宮田えりこ 議員
09年6月30日(火)
2009年度一般会計補正予算等についての討論 09年6月臨時市会 閉会本会議討論
私は日本共産党市会議員団を代表して討論したします、議題107号「平成21年度京都市一般会計補正予算」、議題110号「平成21年度京都市雇用対策事業特別会計補正予算」のいずれの議案についても賛成していますが、いくつかの点を指摘し討論します。
本臨時議会は、政府の補正予算を具体化するものでした。総額14兆円にものぼる政府の提案は大企業に不要不急の大型公共事業を大盤振る舞いする一方、国民には1回限りのばら撒きで「将来へのツケまわしが恐ろしい」との声が出ているとおり、今後の消費税増税をおり込んだ内容であり、大きな問題があります。しかし同時に、一部には「地方公共団体への配慮」等として自治体での雇用や暮らしの対策に活用できる財源措置も含まれています。執行に当たって財務省財政課長内かんにあるように「公共事業など、過去最高の8割を目指して前倒し発注を行う事」また、「地域の中小企業の受注機会に配慮する事」を考慮し最大限具体化し、市民のくらしや中小企業の支援に繋がるものにする必要があります。
その第1に行うべきことは、京都市の幹部自らが中小企業の現場に足を運ぶことです。厳しい経済状況は依然続いています。本市の中小企業の実態について京都市は「日頃から積極的に出向き、実態はしっかりと把握している」としています。しかしこれで中小企業の実態に、今本当に応えられるでしょうか。先日、ある一般紙は商工会議所や地元金融機関を対象としたアンケート結果を発表し、『地方、遠い「底打ち」』と言う見出しで、京都の金融機関関係者の発言を報じました。それは「中小企業が受注減にあえぎ、給与支払いに四苦八苦している」というものでした。この夏を乗り越えられるのかどうかという緊迫した状況に京都市が応えられるのか、市の支援は届くのかなど、現場に入り見極めることが必要です。国の部課長が町工場へ出かけたように京都市も幹部自らが現場に足を運ぶ事がまず必要です。
第2は、融資預託金200億円の緊急融資制度についてです。新たに創設される新型インフルエンザ緊急融資などにあてる資金の確保は必要なものですが、迅速な対応とともにさらに踏み込んだ利子補給や保証料補填、固定経費補填が必要です。「多額の財政負担を伴い、困難である」との答弁がありましたが、京都府下では宇治市、城陽市、久御山町、向日市、長岡京市、福知山市、京丹後市など数多くの自治体で、利子補給や保証料補填を行っています。観光都市・奈良市は、新型インフルエンザで大きく落ち込んだ観光産業への緊急対策として、利子補給の制度を創設しました。同じ観光都市である京都市でも、こうした緊急対策が必要です。引き続きの検討を求めておきます。
第3は、経済波及効果の大きい施策を進めることが必要です。住宅改修助成制度について「一定の経済効果がある」と初めて経済効果を認める答弁がありました。実際、京都府下では福知山市の行う1億4859万円の補助に対してその17,4倍という大きな効果が現れているのですから、こうした住宅改修助成制度の施策の推進こそ重要です。検討するよう強く求めておきます。
また、学校教育の充実として小学5.6年生全教室に電子黒板を購入する費用21億円が盛り込まれました。これは現場からの要望があったものなのでしょか。「長時間労働の現場がさらに疲弊する。電子黒板よりも先生を増やしてほしい」との声、「急いで耐震補強工事をしてほしい。就学援助を充実してほしい」との声が届いています。これらにしっかり応えるよう求めておきます。さらに、この入札に当たっては「地元に発注を行うよう検討されている」と答弁がありましたが、徹底するよう求めます。
あわせて、地下鉄烏丸線四条駅を改修する駅ナカビジネスについて、5億円をかけ店舗などを整備するものですが、要望の強い市バス停留所のベンチ設置、地下鉄ホームの転落防止柵の設置などが必要ではないかと考えますので一言指摘しておきます。
第4に雇用対策についてです。21項目の様々な事業のなかでの実雇用310人も「短期雇用が原則」となっています。「臨時的任用職員の緊急雇用」では、3ヶ月間で35人の雇用を予定していますが、日給8千円に交通費がつく程度。正職員とほとんど同様の仕事内容なのに賃金は月16万円程度です。本来3ヵ月や6ヶ月の短期雇用ではなく、スキルアップしていける仕組みもつくり正職員の道につながる施策とするよう求めておきます。
最後に、9月に行われる京都市会に提案されるであろう「公共投資(臨時)交付金」を活用した補正予算は、有効かつ小口の地域密着型公共事業で仕事おこしにつながる施策となるよう強く求め、日本共産党市会議員団を代表しての討論を終わります。
ご清聴ありがとうございました。