ひぐち英明 議員
06年12月15日(金)
2006年度一般会計補正予算に対する反対討論 06年11月定例市会 閉会本会議討論
議第165号平成18年度京都市一般会計補正予算について、日本共産党市会議員団は反対の立場を表明していますので、私は、議員団を代表して討論を行います。
補正予算に計上されている林業対策や農林災害復旧費、土木災害復旧事業などは必要なものが含まれておりますが、大型商業施設支援や不要不急の大型事業が含まれているという大きな問題があることを指摘しなければなりません。
まず、第一に、京都駅南口立体横断施設の調査費が計上されている問題についてであります。これは、旧松下興産所有地の大型商業施設の計画を前提にした内容となっています。
この地域は、今でも交通渋滞が頻繁に起こっています。商業施設ができることによりさらに10%も交通量が増加すると予測されていますが、この点について委員会審議でも「今も渋滞が生じ、今後も渋滞が続く」と答弁されています。また、住宅のわずか3.5m先に高さ31mの建物がそびえたつことなど、周辺住民の住環境の悪化を引き起こすものであり、大型商業施設の建設には、地元からも批判の声があがっています。
立体横断施設の総工費は数億円規模になると言われていますが、今、行政に求められているのは、大型店の応援をすることではありません。市内は大型店の氾濫で、すでに飽和状態であり、地域の身近な商店は次々と閉店に追い込まれています。高齢化がすすむ中、安心して地域で暮らしていくためにも、高齢者でも歩いていける範囲に商店が確保されるよう、さまざまな支援をすることこそ、必要な施策ではないでしょうか。
もともとこの土地は、旧松下興産から民間都市開発推進機構が買い上げたところから始まる、国の大企業応援の舞台となってきた場所です。その場所への新たな大型店進出計画を後押しするために、さらに税金を投入することは、市民に納得を得られるものではありません。
第二に、焼却灰溶融炉に施設整備費として、国の追加認証をうけるなど1億8,100万円の補正が組まれている問題についてです。発生抑制や分別、リサイクル、リユースに取り組むこと、また、増え続ける事業系ごみの対策を強めることなど、ごみ減量化の努力こそ、急がれるものであり、焼却灰溶融炉は、不要不急の施設です。建設費の総額は230億円、しかも、できてしまった後のランニングコストは分かっているだけでも毎年18億円で、市財政をさらに圧迫するものです。また、東北部クリーンセンターや他都市においても、溶融炉は故障や事故を多発させている事実から見ても、容認できるものではありません。
ごみ減量の取り組みを十分に行なわないまま、不要不急のごみ処理施設に巨額の税金を注ぎ込む一方で、家庭ごみを有料化し、年間20億円もの負担を市民に押し付けるのでは、とうてい市民の納得は得られものではありません。
以上、反対の理由を述べて討論といたします。