赤阪 仁 議員
08年5月16日(金)
「職員不祥事調査特別委員会」の調査終了に反対する討論 08年5月定例市会 本会議討論
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日本共産党市会議員団は、「不祥事根絶にむけた京都市職員の意識改革徹底と職場風土の刷新に関する調査特別委員会」の委員長報告では委員会を終了するとありましたが、以下の理由により、委員会の調査および質疑を継続することを求め、反対討論を行います。
まず、第一に、特別委員会における調査と質疑を通し、市職員不祥事の背景には、本市における職員の同和選考採用に始まる同和特別扱い、とりわけ同和運動団体一部幹部への特別扱いが根深く存在するということが明らかとなりました。しかし、市長の認識は「優先雇用の期間が長すぎた」とその弊害を認めつつ、「本人の慢心や古い体質」の個人の問題に矮小化し、任命権者である市長自らの責任、および部長級職員の任命責任を自ら問うこともなく、市組織の体質にメスを入れることを避けています。調査特別委員会は「組織風土の刷新」を掲げており、掘り下げた総括と今後の対応を議会として見極めることが必要であり、委員会は継続すべきです。
第二に、平成18年度に「改革大綱」を策定したものの、不祥事発生はとどまるところを知らず、職務中「中抜け」問題で懲戒免職処分された環境局部長にいたっては、自ら不祥事根絶の改革大綱策定にかかわったものであり、このことからも「改革大綱」では不祥事はなくせないことが明らかとなったからです。抜本改革大綱が策定されて以降も136人の懲戒処分者がおり、市長も「異常な事態」「想像を絶する事態」との認識を示しました。その一方で、大綱策定当時と比較して「犯罪事件は減少し、服務規律問題が多い。自らがオープンにした産みの苦しみ」としていますが、今回の一連の不祥事の発覚もマスコミの報道や、市民通報や告発にもとづくわが党議員の指摘によるもので、自浄作用がまったく働いていなかったのは明らかです。まったく変わっていません。「大綱の徹底で不祥事を根絶する」という市長の言い分は破綻しています。大綱の進捗によらず、不祥事の根絶をめざす方策を議会としても議論すべきであります。
最後に、市長は選挙公約において「1年以内に不祥事を根絶する」としましたが、そのメドはたたず、委員からは「『不祥事発生の土壌を一掃する』としたらどうか」と指摘される始末であり、市長は「その思いは同じ」と答弁しました。市長公約遵守の決意と構えが問われています。一方、「信賞必罰」の一面的強調や厳罰主義では不祥事は根絶できません。「悪いことは悪い」と、上司に対しても部下ははっきりものが言えない職場になっていることを市長も認めています。職場の中で職員が何でも自由に物が言える風土をつくり、職員総意の力が発揮できる職場に変える責任はトップにあります。今こそ、ゆるぎのない決意で不祥事根絶にむけて議会の役割と存在意義を発揮すべきであり、本委員会の継続を強く求め、反対討論とします。