をも下回り、予定価格を大きく割るような落札の場合、品質確保と共に、下請業者へのしわ寄せが危惧されます。ひいては市民サービスへしわ寄せが行くことにもなりかねません。
本市において、公共工事における下請けなどの賃金の確保や適正な労働条件を確保するため、公契約条例の制定をめざすべきであります。お答え下さい。
(財政担当局長)低価格入札で不適切な場合には契約を締結しないなど、適正な下請け取引の推進に努めている。「公契約条例」の制定は、他都市の動向を注視し研究していく。
ただちに母子加算を復活し、老齢加算の早期復活を
次に生活保護行政について質問します。生活保護を受けている方々にとっては、生活保護の母子加算・老齢加算の廃止で、大変厳しい生活に追い込まれています。
次は私が相談を受けた2つの事例です。右京区にお住まいの38歳の女性は、16歳と12歳の子供と三人暮らしですが、子供が「パニック障害」で、フルタイムで仕事をすることができません。パートで働いて給与は、月6万円から7万円で、後は生活保護費を受給しています。今年4月に母子加算手当がなくなり「就労促進費」を受けていますが、それでも成長盛りの2人の子供に色々とお金がかかるので、母子加算の復活を求めています。
長妻厚生労働大臣は、生活保護の母子加算を年内にも復活させると明言しています。歓迎をするものです。
市長。5月に開かれた議会においてわが党議員が代表質問で、母子加算の復活を求めました。これに対する答弁では、「母子加算廃止は社会経済情勢の検証の結果であり、妥当なものである」とする内容でした。今、この認識を反省し改め、母子加算復活のため、国と一体となって直ちに取り組みをすすめるべきです。お答えください。
また、老齢加算の廃止の問題で 相談を受けた82歳の男性の場合、わずか1ヶ月21000円の年金のため、生活保護を受けています。しかし、老齢加算の廃止で生活費が2万円ほど少なくなり、生活が激変しています。電気代節約でクーラーは夏でもかけず、食事は1日2回に減らし、魚・肉などはほとんど食べられなくなりました。老齢加算の廃止で弱い高齢者をいっそう困難に追い込んでいる事実があります。
市長。こういう事態は一刻も早く改善をしなければならないと思いませんか。
国に対して、早急に、老齢加算についても復活の対策を取ることを強く求めていくべきです。お答えください。
(保健福祉局長)今般の厚生労働大臣の発言は報道で承知している。生活保護制度が最後のセーフティネットであることを踏まえ、国の動向を注視し、老齢加算も含め、基準改定が行われた際には、迅速に対応する。
日米FTA交渉をやめ、農業支援を
次に農業支援対策について質問します。
右京区・京北の農家から、農業の実情について話をお聞きしました。コメの買い上げ概算価格は、60kgあたり「コシヒカリ」で12、450円。「キヌヒカリ」で11、300円程度です。一町三反を水稲しているという方のお話では、「稲作だけの年収は約160万円で 収支は赤字、兼業でなければとても生活できない」と訴えていました。
原因は、不況の中で米の消費が落ち込んでいると言われますが、これまで農産物の輸入自由化が進められ、国民の食料を際限なく海外に依存する政策がすすめられてきた結果です。
この事態を解決する道は、日本の食料自給率の向上に踏み出し、食をめぐる国民の不安を打開し、農業を再生することにあります。
日本の主食である米の再生産を可能にするためには、米の「価格」と、「安定供給」について、国が責任を持つことであります。そのためには、WTOのミニマムアクセス米や日豪FTAの締結をやめること。「コメの82%の生産量が減少する」と言われて農業が大打撃を受けるような、日米FTA自由貿易協定は、「交渉そのものを中止する」ことであります。
市長は、農家を代表し国に対して、日豪及び日米FTA自由貿易協定の交渉そのものをやめて、価格保障や所得補償をおこなうこと、耕作放棄地対策のなど、農業再生を求めるべきではありませんか。お答えください。
(産業観光局長)農家の高齢化、農産物販売価格低迷など状況は厳しい。国が進めている自由貿易協定の内容次第では、日本の農業に大きな影響を及ばすことになると憂慮している。国の新たな政策を注視する。
京都市は、今後10年間の次期京都市「農林行政基本方針」を策定のため検討委員会で作業をすすめています。農業統計、「京都市農林業の主な誘導数値目標の達成状況」の資料では、農地面積、農業従事者、水稲面積、生産量、自給率などいずれも減少しています。農業も林業も生産者は、小規模事業家が中心で、「生業として成り立たない」というのが実情です。この状況において、これからの農林業の振興対策をどのようにしていくのか大きな課題があります。そして、新たな「農林行政基本方針」は、京都市の農林業の再生に重要な役割を担うべきものであります。
市長は、「農林行政基本方針検討委員会」のあいさつの中で、「農業・林業は人類のもっとも大切にしなければならない、命を育む基本である。また農業・林業は、環境問題とも切っても切れないものである。日本の食料自給率は4割をきり、木材は8割を輸入に頼っている。日本の森は荒れている。先日、京北に行ってきたが、山は松くい虫でひどいことになっている。また花背にも行ってきたが、こちらも高齢化で深刻な事態だ」と発言されていました。これらの現実をふまえて検討委員会の中でも委員から、「学校給食への地産地消の取り組み」や「耕作放棄地対策」の重要性、「所得補償」などについて真剣な議論がされていました。これらの施策については、たいへん重要でありますので、次期「基本方針」に生かすべきであります。お答えください。
(産業観光局長)「京都ブランドを生かした魅力ある農林業の構築」「都市農地保全による地産地消」等の視点に立った議論を深めていく。更なる振興・発展に努める。
消費者行政の推進、相談体制の確立を
次に消費者保護について質問します。消費者庁が9月に設立されました。
これまでの消費者行政は、経済産業省や厚生労働省など、各中央省庁がそれぞれの立場で、「企業育成」と「消費者保護」という、時には相反する両面の課題を受け持ってきました。
このたび設立の消費者庁は、消費者の保護を本旨とする行政組織で、お目付け役の消費者委員会の設置とともに、消費者行政の司令塔の役割を担い、国民の権利と利益を守る使命を担います。
そのもとで、地方自治体の消費者行政は、消費者保護の役割において、これまでにも増して重要なものとなりました。
国会で法の成立にともない、「地方消費者行政の支援」など付帯決議が付されています。それは、消費者と直接の接点となる、地方の消費者センターなどの体制確立に万全を期するためです。
しかし、消費者センターの人員配置や国の支援などは「三年以内に検討」と、先送りされたままです。また、「消費者ホットライン」の窓口が全国いっせいに開かれないなど、体制が不十分なままの見切り発車の感が否めません。
消費者被害を繰り返させないため、国の支援のもとに、新たな地方消費者行政をつくるときであります。そのために国は、自治体へ資金面の支援をおこなうべきです。そこで、京都市は、国に対して早期に、消費者行政の体制確立を求めるべきです。お答え下さい。
消費者問題に対応する相談体制を、さらに拡充させていかなければなりません。京都市の2008年度、「消費生活相談」の件数は、7801件で、前年度と比べて109件増加しています。
相談内容の中で多重債務問題が、前年度構成比で6、5%から14、7%と2倍以上に増えています。それはなぜ増えたのか。要因は、「多重債務専用相談窓口設置」や「特別相談の実施」など、特別に体制を強化した結果にあります。
この取り組みを、さらに生かすことが必要です。全般的に相談体制の強化をしていくことで、ひいては市民の消費生活に対する「相談の需要に応える」ことになります。こうして市民の「生活の安心確保」にもつながるわけであります。
そこで、相談員を増員すること。研修会等をさらに充実して、専門知識や相談能力の向上を図ること。さらに、相談員の待遇改善が必要です。安心して相談業務に取り組むことができる労働環境・賃金保障にいっそう取り組むことが求められます。
市長、相談員の増員、報酬増額など待遇改善のため、京都市の努力とともに、国に対して支援策を求めるべきであります。お答えください。
(市長)多重債務対策など相談体制の拡充を推進。市民生活センターの相談内容は、年々複雑・多様化のため、相談員のレベルアップを図ってきた。相談増加に対応できるよう、体制強化に努め、消費者庁と十分連帯し、更なる拡充を図る。これらの取り組みを着実に実施し、消費者が自立、安心して暮らせるまちをめざし、京都ならではの取り組みを全力で推進する。
京都市立芸術大学の法人化はやめ、施設整備を急ぐべき
京都市は、京都市立芸術大学を、2012年度をめどに公立大学法人化を目指すとしています。しかし、はたして京都市立芸術大学にとって独立行政法人化が必要なのか、疑問であります。
地方独立行政法人法は、2000年12月「行革大綱」で導入が決められ、いわゆる「官から民へ」の「構造改革路線」の一環で、これを大学運営にも持ち込んだものです。
国立大学が法人化された結果、国からの「運営交付金」は毎年1%削減、5年間で720億円も削減され、その影響で人件費の削減や研究費が減少しています。
地方自治体の公立大学でも、国立大学と同じ傾向にあります。2007年度に法人化された愛知県立大学では、2007年度運営交付金は約55億円だったのが、09年度は約51億円になりました。その結果、職員は人材派遣職員や契約社員の配置がすすめられ、教員も任期制及び特任教員制が導入されました。
横浜市立大学では、任期制や年俸制導入。大阪市立大学は5年間で経費約20%削減。北九州市立大学は、教員の業績評価で研究費の傾斜配分を導入するなどいずれも効率化や目先の成果を強いられているのが実態です。沖縄県立芸術大学では、「法人化による運営は採算がとれず、大学施設の更新を先行させる」として法人化をストップしています。
公立大学は、広く知識を授け、専門の学芸を教授・研究し、知的、道徳的及び応用的能力を発展させることを目的に、住民の教育要求にこたえ、地域に貢献するため、地方自治体が設置し、経費を負担します。
しかし、法人化されると経費負担は法人の責任となります。また、自治体の首長が大学の目標を定め、その達成業績を評価委員会が評価することになるのです。これでは教育研究が首長の意向に左右されるようになります。大学の自主性が損なわれる恐れがあります。また議会の関与が縮小・空洞化されます。効率的経営や自己資金の獲得が強められ、資金確保に結びつかない「教養教育」や「基礎研究」など弱まることが危惧されています。
大学での「基礎研究」の役割について、元京大総長の尾池和夫さんとノーベル賞受賞の益川敏英さんは、雑誌対談のなかで「基礎研究は何のためと考えないで、これが大事だとおもったら信念を持って基礎研究をやる」とその重要性を語っています。
また、国際日本文化研究センターのある教授は最近、新聞投稿で、「文化・学術への施策は、性急に成果を求めたり、効率的見返りを期待するものではない」、「長期目標」「中期目標」など立てさせて、「第三者による評価を求める制度は真の成果は望むべくもない」と語っていました。
いずれも、大学における研究活動の在り方について、示唆に富んだ指摘であります。
国会で、地方独立行政法人法に対する付帯決議がされています。「憲法が保障する学問の自由と大学の自治を侵すことがないよう、大学の自主性・自立性を最大限発揮しうるための措置を講じる」という内容です。
京都市立芸術大学は2004年、学内に「将来構想委員会」が設置され、2006年「京都市立芸術大学の将来に向けて」という将来構想を差し示しました。その結論は、「法人化をすすめることは妥当でない」というものでした。
今、学内からは、法人化について、「京都市の大学改革方針や基本計画案に、学内の議論が反映されていくのかは明確でない上、半年程度で基本計画案を策定するということは、学内の議論と大学の自治を軽視するものです」との声があります。これに正面から向き合うべきであります。
市長。「大学の自治」などを考えるならば、京都市立芸術大学の地方独立行政法人化はやめるべきではありませんか。お答えください。
大学のまち・京都にあり、唯一の公立4年制、京都市立芸術大学は市民的財産であり、大学が果たしてきた芸術分野での世界的・歴史的価値からしても、一層の支援が必要であります。
設置から30年を迎えようとしている京都市立芸術大学は、老朽化が顕著な施設が生まれています。ひび割れた建物、モルタルが欠けている箇所、収蔵庫は作品が満杯状態で保存が心配されています。法人化ではなく、まず施設整備を急ぎ、教育研究環境を整えるべきであります。答弁を求めます。
(星川副市長)学長、学部長、教員の代表者、庁内関係局長が、学内での検討も踏まえ「大学整備・改革基本計画(仮称)」の策定にむけ、精力的に議論している。公立大学法人の制度設計や老朽化している教育研究環境の整備等の基本的方向を盛り込むことにしている。
右京区京北地域の「遠距離通学費支給事業」の継続を
最後に。右京区京北は来年4月で、合併から5年が経過します。
合併前、当時京北町が実施していた事業のうち94事業が廃止されました。経過措置が設けられた事務事業は、14事業です。国民健康保険事業は保険料が低く抑えられていました。しかし、合併からの「経過措置」は、07年度末をもって適用されなくなり負担が増えています。
京北は、「京都市・京北町合併建設計画」及び「京都市過疎地域自立促進計画」などをもとに事業が進められていますが、これらの計画の折り返しの時であります。
農業、林業振興や高齢化対策、病院存続などさまざまな大きな課題が指摘されています。さらに危ぐされているのは、京北地域の人口の減少に歯止めがかからない事態です。
井戸の地区では、「かつては、数十人の子供がいたが、今は小学生2人、中学生1人となり集落の将来がなくなる」、などお話を聞きました。京北の少子化対策は将来の街づくりの点でも重要な施策であります。
子どもたちを学校に通わせているみなさんから話をお聞きしました。「遠距離通学の援助がなくなれば、負担が増えるので是非、残してほしい」というものです。
そこで、一端廃止された「遠距離通学高校生通学費補助事業」は京都府にも働きかけて存続すべきであります。5年間の「経過措置」とされていて、来年度廃止予定の、「小学校遠距離通学費支給事業」および「中学校遠距離通学費支給事業」は、本市が責任をもって、新年度以降も実施を継続すべきです。お答え下さい。
このことを求めて私の質問を終わります。ご静聴ありがとうございました。
(教育長)花脊地域の学校統合を契機として平成19年から無償とした。この措置に準じ、京北地域でも合併以前からの経過をふまえ、スクールバスの無料運行とスクールバスの代替え利用される路線バス運賃の全額補助を継続する。