ひぐち英明 議員
06年10月 6日(金)
「家庭ごみ有料化中止を求める」請願の採択を求める討論 06年9月定例市会 閉会本会議討論
日本共産党市会議員団は、請願1530号ないし1550号及び1551号の家庭ゴミ有料化の中止、10月実施の見直しを求める請願は採択すべきと考えておりますので、私は議員団を代表して、請願の不採択に反対する討論を行ないます。
不採択に反対する第1の理由は、家庭ごみを有料化しただけではごみは減らないということであります。
議会での審議の中で「有料化でごみが減る」と言う根拠を示すよう当局に何度求めても、結局、根拠も事例も示されることはありませんでした。ごみの減量のためには、他都市と比べて極めて遅れている、分別・リサイクルの取り組みをすすめることが必要です。横浜市や名古屋市は分別をすすめてリサイクル率を向上させ、焼却するごみの量を減らしてきており、有料化をしなくてもごみの量を減らしているこうした自治体の努力にこそ真しに学ぶべきです。
不採択に反対する第二の理由は、市民の暮らしが厳しい中、年間20億円もの負担を新たに押し付けるものだからであります。
税制改悪の結果、住民税と国民健康保険料がはね上がり、区役所の窓口に今年は4万人もの市民が相談に訪れました。その後も介護保険料の値上げ、お年寄りの医療費も値上げになるなど、年金支給額が引き下げられているもとで、市民には負担ばかりが増やされてきています。その上、さらに、税金の二重取りとも言うべきごみの有料化が押し付けられたのでは、市民は納得できるはずがありません。
第三の理由は、全く不十分な説明会しか行なわれないなど、市長が述べた「2,000回をこえる話し合いの場をもち、理解と納得を得る」という約束が守られていないからであります。
当局が2,300回ほど開いたとする説明会も、チラシを渡して説明会の依頼をしただけの、たった1人に対するものが1,800回、8割近くにものぼり、結局、2人以上に対する説明会はわずか500回程度であります。市民の理解と納得を得られる「話し合いの場」が確保されたとは、到底言えるものではありません。
さらに、与党がゴミ有料化賛成に当たっての付帯決議で「職員の服務規律の徹底」を求めていましたが、4月以降に逮捕された職員10人のうち、7人が環境局であり、しかも、覚せい剤による逮捕者がまち美化事務所だけでも3人に及んでいます。調査特別委員会では、環境局のセクハラ職員が大問題になるなど新たな不祥事も判明してきており、付帯決議が実行されていないことは明らかであります。
有料化の10月実施前に無料で配布するとしていた「お試し袋」の配布も、民間に委託した結果、混乱を極めました。ある方は、9月末になっても袋が届かないため、配布実施本部に連絡したら「青い袋で出したらいい」と言われ、そのとおりに出したら、「×(バッテン)」のマークをつけられて収集されず、そのことを市の担当窓口に抗議すると、今度は「お試し袋」が次々と3つも届けられたとのことです。市のあまりにもいい加減な対応に、この方は、怒り心頭で私のところに連絡をされてきました。
請願にもあるとおり、市民のみなさんは分別を徹底してごみの減量化を促進することを真剣に願っていますが、京都市がその願いに背を向けている実態が、ますます明らかになっています。
市民の理解と納得も得られていない中でのゴミ有料化の強行は、断じて認めることはできないことを申し上げ、私の討論といたします。どうもありがとうございました。