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市会報告

玉本なるみ 議員

07年2月26日(月)

玉本なるみ議員の代表質問と答弁の大要 07年2月定例市会 本会議代表質問

子どもの医療費助成制度の拡充を

 北区選出の玉本なるみでございます。私は2期8年間、市民の皆さんの声を市政に届け、命が大切にされる政治の実現をめざし取り組んで参りました。今、度重なる福祉や医療の切り捨てが進む中で、自治体の果たす役割が大いに問われています。市長ならびに理事者におかれましては、市民の命と暮らしを守る責任ある立場で、ご答弁いただきますようお願いします。

 まず、初めに、子どもの医療費助成制度の拡充についてです。今年9月から、入院の対象年齢を小学校卒業まで拡充し、通院は就学前までの自己負担の限度額8,000円を3,000円に引き下げ、3000円を超えた分が償還されるということになります。京都市が実施したニーズ調査でも、子育てに関して市・府・国に期待することのトップが乳幼児医療費の軽減という結果や、毎年、府議会でも市議会でも助成拡充の請願が出されて来たことからも、切実な要求であることを証明するものです。

 しかし、2003年以降、京都府議会では、助成制度拡充を切実に願う7つの請願と一つの決議を自民党・公明党・民主党などオール与党の皆さんは、不採択にするなど冷たい対応をしてきました。日本共産党は請願の紹介議員となり、議会でも代表質問や委員会で何度も拡充を求めて参りました。今回の助成制度の拡充は、長年の粘り強い運動の成果であり、一歩前進として評価しております。  

 ある小児科の診療所にお聞きしましたが、「月8,000円の上限の場合は、ほとんど対象者はなく、全体の0.1%を切る状況だった。3,000円になれば、約9.2%に対象が広がる」とのことでした。つまり、今回の拡充で恩恵を得られるのは10人に1人ということです。3000円の自己負担は、兄弟がいれば、6,000円、9,000円となります。若い世帯にとって大変な負担です。京都府内ではすでに、1医療機関200円で小学校や中学校卒業まで独自に助成制度を拡充している自治体があります。住むところによって命に関わる医療費が違うという矛盾は解決されていません。

 第一に一刻も早く通院も含めて小学校卒業まで制度を拡充し、負担額も無料にすべきです。財源としても、京都市の負担割合は55%から50%に軽減されたわけですから、子育て支援のやる気さえあれば、できるはずです。そして、第二に、当面の課題として、制度を拡充しても、償還払いだと、手続きに行きそびれると無駄になります。忙しい子育て真最中の家庭の負担を軽減するためにも、償還払いでなく、上限額を超える窓口負担はないようにすべきです。京都市はすでに障害者自立支援法における自立支援医療で、自己負担上限額管理表を作成し、上限額を超えた負担はないように 工夫をされています。いかがですか。

(保健福祉局長) 今回の拡充は政令指定都市の中でもトップクラス。通院分の年齢拡大・無料化は多額の財政負担を伴い、本市単独での実施は困難。償還払いから現物給付への変更は、自己負担額の上限管理が必要となり、実施は難しい。

生活保護制度の改善を

 次に生活保護について質問します。

 この間、NHKテレビが、生活保護世帯の厳しい生活状況を何度か報道しています。老齢加算が廃止され、ある高齢者の方は、「好きな果物は週1回にして、お風呂も毎日入りたいけど、1日おきにしている。辛かったのが親戚の結婚式に行けなかったこと」ということです。人間としての尊厳を保障しているといえるでしょうか。母子加算も縮小・廃止されようとしていますが、現在でも、子ども達と遊園地に遊びに行くなどのわずかな楽しみさえも節約せざるを得ない状況があります。まともな政治がすることでしょうか。老齢加算、母子加算の廃止は、「生存権を保障する上で問題」と勇気をもって裁判に取組んでおられる方が京都市内にもおられます。国に廃止の撤回を求めるべきです。また、京都市が独自に行っていた夏期歳末見舞金を2004年度から廃止しましたが、復活すべきです。いかがですか。

(保健福祉局長) 老齢加算・母子加算の廃止の撤回を求める考えはない。夏期歳末見舞金は「生活保護基準を補う」との目的を終えたために廃止したもので、復活する考えはない。

 9月議会で、わが党の佐藤議員の質問に対し、上原副市長は、伏見区で起こった承諾殺人事件における生活保護申請に関わって、「今後、このような事件が二度と起こらないよう、反省すべきは反省し、きめ細かい対応に努めていきたい」と答弁されました。具体的な改善は計画されたでしょうか。新潟市など、すでに窓口に申請用紙を設置している自治体も出てきています。申請する権利の具体化として、京都市がすでに作成しているこの「生活保護のしおり」等のパンフレットや申請用紙を住民の目に触れ、手に届くところに出しておく必要があります。すぐにでもできることです。二度と悲惨な事件が起こらないよう具体的な対応を求めます。いかがですか。

(上原副市長) 面接相談員が「生活保護のしおり」に基づき十分説明しており、「しおり」は希望する方すべてに渡している。

身体障害者リハビリテーションセンターの役割発揮を

 次に医療制度の問題について質問します。

 リハビリ医療の給付日数制限は日本の医療そのものを後退させています。そもそも、リハビリに終わりはなく、現状維持をするだけでも、相当なリハビリを実施しなければなりません。ある方は、給付日数制限の180日を超えてからも「少しでもリハビリを実施してくれる病院を」と捜し、3ヶ月毎の転院を覚悟し頑張っておられます。そして、めざましい回復をされています。しかし、病院探しの苦労は並大抵ではありませんし、患者さんにとって療養環境が転々と変わることが良いはずがありません。病院側も長期入院患者を抱えると経営が成り立たない状況からやむを得ずの対応だと思いますが、こういった医療費抑制政策は日本の医療そのものを後退させ、国民の生きる権利まで奪うものです。

 そこで、私はこういう時こそ、自治体の果たす役割は重要になると思いますが、京都府はリハビリ治療の先駆的役割を果たしてきた府立洛東病院を廃止しました。それだけに、京都市においては、身体障害者リハビリテーションセンターの役割として、診療報酬上、リハビリの給付日数制限で当初のリハビリが終了した人に対しても、維持・増進のためのリハビリができるよう、体制を充実させ、機能を拡充強化するよう求めます。いかがですか。

(保健福祉局長) リハビリ継続で症状の改善が見込まれる疾患は上限設定の対象から除外されている。センターで個々の患者の症状に応じた効果あるリハビリ実施に努める。

 次に、療養病床について質問します。病状が落ちつけば、在宅療養も視野に入れ、医療型と介護型の療養病床の対象となるわけですが、国は介護型病床をなくし、医療型病床も6割に減らすとしています。京都市内では介護型3000床あまりがなくなり、医療型2000床が1200床になるわけです。すでに医療型病床が一般病床へ移行しているところもあります。行政区では上京区で103床がゼロになり、西京区や伏見区ではそれぞれ100床近くベッド数が減少しています。このままでは行き場所がなくなり、医療・介護難民が続出します。社会的入院の解消と言われますが、在宅での受け皿も不十分なまま在宅に帰れるわけがありません。介護難民を出さないと言えますか。国に改善を求めると共に京都市としても独自の対策が必要です。いかがですか。

(保健福祉局長) 医療・介護の必要な方に適切なサービスを提供し、療養病床の転換に当たり必要な措置を講じるよう国に要望している。

国保料の引き下げを

 次に国民健康保険について質問します。国民健康保険では、重すぎる保険料負担に住民が苦しめられ、保険料を払えずに国保証をとりあげられた患者が重症化・死亡する事件があいついでいます。長野県松本市では、児童扶養手当を受給している母子世帯、乳幼児がいる世帯、法定減免4割、6割の軽減世帯には、保険料滞納があっても資格証明書及び短期証は発行しないよう要綱で定められました。大変重要な対応です。資格証明書はもとより短期証であっても、慢性疾患がある方や子どもがいる家庭の精神的な不安感は大変なものです。

 1月30日に開催された京都市国民健康保険の運営協議会では、市への保険のあり方の答申に「国の責任は重大で国庫補助の増額を強く政府に求めること、市自身も、保険料負担を軽減するために一般会計の繰入れに最大限努力すべき」との付帯意見を付けられました。高すぎる国保料の元凶である、国保への国庫負担削減をやめ、計画的に増額するように国に強く求めると共に京都府に対しては補助金の大幅な引き上げを求めるべきです。さらに京都市として一般会計からの繰り入れの増額を行い、支払い能力にあった国保料に引き下げる独自の努力が必要です。

 今回の予算の提案では最大限努力したとは言えません。2005年の保険料の計算方法の変更により大幅値上げとなった方々の急激な値上げを緩和するため、2年に限って所得割の3割を減額する措置が廃止されます。しかし、生活の実態は厳しくなっている状況にある中で少なくとも軽減措置は継続すべきです。いかがですか。

(保健福祉局長) 95億円の累積赤字を抱えており、国保料引き下げを実施できる状況にない。保険料減額の経過措置は、激変緩和として時限的に実施したもの。19年度以降の継続は困難である。

介護保険への独自助成を

 次に介護保険について質問します。まず、昨年4月からの制度の改定で、要支援や介護度1の方々が予防給付となり、ベッドや車いすを取り上げられている問題についてです。「真に必要な方に取り上げるようなことはしない」と答弁をされてきましたが、実態はそうなっていないところに問題があります。例えば、リューマチやパーキンソン病の方々の中には、介護認定では介護度1でも、朝などは身体全体が硬直し動きにくく起きあがりにくいという場合があります。肺疾患、心臓疾患で、日常的には、介護度1の状況で動けても、寝るときには呼吸困難があり、ベッドの背もたれをあげないと眠れないという方もたくさんおられます。しかし、実際はこういった方々はベッドレンタルの対象にならない場合がほとんどとのことです。この問題については、国も利用制限を一部緩和する方針を報告していますが、まだまだ不十分です。現状はベッドレンタルの対象からはずれた方のほとんどは布団に戻るということは少なく、格安のベッドを購入したり、実費でレンタルされておられます。滋賀県では、制度改正による影響調査を行い、特殊寝台等の福祉用具を必要とするケースが多く存在することが調査結果から判明し、自費レンタル料の半額補助を今年2月から開始されています。国の利用制限緩和策の周知徹底と、保険者として、京都市独自のベッド等レンタルの援助策をもつべきです。いかがですか。

(保健福祉局長) 真に必要な方については引続き利用して頂いている。福祉用具の利用対象者の検討を国に要望してきた結果、19年4月から、一定の条件に該当する軽度の方について貸与の対象とするよう見直しが行われる予定。

 次に昨年4月から設置された地域包括支援センターについて質問します。介護予防活動の要ともなっているセンターの役割は重要です。すでに、10ヶ月がたってどうなっているかが問題です。北区では5つのセンターがあり、約8ヶ月間でのべ15000件の相談件数、実人数で3000人の対応をされてきました。介護予防マネジメント、総合相談支援、地域連携支援など3人で対応するわけですから、業務量は限界を超えています。そんな中で、包括支援センターは1年更新の契約ですが、もうやめたいというセンターが出てきているというお話も聞きます。また、3人の専門スタッフの内、退職者が出て、その後の後任がなかなか決まらないなど、さっそく深刻な状況となっています。この状況を打開するには委託費を増やす必要があります。委託費は自治体の裁量で決められることになっています。委託費の増額は今後の包括支援センターの存続問題でもあり、介護予防対策が進むかどうかの喫緊の課題と考えますが、いかがですか。

(保健福祉局長) 19年度予算に高齢者数及び地域ニーズを勘案した体制の充実・強化等への支援を盛り込んでいる。

障害者福祉施策の拡充、「応益負担」撤回を

 次に障害者自立支援法に関連して質問します。2006年4月から施行された障害者自立支援法により、福祉サービスや自立支援医療に原則1割の応益負担が導入されました。障害者が人間としてあたりまえの生活をするために必要な支援を、「益」とみなして負担を課すという応益負担は、憲法や福祉の理念に反します。障害が重い人ほど負担が重くなり、負担に耐えられない障害者はサービスを受けられなくなるなど、障害者と家族を苦しめています。施設利用の手控えや退所者が出るなど全国的にも大問題となっています。今回、国は利用者に対して1割という応益負担は変えないまま、負担上限額を現行の2分の1から4分の1にするという提案をしています。昨年4月実施以降、全国規模で、応益負担による負担の問題、障害者の働く意欲まで減退させるひどい状況が日に日に明らかになり、応益負担の反対を求める運動が広がり、国を動かしたと言えます。始まって一年も経たないうちに、このような大幅な見直しは、法そのものが、現場にそぐわない欠陥法であったことを証明するものです。法を推進してきた自民党・公明党の責任は重大です。

 今回の市としての独自策は、障害児の通所・入所施設において、市民税非課税世帯に対しては利用者負担をゼロにしたこと、課税世帯においても国基準よりさらに軽減をしていること、障害者の通所・在宅サービスにおいては、市民税非課税のうち、収入は年間80万円を超えるランクでも、障害基礎年金及び特別障害者手当のみの方は国基準よりさらに半分の負担としています。このことについてはもちろん評価できますが、国が経過措置とはいえ、京都市の独自対策を超える自己負担額の減額対策を行った事により、独自の対策予算はこれまで通り確保して、さらなる軽減策をもつことができます。和歌山県の御坊福祉圏域の1市5町では国の提案の自己負担4分の1を独自施策で負担をゼロにする計画をされています。いかがですか。

(上原副市長) 重度障害者への配慮や自立支援医療、補装具及び総合上限について独自に軽減対象世帯を拡大するなど、さらなる軽減策を実施する。障害児施設の利用者負担を更に2分の1とし、市民税非課税世帯は措置費制度の頃と同様に無料化する。

 施設の運営状況も大変な状況に追い込まれています。今回、国も深刻な事態に応え、従前報酬の80%保障を90%に引き上げましたが、それでも1割の欠損が生じます。自己資金を食いつぶし、職員の賃金、ボーナスカット、職員のパート化など経営的には無理やり、やりくりをしているのが現状です。全国の障害者共同作業所連絡会で実施した職員に対する労働状況のアンケート調査では、現場で深刻な事態が起っていることがわかります。一部ご紹介します。「非常勤者が増え、正規職員の労働強化に繋がっている。とにかく、辞めたい。でも今の職場の状況や利用者のことを考えると辞められない。いつか事故を起こさないか不安。給料が減らされ、家計は火の車、正直言ってしんどい。時間外労働は月5時間しか認めてもらえない。心に余裕がなくなり、利用者に伝わらないか心配」等など悲痛な叫びとも言える声が寄せられています。京都府の調査でも事業所平均で年間1,400万円の欠損がでると報告されています。京都市は今回、新体系への移行支援策を提案していますが、ある施設長さんは、「新体系へ移行しても、運営保障の見通しも立たず、平成21年度以降の事業計画はまったく立てられない状況にある」と言われており、移行が進まないのは当然です。自立支援の名ばかりが空回りしている状況といえます。第1期京都市障害者福祉計画(案)も検討されていますが、数値目標だけでなく、質の問題も極めて深刻な状況にあります。条件が整えば退院可能な精神障害者への退院促進支援等により281人の退院をあげていますが、肝心の条件が整わない状況にあります。経過措置などでごまかすのではなく、自立支援法の抜本的見直しが必要です。応益負担をなくすこと、施設の運営を保障する仕組みとして日払い方式の見直しなど再構築が求められます。国に対して改善を求めるべきです。また、京都市の独自の施策から国が今回大幅な改善策を出してきたことからも、京都市独自の事業所に対しての支援策を先行して実施すべきです。いかがですか。

(桝本市長) 他都市とも連携し報酬体系の見直しを国に要望してきた。国の特別対策は要望が実ったもの。「新京都方式」として、共同作業所やグループホーム等に独自に補助を行う支援策を実施する。

養護学校におけるクックチル給食について

 次に養護学校におけるクックチル給食について質問します。

 2004年4月から、自校方式からクックチル方式として、外部委託にして3年になります。教育委員会が自信満々で始めたこのクックチル方式は、外部で業者が調理し、急速冷蔵を行い、食べる前に高圧蒸気で再加熱するというものです。当初「前日調理」と明言されていましたが、実際には前々日に調理されたものが前日に搬入されることになっています。その結果、食感や風味がさらに落ちたものが子どもに提供されることになっています。当日調理の一般小学校の給食とあまりに大きな格差です。さらに、再加熱後に、衛生上、手を加えないとしていたのに、一定の手を加える必要性が発生したり、汁物は独自にダシを取るなど、大きな変更を余儀なくされています。しかも当初委託した業者は2年で早くも契約を更新せず、委託業者が変更される等、教育委員会の見込み違いが続発しています。

 そして、実施前、相当な不安の声があったにもかかわらず、学校として食べ残し調査もしていないという対応の不十分さも問題です。昨年、京都市教職員組合障害児教育部が教職員を対象に行ったアンケートの結果は読まれたでしょうか。担当する児童生徒数170人に対する状況をまとめられたものですが、「よく食べ残す」、「ほとんど食べ残す」、「まったく食べない」は22%、「時々食べ残す」子どもは40%ありました。個別の意見では内容に対して、「魚料理は、固くなっていたり、パサパサになっていることが多い」とか、「お浸しは加熱でグニャグニャになっており色も変質し、食感もなくなっていることが多い」など、見直しが必要な状況は明らかです。ほとんどの教職員が自校方式に戻すべきと答えていることからも、子ども達の代弁者と受け止め、自校方式に戻すべきです。食べ残し調査や毎日食べている教職員の意見も集約するよう求めます。そうすれば、必ず、今のままでは問題であることがわかるはずです。いかがですか。

(教育長) 従来の給食から充実し、副食数も増え、新たな献立も可能となった。障害の状態に応じたきめ細かな給食が実施できている。保護者対象の試食会でも好評で、残菜も増えていない。

鴨川上流域の環境保全をはかれ

 最後に鴨川の環境保全について質問します。昨年1月に産業廃棄物中間処理施設の上村組は大気調査において、基準値を超えるダイオキシン濃度が検出され、焼却業の停止命令を受けていましたが、とうとう改善猶予期間の1年を過ぎ、1月9日に焼却業廃業届けを市に提出しました。これは長年にわたる住民の皆さんの「違法な焼却はやめよ」と運動されてきた成果であります。

 この業者は、破砕業の拡張を進めており、市街化調整区域でありながら、違法建築物の建設を行っています。しかも、骨組みの建設途中に、京都市開発指導課、監察課から「屋根を取り付けたら違法建築物になる」と指導を受けていたにもかかわらず、昨年末に(赤い矢印で示しています)屋根を設置してしまうという行為を行いました。極めて悪質です。既存の建築物も含めて違法建築物は即刻、撤去させるべきです。いかがですか。厳格な対応を求めます。

 そして、2002年7月より、「鴨川の清流保全と上流域の環境保全条例」を求める提案を何度も行ってきましたが、京都府が今年6月に提案の予定となっています。当初は2月に提案予定でしたが、開発行為を届出制から、許可制に変更することになり、京都市との協議に時間が要するということで、提案が延びたと聞いています。今回の府の条例に京都市が積極的に協力する体制で臨まないと、鴨川上流域での環境と景観は、産業廃棄物中間施設・資材置き場などで、破壊の一途をたどります。条例案の目的は「府民の貴重な財産である鴨川及び高野川の河川環境を、京都市とも連携し、安心・安全で良好かつ快適なものとして整備、保全し、時代に引き継ぐことを目的として制定する」とあります。そして、良好な河川環境の保全のために、鴨川上流域を鴨川環境保全区域に指定し、河川に影響を及ぼす行為を規制するとあります。しかし、ここで、京都府が規制をしても、京都市が建築確認を出すなどという行為を行うと大問題となります。 京都市としても、府の条例の趣旨を運用し、鴨川上流域の良好な河川環境を保全することが重要です。いかがですか。
 以上で、第一質問を終わります。ありがとうございました。

(毛利副市長) 新たに違反が確認された建築物について早急に是正するよう指導している。当該地区では一定規模を超える現状変更行為を規制している。府の条例の動向も注視し、賀茂川上流域の環境と景観の総合的な保全にさらに努めていく。

第二質問

 ご答弁をいただきましたが、国が、この間、「負担の公平化」を理由に福祉切り捨てを行ってきた姿勢と全く同じではありませんか。地方自治体の役割は、市民の暮らしの実態にしっかりと目を向け、国に対して制度の改善を求めることであり、独自の対策をまず取ることです。求めました夏期歳末見舞金の復活に対してもきわめて冷たいご答弁でした。しかも来年度からは教育扶助資金まで廃止しようとしています。景気回復といっても、それは一部大企業のみの話で、市民の暮らしが改善されていないことは誰もが実感するところです。日本共産党はこういう時だからこそ、「福祉の心」をさらに熱くもち、取り組んでいくことを表明し、第二質問とします。ありがとうございました。