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市会報告

赤阪 仁 議員

07年2月26日(月)

赤阪仁議員の代表質問と答弁の大要 07年2月定例市会 本会議代表質問

教育条件の整備について

全学年で30人学級の実現を

 伏見区選出の赤阪仁です。日本共産党京都市会議員団を代表して市長および関係局に質問します。

 まず初めに、30人学級について質問します。来年度予算案において、京都市は「4月から中学3年生から30人学級を実施する」と、発表しました。20年来の市民の切実な願いが実現・前進しました。また、すでに小学校1,2年生での35人学級の独自実施は、市民、保護者のみなさんから喜ばれていますが、「3年生になると国基準の、40人学級に戻るのでは心配です。小学校3年生以上も定数改善を」と求める声は切実です。

 本市教育長はこの間、国会で証人として意見陳述し、教育再生会議の委員としても、国の教育予算の不十分さを指摘し、子どもの教育条件整備が遅れていると発言しておられます。引き続き、京都市の小・中学校すべての学年で30人学級を実現することを求めます。そのためにも国・府に対して教職員定数の改善を最重点として求めるべきと考えますが、いかかがですか。

【桝本市長】 教職員の削減を盛り込んだ行政改革推進法が施行されたが、19年4月から本市独自予算で中学3年生での30人学級を実施する。全学年への拡大は困難であり、今後とも国、府に要望していく。

就学援助制度の拡充、遠距離通学児童・生徒への援助の増額を

 つづいて、就学援助制度について質問します。

 子どもの家庭の家計収入が、OECDが貧困層とする年収200万円前後しかない世帯が増えています。特にこの間、母子家庭が増え、生活困難は厳しさを増すばかりです。

 3人に一人がアルバイト、派遣労働などの非正規雇用労働者であり、家族の「一家団欒」が奪われています。

 子どもの家庭の貧困化が進み、京都市内の、就学援助を受ける小・中学生は5人に一人におよび、受給者数は昨年から約2万人を超え増えています。市内の児童・生徒数は減っているのに受給者数は増えているのです。

 京都市の就学援助制度の学用品、教材費の年間支給額は21,700円。中学新入生には準備金22,900円が出ますが、中学生の制服代は、ブレザーで1万数千円、ズボンや、スカートなど合わせると一時に4万円以上も必要です。「教育費負担が増え、児童手当が増額されても、持ち出しが多くて、間に合わない。」というのが保護者の声です。

 ところが、就学援助制度の国の国庫負担額が政府の三位一体改革で減らされ、さらに、本年度、生活保護基準費が減額された影響から、前の年より951名もの子どもが、就学援助をうけられなくなりました。京都市が、国に倣って就学援助の基準額を引き下げたので、打ち切られたのです。就学困難家庭を救うのが自治体の本来の仕事ではありませんか。就学援助制度の所得基準を緩和すること、就学援助額の増額をおこない、制服代の補助など市の独自施策を求めます。そのためにも、国に対して、準要保護世帯への補助金復活と増額を求めるべきと考えますがいかがですか。

 また、遠距離通学のため、路線バスの利用を余儀なくされている子どもの世帯の、交通費の負担が大変です。京都市は就学援助受給世帯には全額公費負担をしていますが、その他の児童・生徒の世帯には一定額の自己負担、それ以上は公費補助としています。公費受給人数は、生活保護世帯を除き、全市で、伏見区、左京区を中心に、05年度で小学生163人、中学生311人、合計474人にも上ります。市バス定期券を購入するのに、自己負担額は、小学生は1月2980円、中学生は4800円、年間で小学生は、33000円以上、中学生で52800円以上の保護者負担が必要です。兄弟で通学すると、年間10万円以上にもなります。

 また、夕方、帰りが遅くなる小学校高学年、中学生にとっては、バスの増便が望まれます。憲法の「教育の機会均等」「義務教育は無償の原則」からも、京都市のさらなる努力が必要と考えます。

 路線バスなどを利用する遠距離通学の保護者負担を、さらに軽減すべきです。子どもの安全と利便性を確保するため、交通局、交通事業者とも連携をはかり、増便などについても協議すべきではありませんか。いかかですか。

【教育長】 この5年間で約5千人受給者が増えた。19年度は約1億2千万の増額をおこなっており、これ以上の制度の拡充は困難。通学費の補助については、17年間保護者負担が増えないよう措置してきた。通学バスの増車については必要に応じて協議していく。     

「学校選択制」につながる全国いっせい学力テストには不参加を

 教育長は、「市場原理は義務教育になじまない」と競争教育を懸念する発言をされています。しかし、京都市で行われている「教育改革」の現実は、どうでしょうか。公立学校の中・高一貫校である西京中・高には99億円も建設費をかけ、「12の春へ難関に挑戦」と報道されるように、京都市域以外の子どもも含めて入試・選抜し、受験競争の低年齢化に拍車をかけています。一方、伏見の生徒数、一千人を超す神川中学校のマンモス校解消の方向性は見えておらず、子どもも、保護者も心配しています。小・中学校時代に不登校であった子どもの進路先となっていた洛陽工業高校夜間定時制を廃止、市内の夜間定時制の入学定員を今年度100人も削ったことは、経済困難な家庭の子どもの進路を切り捨てるものではありませんか。

 さらに、全国いっせい学力テストの実施は、全国レベルでの子どもの序列化をはかり、子どもの家庭実態を含めた個人情報を民間教育産業に提供することになると懸念されています。中学3年生は校長会テスト、学習プログラムと称した業者テストの3種類で、1年間に7回のテストを受験することになり、子どもは、点数による相対評価で全国、全市、全校で順番がつけられることになります。テストというのは本来、子どものつまずきの原因を知り、教える側の指導法の改善につなげるものです。子どもを過激な競争主義に追いやり、点数と順位で差別・選別することが市民の願う教育でしょうか。

 学力世界一のフインランドでは、日本より授業時数が少なく、義務教育段階で、子どもを「競争」させることを一切やめて、一人一人の子どもの成長を先生が見守る、どの子にも基礎学力の保障する学校教育をめざし、大きな成果をあげた、といわれています。学力テストの点数だけにおわれ、教育の目的である、「人格の完成」を見失うことは許されません。まして教育再生会議で検討されている、子どもの学力テストの平均点で学校への予算配分も変え、学校間格差をつくることは、家庭の経済的負担能力による学校間格差を助長し、固定化するものでしかありません。憲法26条の、教育の機会均等の原則からも逸脱するもので許されません。学校選択制を先行実施している東京都では、すでに新入生ゼロの中学校を生みだしています。「学校選択制」は学校と地域の格差を助長するもので反対すべきと考えますがいかがですか。そして、「学校選択制」導入に連動することになる、全国いっせい学力テストの実施には、参加しないこと。特にテストの結果の公表などは、絶対に行うべきでないと強く求めるものです。いかがですか。

【教育長】 学校選択制を導入する考えは全くない。文科省の全国学力・学習状況調査については、有用な調査であり、積極的に活用する。結果の活用、公表のあり方については、学校の序列化、過度の競争につながることがないよう、教育の充実に資する方法を検討していく。

学校運営費の増額を

 次に、今年度、教育予算に、政策重点化予算の32億円が配分されたと説明がありました。しかし一昨年京都市の学校運営費2割削減がもたらした影響は深刻です。子どもの教育環境は改善できるのでしょうか。

 学校では、「エアコンがせっかく普通教室につけられたのに、光熱水費が昨年実績より45万円も減ったので、絵に書いた餅になりそうです。」「子どもの実習材料費が半額になり、保護者からの徴収金が月5000円を超えています。」「育成学級、言葉と聞こえの教室の経費がこの3~4年で半分になりました。」との声が出されているように、保護者負担が増え、教育条件の低下を招いています。

 また、ある学校では、「業者のトイレ清掃が週1回から月1回に減らされ、困っています。O157の発生のときにはウイルス感染の被害を防ぐため、児童にトイレ清掃させてはいけない、といって指導してきたのに、『学校予算がないのでこれからは、児童にトイレ清掃をさせよ』というのはおかしいではありませんか。学校のトイレ清掃の回数が減って、臭くて、不衛生になった直接の原因は、学校運営費を削ったからです。子どもに責任を取らせるのは本末転倒です。子どもの健康と衛生の教育を後退させてはならず、その責任は京都市にあることを厳しく指摘するものです。

 来年度、学校運営費の「効率化」、「見直し事業」として、4千2百万円も減らされ、保護者負担が増え、学校裁量が広がるどころか、むしろ不自由な学校予算となるのではありませんか。福祉・教育の後退はさせないという、市長「公約」からも、来年度の教育予算の中でも、学校運営費を増額し、保護者負担を軽減すべきです。いかがですか。

【教育長】 逼迫した財政のもと、学校運営費の確保を図ってきた。少し減っているが、子ども一人当たりの教材費は10年前の約2割増額を維持している。必要な事業に重点執行できる制度を導入している。なお、学校トイレの児童生徒の清掃については、各学校で議論され、すぐれた教育活動として実施している。

学校の耐震改修工事は前倒しで早期完了を

 次に学校の耐震改修と防火設備の改善について質問します。学校は子どもの安全・安心が最優先に求められているところです。ところが昨年の決算議会でわが党が指摘しましたが、消防局から、学校での消防法違反の火災・防災対策設備・是正命令が、だされています。内容は、消防用設備等の不備229件、防火シャッター等83件、防火管理者を専任にすること、避難訓練を実施していない、などの指摘でした。教育委員会は、毎年50件ずつ、改善率14・5%、「誠実に対応し、数年で改善したい」との答弁もありましたが、災害はいつおこるかわからず、一刻の猶予も許されません。

 地震などの防災拠点である学校の耐震改修工事を2010年まで待たずに早期に完了する計画を作成すると同時に、消防用設備などの防火、防災対策についての財政措置を、最優先におこない、一刻も早く改善すべきと考えますが、いかがですか。

【教育長】 耐震診断は、100%完了した。補強工事は、22年度までの8年間で進めている。19年度末には、82%に達する。是正指導を受けている避難器具については、19年度中に完了すべく最優先で取り組む。

憲法にもとづく教育行政を

 先の12月国会で自民・公明の安倍政権は、「学力世界一」といわれるフインランドの公教育改革のお手本となった、日本国憲法に基づく旧教育基本法を改悪しました。新教育基本法は、自民党、公明党によって、慎重審議を求める国民世論を押し切って強行される結果となったことからも、これは戦後日本の教育史上に最悪の汚点をきざむものであり、国民の支持を得られるものではありません。新教育基本法は、「やらせ基本法」とよばれているようですが、今後、この悪法がつづくかぎり、タウンミーテイングなどで「やらせ質問」でつくられた悪法という恥ずべき傷が消えることがないでしょう。さらに京都でおこなわれたタウンミーテイングで、特定の人物を排除した、京都市教育委員会の責任は重大で、免罪されるものではないことを厳しく指摘するものです。

 政府は、「教育再生会議」での答申を受けて、三つの法案を今国会に提出する方針を決めました。その方向は、全国一斉学力テスト、習熟度別指導、学校選択制の拡大など、競争とふるいわけの教育をいっそう激化させ、教育現場の矛盾と混乱をひどくするものです。いじめ問題でも、教員への「評価」と「免許更新」の問題でも、上から子どもと教師を押さえつける権力的統制を強化することが、その方向であります。新教育基本法では「教育の目標」に「国を愛する態度」を書き込んで、戦前と同様に「愛国心」を押し付けようとしています。国が教育振興基本計画を立案し、国による教育内容への介入・支配を公然とすすめようとしています。

 しかし新教育基本法と憲法とは明らかに矛盾します。法案審議の中でも、政府は、内心の自由について、「子どもの愛国心を評価することは適切ではない」と答弁せざるをえませんでした。「日の丸・君が代」強制についても、政府は「批判する子どもの思想・良心の自由も保障しなければならない」と答えました。教育の自由に関しては、政府は、一九七六年の最高裁判決の「国家権力による教育内容への介入はできるだけ抑制的でなければならない」という論理を認めています。本市の教育行政においてもこれらの政府の国会答弁をふまえて、憲法に基づく教育行政、施策をすすめるべきと考えますが、いかがですか。

【教育長】 憲法、教育基本法に基づくことは当然。一層国旗・国歌の指導を充実する。教育委員会の専門性をにもとづく指導性を発揮し、市民ぐるみの教育改革に取り組む。

未来を担う青年の雇用対策について

全庁体制で、青年雇用対策を

 つづいて青年労働者の雇用問題について質問します。

 日本共産党は、今年度、京都青年雇用大調査に取りくみました。集まったアンケート一千枚の中身は、使い捨てにされる青年の叫びが記されています。少し紹介しますと、「パートやアルバイトで10年、我慢したら正社員になれると思って安い給料で我慢してたのに・・。先行き不安です。」と郵便アルバイト30歳男性。「同じ仕事をしている人には、同じだけの給料がほしい。非常勤職員の待遇を改めてほしい。」契約社員24歳・女性、など、青年は安定した雇用を求めています。不安定雇用の青年はもちろん、正規雇用の青年も、「正社員を増やしてほしい」という声が多数寄せられました。

 ワーキングプア問題は青年の深刻な問題であるとともに、すべての市民の問題です。青年雇用アンケートの回答の内、実に48・4%が200万円以下の収入です。正規雇用の青年21・3%が、200万円以下の収入実態です。これでは青年が自立し、家庭を持ち子どもを育てることはできないではありませんか。

 子どもの出生率、全国ワースト2の京都市こそ、全庁あげてのプロジェクト等による青年対策組織を立ち上げ、青年労働者の置かれている実態、特に派遣労働、請負労働、アルバイトなどの労働実態、生活実態をつかむことを求めます。そして、京都市独自の青年雇用の支援策を検討すべきと考えますが、いかがですか。

相談窓口の開設、正規雇用へ企業への働きかけを

 「17時間働いても2時間しか残業代がつかない。」と怒る青年。「派遣から正社員になって喜んでいたら、逆に、仕事の携帯電話代まで自己負担になり、給料が半分の10万円になった。」こんなルール違反が許されていいのでしょうか。青年労働者が、いのちを削る思いで働いても、自分の生活費も稼げない社会が、まともな社会と言えるでしょうか。アンケートでは、青年の働く職場の7割を超すところで法律違反がまかり通っているというのです。憲法25条の生存権保障の立場に立って、青年の人間らしい生活を保障するため、労働局、京都府との連携を強化し、具体的に青年労働者の権利保障とルール破りにたいする相談窓口などを開くことが必要と考えますが、いかがですか。また、京都市が率先して労働基準法厳守の啓発指導を行い、正規雇用の場を作るために、企業への働きかけを強めることは京都市でも、できることではありませんか。いかがですか。

「ヤングジョブスポット」機能の充実を

 京都市は中京区にヤングジョブスポットを立ち上げ、不安定就労若年者、いわゆるフリーター等の対策強化を目的として、厚生労働省の推進事業として取り組んできました。職業意識を高めるための活動拠点としての、京都市のヤングジョブスポットは、全国に先駆けて「京都方式」という青少年活動センターを利用し、雇用・能力開発機構からの委託事業として、京都ユースサービス協会が、若者のニーズに応じた多彩な事業を進めており、青年がひっきりなしに利用しています。

 ところが厚生労働省は、今年1月になって、突然4月から全国14都道府県にある就労支援施設「ヤングジョブスポット」を東京と大阪を除き廃止すると発表しました。関係者は突然の発表に驚く一方、出前型に切り替える予定の「京都センター」事業との連携は「京都方式」であるから、事業継続は十分可能と語っておられます。

 京都府は京都ジョブパーク構想を出していますが、京都市としても、現在の「ヤングジョブスポット」機能を拡充し、就業課題に対応する相談窓口を身近なすべての青少年活動センターに広げるなど、事業の継続・充実に努めるべきと考えますが、いかがですか。

【文化市民局長】 若年者の正規雇用の拡大等の取り組みは国及び京都府においてすすめられているが、本市では、「ユースアクションプラン」に基づき、これまでから青少年の職業的自立支援の取り組みをおこなっている。また、「青少年のキャリア形成支援」を位置づけ重点的に取り組む。「ヤングジョブスポットきょうと」については、若年者の就業支援の重要性に鑑み、京都若者サポートステーション事業、総合相談活動の拡充を図る中、「ヤングジョブスポット」の機能を継続していく。また、庁内関係局並びに関係行政機関で構成する「若者自立支援のためのネットワーク」については、19年度より民間団体等にも参画を呼びかけ、ネットワークを拡充する。

保育料の軽減、3人目の子どもの保育料を無料に

 さらに、子育て真最中の青年労働者の就労支援と子育て支援策の具体化が必要です。特に収入が少ない子育て世代にとって、住宅ローンの負担など、働いても働いても、生活を維持することが大変です。子どもを保育園に預けて働くには保育料が高いのも頭痛の種です。「手取り10万円くらいの収入しかないのに、保育料は、子ども二人分で6~7万円になるから、働いている意味がなくなる。」と子育て真最中のお母さんが嘆きます。

 子育て支援のために、京都市保育園連盟からの要望もありますが、保育料負担を軽減することが必要です。複数の子どもを通わせる、保護者の保育料負担を軽減し、3人目の子の保育料は無料にするなど、子育て支援策の積極的具体化を求めますが、いかがですか。

【子育て支援政策監】 保育料については、国基準を大幅に下回る設定をおこなっている。3人目の子どもの保育料については引き続き検討する。

交通事業について

市民の足を守る市バスへ、積極的な乗客増を

 次に市民の足を守る交通事業について質問します。京都市交通局は、生活支援路線として位置づけた6路線の市バス路線で実証実験をおこなっています。実験の中間報告では、住民の利便性を高める鉄道駅との接続、系統・ダイヤの改善、バスの増便、小型バスの運行が、利用客を増やし、赤字の減少につながることが証明されました。また、醍醐地域での小型循環バスの運行は、住民の足を守る取り組みとして、京都市の敬老乗車証も利用できるように利便性を高める努力も行われ、バスの乗客が増加しています。この教訓を生かすべきです。

 先日、3月10日からのバスの系統路線の改善が発表され、観光、通勤、通学バスダイヤの改善が発表されました。地下鉄竹田駅西口とJR長岡京駅東口を結ぶ南2番の増便、20系統の小型バスの一部導入は、東西交通が不便な伏見の町の、狭い道路での安全・安心なバスの運行を求める住民の声に応えるものです。

 伏見区桂川南西部周辺地域の住民にとっては、市バスは唯一の公共交通機関であり、市民の足を守る、なくてはならないものです。京都市内であるにも関わらず「市内均一区間外」にされ、今回の増便された路線の出発点の、京都駅、四条大宮駅までに「区間外運賃」220円以上が必要です。さらに均一区間内の市バスに乗り継ぐには、220円、合計440円以上が必要です。つまり同じ京都市民でありながら、目的地に行くのに、バス乗り継ぎと倍の交通費の負担が必要です。しかも1日1時間に1本しかないという、周辺部の市バスダイヤの状況は、同じ市民税を払っているのにどうして平等にならないのか、と怒りが沸いています。「運賃が安くて、便利、安全なバスがあれば乗りたいが、今の現状では高校生の通学や、通勤の行き帰りにも不便で、家族が送り迎えせざるを得ない。」と住民はいっています。

 小型の市バス運行などによる、地域住民の生活に密着したコミュニテイ系統路線とダイヤ増便で市民の足を守る利便性を高めることを求めます。当面、無料乗り継ぎ券の発行を拡充し、市バスと市バス、市バスと地下鉄、民間バスの乗り継ぎをいっそう便利にすること。京都市内は「市内均一区間外」運賃を廃止し、「均一料金」制に改善すること。1日乗車券も含めて、嵯峨、高尾、嵐山など観光地にくる、観光客の利便性も高めて乗客増をはかるべきと考えますが。いかがですか?

 来年、地下鉄天神川駅(仮称)が開通の予定です。地下鉄東西線開通のときに、山科、醍醐では市バス路線が廃止され、地下鉄駅への市民の足がなくなりました。また、市内中心部へのバス直行便が断ち切られたので、市民の交通費負担も倍以上に膨らみ「地下鉄通って不便になった」という地域も出ました。住民の声を良く聞いて、新設の仮称・天神川駅周辺の右京区の南北のバス路線とダイヤの改善を行い、地下鉄駅との接続効果を高めることを求めておきます。

【公営企業管理者】 経営健全化と利便性向上に取り組んでいる。市バスの路線・ダイヤについては毎年見直し、充実をおこなってきた。また、均一運賃区間の拡大を直ちに実施することは困難であるが、「京カード」「観光一日乗車券」、市バス地下鉄乗り継ぎ割引の実施などサービス向上に努めている。「全てはお客様のために」を合い言葉に職員一丸となってしっかりと取り組む。

 最後に、地元淀駅の高架化工事が進んでいます。現在の駅の場所から大阪方面行きだけ仮駅の場所を変更しただけでも、買い物客が3分の1に減少し、売り上げが減ったと地元商店は死活問題と悲鳴をあげています。新駅が4年後にできて、駅が移動すると、人の流れが変わり、商店街の独自努力だけではすまされない問題です。駅と商店街を結ぶ通路を確保し商店街の活性化対策を講じるよう、地元からも要望書が京都市に提出されています。淀、納所地域は「京都市の南の玄関口であり」、歴史的にも要衝の地です。しかし、図書館、老人福祉施設、障害者授産施設、スポーツ公園など文化教養施設のインフラ整備が遅れている地域です。JRA京都競馬場から半径3キロメートルの周辺整備事業のための京都市への寄付金、毎年約8億円を活用され、京阪淀駅の高架下用地を公共施設として利用し、駅前周辺整備で住民の利便性を高める、住民合意のまちづくりを京都市が支援することを強く要望し私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。