井坂博文 議員
08年11月20日(木)
井坂博文議員の代表質問と答弁の大要 08年11月定例市会 本会議代表質問
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中小企業振興と地域経済の再生を
京都は、中小企業の街であり、ものづくりの伝統が京都経済と文化を支え、発展させてきました。ところが、原油高、原材料の高騰、売れ行きの不振によって京都の伝統産業や中小企業の経営は深刻な事態に直面しています。さらに、アメリカ発の未曽有の金融危機が世界と日本の経済に大きな混乱を引きおこしています。マネーゲームがつくりだした金融危機のしわ寄せを中小企業や庶民に押し付けることは許されません。投機マネーへの規制を行い、経済政策の軸足を内需主導へ、家計応援へと大きく切りかえなければなりません。今こそ京都のものづくりと中小企業への支援策の強化と充実が求められています。
府内の中小企業8万社が加入する京都中小企業団体中央会が11月17日に開催した「経済危機突破中小企業緊急大会」に招待され参加しました。大会は9月に採択した決議「マネーゲームをはじめとする本来の産業とかけ離れた『虚業』から、生産活動を基礎とし額に汗する者が報われ安定した生活が確保される『実業』の日本を取り戻そう」にもとづき、「投機マネーの規制と虚業に対する課税、消費税の税率引き上げ反対」などのアピールを採択しました。まず、この中央会の決議を市長はどう受け止めますか。市長の認識を伺います。
(細見副市長)今回の決議は、中小企業の切実な訴え。京都は、中小企業の絶え間ない努力によって支えられている「実業」の都市。匠の技、大学の持つ高度な研究成果、産学公連携で京都経済に息づく進取の気風をエネルギーとして果敢に立ち向かう。
今、金融機関による貸し渋り、貸しはがしがセットで行われていることを市長はご存知でしょうか。ある会社社長の話ですが、銀行から「担保を処分してでも全額返済してくれ。そうしたら新規の融資をするから」と言われて返済したら、とたんに担当者が交替をし「担保がないから貸せない」と融資を断られた。さらに、収益が上がらず財産を切り売りして融資の返済に充てたら運転資金がなくなり、資金繰りに困って融資の相談に行くと「いっそ大変になる前に廃業したらどうか」と「廃業のすすめ」を受ける業者もうまれています。国の「原材料価格高騰対応等緊急保証制度」が創設され、セーフティネット保証5号指定業種が185業種から618業種に大幅に拡大され、保証制度の拡充を求める中小企業のほぼすべてをカバーすることになりました。京都市も、「中小企業支援緊急対策本部」を設置し、中小企業支援センターに「緊急相談窓口」を開設しました。党議員団は不況業種の指定拡大を強く国に要望してきましたし、対策本部と相談窓口の開設は一歩前進と評価するものです。しかし、実態は大変です。今こそ効果的で機動性のある対策が急務です。
そこでお聞きします。10月31日の緊急対策実施から昨日までに相談454件、857件の認定をおこない、既に例年の1年分を超えています。緊急相談窓口で5号指定の認定とスムーズに金融機関に紹介する体制とシステムを確立するとともに、ここまできたら中小企業支援センターに融資あっせん業務を復活させたらどうですか。また、これから年末にかけて資金需要はますます高まってきます。市長が対策本部の本部長に座わり、地域経済の貢献のために金融機関に対して、貸し渋りや貸しはがし、ましてや廃業のすすめなど行わないよう強力に要望していただくよう求めます。以上、二つの点に関してお答えください。
(細見副市長)中小業者の利便性、手続きの迅速化を図るため金融機関に直接申し込む方式とした。国の緊急保証制度の創設を受け、本市会で融資拡大のための補正予算をお願いしている。今後とも、中小企業への円滑な資金供給がおこなわれるよう地元金融機関へ要望していく。
●西陣業界へ緊急の支援を
次に、京都のものづくりを支える伝統産業である西陣は、今、存亡の危機に直面しています。先日西陣で50年以上織を織っている職人さんから聞きました。「今年になってからほとんど仕事がない。仕事がないから夫婦でおにぎり作って敬老乗車証を使って市バスで市内見物に回っている。昨日2週間ぶりに仕事がきたが、ジャガードが壊れた。代替部品を持ってきてもらったら4万5千円かかった。今は2時間織っても1000円にもならない。今のテンポだと年内いっぱいかけて仕事しても修理代にもならない。70歳過ぎているのでいまさら転職もできない。定額給付金をもらってもちっとも嬉しくない。2兆円使うんやったら西陣の仕事おこしに使ってくれ」。市長、50年以上にわたってものづくりの技を磨いてきた人が、こういう状態にある。この厳しい実態をどう受け止めますか。
さらに衝撃が走ったのは、創業が大正14年、創立昭和27年、83年の歴史を持つ西陣織の織機製造や部品修理の老舗である北区の大手機料店が12月で廃業するというのです。この機料店は、ダイレクトジャガードなど機械の修理全般を担っており、西陣の会社関係の織機の約半分のシェアを占めています。廃業によって直接取引している業者にとどまらず、西陣業界全体に影響が拡大することが懸念されます。
そこで廃業の影響を最小限に抑えるために、次の緊急支援策をおこなうよう求めます。①機械修理の技術を保全し、引き続き必要な修理にあたられるようにすること、②技術者の後継者確保とあわせて必要な希少道具の確保のシステムを確立すること、③そのために繊維技術センター移転に対応して西陣地域にサテライト機能をもった同様の施設を確保すること、④緊急保証制度に加えて、当面の生活と営業支援の緊急融資の実行。以上の四点を求めますが、いかがですか。
(産業観光局長)伝統産業を支えてきた道具や織機など入手困難な状況にある。9月に業界、府、国との連携で京都伝統産業道具類協議会を設置。全国的な共同受発注の仕組みづくりをはじめ、道具類と職人のデータベース化などをおこなう。繊維技術センター移転にともう対応については、業界訪問をおこなうことにより、サテライト機能を確保する。緊急融資については、本市のあんしん借換融資制度等の中でしっかり対応する。
消費税増税に反対を
さて、麻生首相が追加経済対策を発表しましたが、目玉とする給付金を提案して以降も内閣で意見がまったくまとまらず右往左往したあげく、すべてを自治体に丸投げしています。国の責任を放棄するものであり、言語道断であります。世論調査でも「給付金を評価する」のはわずか26%、マスコミ報道も「もう断念して出直しを」と散々です。この給付金は、1999年当時の自民・公明による地域振興券の結果をみても、景気対策や経済効果には程遠いことは実証済みです。3年後の消費税増税とセットで給付金をばらまいても、暮らしの不安はなくならないし、景気回復にもつながらないことは明らかではありませんか。まさに「給付のバラマキは一瞬、増税は一生」であります。「公金を使った選挙買収」だと言われていますが当然です。こんな愚策は白紙撤回するしかありません。その一方で、財界が要望していた設備投資減税、海外子会社の利益の非課税化や一部高額所得者に恩恵が偏る証券優遇税制の3年延長も盛り込まれています。大企業・大金持ちの減税の財源を、国民の消費税増税で穴埋めしようとするものではありませんか。麻生首相による3年後の消費税の増税予告は、総選挙でも賛否が問われます。そこで市長にお聞きします。消費税増税は、所得の低い人ほど負担が重く、国内総生産の6割にあたり日本経済の中心を担う個人消費を冷え込ませ、景気回復にとって最悪の税であるとの認識を持っていますか。明確にお答えください。
(理財局長)消費税は、少子高齢化が進展する今日、その役割はますます重要。消費税のあり方については、十分な国民的論議をおこなったうえでより幅広く総合的な検討がなされるべき課題と認識している。
社会保障費2200億円削減の撤回を求めよ
次に、国の社会保障政策と後期高齢者医療制度にかかわってお聞きします。
現在の年金や医療、介護サービスの低下を引きおこした原因は、自民・公明政権が2002年から始めた社会保障費を毎年2200億円削減してきたことにあります。9月市会において全会派一致で「医療や介護制度改悪の元凶になっている社会保障費の抑制路線の中止、撤廃」を求める意見書が採択されました。社会保障費抑制の中止と撤廃を全会派一致で求めた意見書の重み、議会の総意を真摯に受け止めて市長としても発言すべきですがどうですか。お答えください。
(市長)京都市会でいち早く、全会一致による意見書が提出されたことは、誠に意義深いものと認識。地方自治体の財政負担の問題も含め、国に対して意見を述べていく。
●後期高齢者医療制度は廃止を
あわせて後期高齢者医療制度の問題です。10月15日には、新たに年金天引きが始った人が300万人増え、同時に65歳から74歳までの方の国保料の天引きが始まり、合わせると857万人が天引きされるようになりました。いわゆる「10・15ショック」です。先日、引退された与党の議員さんにお会いしましたところ、「年寄りには早よう死ね、というこんな制度を作ったのは大間違いや」とたいそう怒っておられました。京都市議会は、9月市会において制度廃止を明確に求める意見書を賛成多数で採択しております。参議院では6月に、野党共同提出の廃止法案が可決され、衆議院で継続審議となり、総選挙の結果しだいで制度の廃止は可能です。そこで、市長は9月市会で採択された意見書をどう受け止めていますか。議会の意思を尊重して、市長として国に意見をあげるおつもりはありませんか。どうですか。
(山崎副市長)本制度は持続可能な医療保険制度を実現するため創設された。高齢者医療制度そのものの見直しについて、現在国においても幅広い論議がすすめられており、注視していく。
「京都未来まちづくりプラン」について
続いて、「京都未来まちづくりプラン」についてお聞きします。
7月にプランの骨子が発表され、8月には「サマーレビュー」と称して、国基準を上回る単独事業やイベント事業の見直し、団体への補助金の削減、外郭団体派遣職員の人件費削減、遊休土地の売却、そして市民サービスの見直しなどを検討したと聞き及んでおります。ところが、その進捗状況とプランの原案は9月に出される予定が11月になってもいまだに発表されておりません。市長は先の記者会見で「プランの確定は来年にずれこむ」とまで言っております。市長には、自ら市政運営の基本と位置付けるプランがまとまらないまま予算編成をおこなうという異常事態になっているという認識がありますか。
なぜプランがまとまらないのか。国の「構造改革」路線に従い策定したこれまでの市政改革プランでも財源不足は解消できず、基本路線そのものがゆきづまっているからではありませんか。幹部職員からも「もうやってられない」という声があることを市長は認識していますか。そこで市長にお聞きします。市役所内部でもまとまらない、市民にも明らかにできないプランならば、策定そのものを潔くやめたらどうですか。明確な答弁をお願いします。
このような手続的なひどさとともに、プランは内容的にも大変ひどいものです。
市長のめざす市政のあり方は、「『市民の声を反映する市政』から『市民と共に汗する市政』へ。『足りない所を批判し・批判される関係』から『足しあう関係・高めあう関係』に。」としています。これは、市民の声や批判的意見を聞かない、行政の公的責任を薄めることの宣言ではありませんか。
2004年に出された「改革プラン」の時も「市の財源不足、財政危機」が言われましたが、京都高速道路計画をいっさい見直さず、716億円もつぎ込み、さらに、キリンビール跡地に民間プロジェクト誘致、京都駅南口には大型商業施設誘致と大型開発を推進してきましたが、いずれの計画も現在、見直しを余儀なくされているものばかりであります。そういう事業が財政危機を拡大したことへの総括や反省もないまま、市民にそのツケを回すことは行政の責任放棄ではありませんか。プランは「今後の3年間で財源不足見込み額は964億円。このままいけば財政再生団体になり、国の管理の下に置かれる。そうなれば国保料は34%の値上げ、保育料は48%の値上げになる」と市民を脅かしています。そして、「再生団体にならないよう財源確保のために、京都市独自の事業を見直し、サービスを受ける市民に負担をしてもらう」と施設利用料や国保料、保育料の値上げなど市民負担増をおしつけようとしています。今でも、払いたくても払えない国民健康保険料の滞納世帯は18年度決算で過去最高の5万2000世帯にものぼっているのに、保険料が値上げされれば保険証の取り上げがさらにすすみ、「生活の格差による死亡」という悲惨な事態がますます広がるではありませんか。また子どもの就学援助を受ける世帯が20%を超え10年前の2倍となっています。京都市の調査でも、子どもを産む人数が理想より少ない理由の6割は「経済的余裕がない」ということです。これで保育料が値上げされれば、ますます少子化がすすみ、京都の未来はどうなるのでしょうか。
さらなる市民負担増は、貧困と格差をさらに拡大することは明らかであります。これでは京都の未来をつくるどころか、京都の未来を破壊するプランでありませんか。改めて「京都未来まちづくりプラン」の撤回を求めます、いかがですか。
(市長)骨子発表後1000件を超える意見が寄せられた。高い関心がある。縦割りを排し、意見を踏まえ全庁的に議論をしており、ほぼプラン(案)がまとまりつつある。964億円の財源不足を解消するとともに、ピンチをチャンスに変え、決して縮小一辺倒ではなくマニフェスト124項目をはじめ、必要な施策、事業を実現する羅針盤だ。プラン(案)をもとに議会、市民の意見をいただき、「共汗」と「融合」の観点から磨き上げ、政策の推進と行財政改革と創造の取り組みを盛り込んだプランを策定する。
●異常な超勤の解消、必要な部署に人員の配置を
あわせて、プランに示されている「総人件費の削減」についてお聞きします。
京都市当局は先日、財政危機を理由に①職員1000人以上の削減、②職員給与の3年間一律カット、③職員厚生会の事業主負担の廃止を提案し、その後の記者会見で市長は、自らの給与カットを含む管理職の給与カットを表明しました。本市は、これまでも繰り返し職員数の削減おこない、2年間の一律職員給与カットをおこなってきました。しかし市財政危機はまったく打開できず、異常な超勤の実態を生み出す結果となりました。2007年度の時間外勤務時間ワースト10人は、全員年間1300時間以上であり最高は1630時間にもなっています。市長は、職員数の削減による財政効果を強調しますが、これらの時間外勤務に支払われた手当は2007年度で36億円にも及んでいます。
退職不補充で新規職員採用の抑制を続ければ職場は活力を低下させていきます。そこに、給与カットが加われば、職員のモチベーションは下がる一方ではありませんか。
今年9月の京都市人事委員会の報告と勧告では、本市の財政は極めて深刻な状況にある、と認めた上で「個々の職員が持てる能力を存分に発揮するためには、地方公務員法に定める職務給の原則を踏まえることはもとより、職員の職務への意欲を喚起し、もって市民サービスの向上に資するという視点に立った、本市にふさわしい給与制度の構築に取り組むことが必要である」と指摘して、職員給与は改定せず現状を維持するよう報告と勧告しているではありませんか。したがって今必要なことは、異常な超勤を常態化させている職場の実態を一刻も早く解消し必要な部署に必要な人員を配置すること、そして人事委員会勧告を遵守し職員の給与カットは回避することです。そのことを強く求めます。いかがですか。
(星川副市長)超勤の縮減は大変重要な課題と認識している。人員配置については、厳しい定員事情の中、必要な配置をおこなっている。ただ、年々増える行政需要との関係で十分超勤縮減につながっていない。抜本的な取り組みをすすめる。真に必要な施策を実施していくためには、給与カットは避けて通れない。必要な協議をすすめている。
同和行政の完全終結と同和特別扱いの一掃について
●自立促進援助金制度の廃止について
続いて、本市同和行政の完全終結と同和特別扱いの一掃について党市会議員団の提案をふくめて、市長にお聞きします。
まず、自立促進援助金制度について伺います。本市会に「奨学金返還条例」案が提出されています。長年の同和特別行政の一つである自立促進援助金制度の終焉を迎えることであり、本会議や予決算特別委員会の市長総括質疑のたびに幾度となく制度の廃止を拒絶する市長や副市長とやり取りしたことを思い起こしています。
制度を廃止して返還を求める対象についてですが、奨学金の返還期間20年に達していないすべての貸与者を対象にすべきであります。返還を求める人と返還を一律免除する人をつくることは、奨学金貸与者の中に、分断を持ち込むものであり、本来返還能力のある人に請求しないことは、新たな特別扱いをつくることになります。また、返還免除基準の見直しについては、返還者の収入に応じて市民的理解が得られる基準を設定すべきであり、この基準の適用と免除制度の運用にあたっては厳密に運用できるよう、弁護士や税理士など専門家からなる第三者機関を設置するよう求めます。
そこでお聞きしますが、返還請求を行うにあたって最も大事なことは行政責任を明らかにすることであります。1983年の自立促進援助金制度創設の際に「制度の債務免除に関する規定の運用については、厳正にすべきである」との付帯決議が全会派一致で採択され、わが党市会議員団はこの決議を遵守するよう、その後も強く求めてまいりました。ところが行政は付帯決議を全く無視して、同和奨学金貸与者全員に「入口は貸与、出口は支給」と揶揄されるような、無審査で援助金一律支給というシステムを長年にわたって漫然と継続してきたのです。これに対して、私ども議会は、繰り返し決議をあげて制度の廃止と一律支給の見直しを求めてまいりました。さらに住民監査請求や住民訴訟を経て、司法からも違法として断罪され、市長選挙での大きな争点にもなり、総点検委員会の中間報告をうけてようやく制度廃止が決定されました。市長は9月市会で「反省すべき点はある」と答弁されましたが、まるで他人事のようであります。付帯決議や市会決議、住民訴訟を長年にわたって踏みにじってきた行政の長としてまず市民と議会に謝罪すべきではありませんか。そのうえで奨学金貸与者に援助金一律支給をおしつけてきたことを真摯に反省し、奨学金貸与者と援助金受給者にきちんと謝罪し返還請求を行うべきであります。市長いかがですか。
(市長)総点検委員会より中間報告をいただいた。報告において、適切な時期に見直しができていなかったと厳しい指摘があった。本市として真摯に受け止め、市民と議会のみなさんにお詫びしなければならないと考えている。条例案は中間報告を最大限尊重した。新たな負担をお願いする方々に対しても誠意をもって対応する。
●コミュニティセンターのあり方について
次に、コミュニティセンター(コミセン)のありかたについて伺います。
まず、コミセン条例において、「人権文化が息づくまちづくりを進めるための市民の交流と地域コミュニティ活動の拠点」とする規定があります。このような施設利用に関わる規定が、一般市民をコミセンから遠ざけ、総点検委員会のまとめにある「特別な施設という印象」を生み出しました。このような規定をいっさい廃止し、文字通りの一般施設としてこそ、市民の共感と理解を得ることができるのではありませんか。第二に、貸館事業や交流事業に関しても同様の位置づけが一般参加の妨げとなり、少数のサークルだけの利用にとどまってきました。この位置づけを廃止して本来の貸館施設にした上で、利用促進のために休日開所を拡大するように求めます。第三に、住民の生活実態やニーズも変わり、コミセンでの相談件数は大きく減少しています。実態として相談事業の役割はすでに終えており、今後は区役所や福祉事務所などでおこない、高齢などにともない移動が困難な方には一般施策を充実させて対応すべきであります。相談事業の廃止にともない、コミセンに配置されている現在の職員は他の部局に配置換えをおこなうよう求めます。第四に、コミセンの見直しと新たな活用の在り方の検討は、市民参加でおこない市民意見を反映すべきであります。以上提案しますが、いかがですか。
(市長)同和問題の解決に向けて大きな役割を果たしてきた。総点検委員会において「特別な施設」との印象を払拭するためその役割をいったん終結させ、見直すべきとまとめられた。最大限尊重し、コミセンは廃止する。2月市会に条例案を提案する。職員は配置しない。体育施設については、新たに休日開所を実施する。他の施設についても平成22年度末までに市民参加による検討を行う。
●改良住宅の管理と空き家活用、建て替えについて
次に、改良住宅の管理と空き家活用、建て替えに関してお聞きします。
今議会に改良住宅敷地内の駐車場使用料金を一般公営住宅と同じ基準にする条例案が提案されていますが、党市会議員団が一貫して求めてきたものであります。
その上でお聞きします。入居状況の本格的調査をおこない、入居実態のない部屋、目的外使用の部屋を把握し、法的手続きを含めて毅然と対応するよう求めます。現在ある空き家はただちに一般公募を行いつつ、空き家の活用方法の全面的な見直しをすすめ、公募対象数を増やすこと。そのために浴室の設置など必要な修繕を施し、その仕事は地元業者に優先的に発注し、仕事おこしに充てること。空き家入居の選考は、現在改良住宅に住む者の優先特例は認めず、平等に扱うよう求めます。老朽住宅の全面建て替えは、今後の入居世帯数の推移をみながらいったん凍結し、建て替えの手法も耐震補強やバリアフリー化を対象とし、一般公営住宅の建て替えとの整合性に留意しつつおこなうべきであります。以上を提案します。お答えください。
(都市計画局長)総点検委員会において一定の方向性がでている。入居実態については、調査、指導し必要に応じて法的措置も検討。空き家については、一般公募をすすめているが、今後、中堅所得層、留学生など活用を検討する。建て替えについては、財政状況、人口動向を踏まえ、住宅の長期活用、民間活力の活用など検討する。浴室の設置など困難はあるが、必要な改善工事は検討したい。発注にあたっては適切に対応する。
憲法違反の自衛隊海外派遣と新テロ特別措置法延長について
質問の最後に、憲法違反の自衛隊海外派遣と新テロ特別措置法延長に関してお聞きします。航空自衛隊トップの田母神俊雄航空幕僚長が、「我が国が侵略国家だったというのは正に濡衣である」と述べ、戦前の中国侵略を全面否定した論文を執筆していたことが明らかになり、更迭されました。防衛省は、退職金を支給し定年退職させ、退職金は自主返納を求めると言いますが、本人は返納を拒否し、いまだ持論に固執するという確信犯であります。
元空幕長は、集団的自衛権の行使を「違憲」とする政府の憲法解釈に疑問を表明し、今年4月、自衛隊イラク派遣を「違憲」とした名古屋高裁判決に対して、「そんなの関係ねえ」との暴言を口にし、石破茂防衛相(当時)は「国を思う気持ちだ」と擁護しました。現役の自衛官幹部が憲法の尊重擁護の義務に反することは重大であり、戦後の「文民統制」の考えに真っ向から反するものです。罷免は当然のことですが、このような人物を任命し、要職に置いてきた政府、首相、防衛大臣の責任は極めて重大です。
さて、新テロ特措法によるインド洋での海上自衛隊の補給活動は、米国がはじめた報復戦争への支援であり、海外での武力行使を禁じた憲法九条に真っ向から反するものです。戦争の行き詰まりのなかで、アフガニスタンでは、反政府勢力タリバンとの政治的和解に向けた動きが進んでいます。インド洋派遣へ固執することは、国際社会の変化を全く見ないものであり、海上自衛隊をただちに撤退させるよう強く求めるものです。
そこでお聞きします。桝本前市長は常々「憲法の平和理念をしっかり守る」と言明されていました。門川市長は、憲法を公然と否定する動きに対してどのようにお考えですか。賛成ですか、反対ですか。明確な答弁をお願いします。以上で、私の第一質問を終わります。
(星川副市長)インド洋での海上自衛隊の補給活動については、わが国が国際社会の平和と安全の確保に資する事を目的におこなう活動と承知している。申すまでもなく、憲法における平和の理念は、人類共通の願いであり、平和を都市の理念とし、世界文化自由都市を標榜する本市としてテロのない平和な社会が実現する事を願う。
第2質問
未曾有の経済危機の下、京都のものづくりに対する支援策について答弁がありました。重要なことです。しかし、いま直面している経済危機は、小手先の対策や従来型の対策をいくら積み重ねても打開できません。中小企業団体中央会が、地方経済を振興・再生させるために、これまでのいきさつがあったにせよ、初めて市会の全会派によびかけて決起大会を開催し、会長自ら「投機マネーに課税を、消費税はゼロに」訴えられたとおりです。
新たなセーフティネット保証の制度融資の答弁がありました。
さらに、紹介した切実な声や中央会の決議をうけとめ、市長が先頭に立って「本部長」にもなる決意で、中小企業支援と市民生活を最優先で守るためにあらゆる手だてを講じるように強く求めるものです。
京都未来まちづくりプランに関して、撤回する意思がないと答弁されましたが、社会不安が広がる中での「財政危機」「財源不足」を口実としてさらなる貧困と格差の拡大は許されません。この時期に開催されている保育園関係者と市会議員との懇談会でも「プール制予算が大幅に削減されるのではないか」との不安の声が出されています。プランが発表されればさらに驚きと怒りの声が広がるでしょう。日本共産党京都市会議員団は、今議会での徹底した議論をおこない、くらしと営業を守るために全力をあげる決意を表明いたしまして、私の質問を終わります。