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市会報告

赤阪 仁 議員

09年5月29日(金)

国民健康保険事業特別会計補正予算案に対する賛成討論 09年5月定例市会 閉会本会議討論

 日本共産党市会議員団は、議第83号、平成21年度京都市国民健康保険事業特別会計補正予算案については、繰上げ充用という会計上必要な措置であり、賛成いたします。その上で、国保事業について、いくつかの問題点を指摘します。

 第一に、国庫負担率の引き上げと京都市の一般会計からの繰入金のさらなる増額が必要であるということです。

 平成20年度、単年度収支で8億4374万1千円の黒字となり、累計赤字額も96億円に減額となりました。理事者は、単年度黒字の原因は「京都市の一般会計からの繰入金として予算11億円を上回る過去最高の独自の財政支援をおこなった」と説明しています。また、「国からの交付金の増額があった」とのことですが、今年度21年度、国保会計の赤字を口実に10億円の国保料の引き上げは必要なかったのではないかと疑問がわくのは当然です。つまり、平成21年度も繰入額を確保し、国庫負担金が20年度決算どおり確保できれば値上げは回避できるということではありませんか。

 京都市は、国の負担率を引き上げるよう強く国に求めるとともに、京都市独自の一般会計からの繰入れのさらなる増額の努力を行い、国保料の引き下げこそ実現すべきです。

 第二に、保険証の交付についてです。

 国保料滞納世帯は、京都市では、52,416世帯に増加、滞納世帯への資格証発行は、4,189世帯に増加しています。資格証明書、短期証を合わせ正規の保険証のない加入世帯は、15,846世帯に増えています。高すぎる国民健康保険料で払いたくても払えないと5軒に1軒の世帯の方が悲鳴を上げているのです。代表質問でも同僚議員が指摘したように、正規の保険証がもらえず医者にかかることが遅れて、命を失う悲惨な事態が京都市でもあったのです。こうした悲劇を二度とおこしてはなりません。まずは、保険証の交付こそ京都市は行うべきです。

 理事者は「機械的な資格証明書の発行はさけている」と答弁していますが、広島市、さいたま市では資格証明書は発行しておらず、自治体の住民のいのち守る姿勢が問われる問題です。

 特に新型インフルエンザの国内感染の広がりを受け、去る5月18日、国は「新型インフルエンザに係る発熱外来の受診時における被保険者資格証明書の取り扱いについて」を全国の自治体に通知しました。これは、発熱外来を受診すると、病院窓口で資格証明書を見せれば窓口3割負担で済むというもので、こうした対応は、資格証明書では受診抑制が起こることを事実上認めたものといえます。さらに堺市、豊中市では、国通知より踏み込んで資格証明証交付世帯に対し、短期保険証交付に踏み切り、八幡市では、保険証未交付世帯に対して短期証が郵送されました。 

 5月22日、本市は、市内4189世帯の資格証明書交付世帯に対し、国通知に基づき、発熱外来受診に際し、窓口3割負担の実施を通知しましたが、せめて本市でもすべての資格証明書交付世帯及び無保険者等に、緊急に短期証を交付することを求めるものです。

 以上、国保事業における京都市の果たすべき責任と、国保加入者のいのちと健康を守るよう強く求めて、賛成討論といたします。