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市会報告

倉林明子 議員

05年12月16日(金)

意見書案「事業仕分け」による行財政の効率化をもとめる に対する反対討論 05年11月定例市会 閉会本会議討論

 提案されています意見書に対し、日本共産党は反対いたしますのでその理由を述べます。

 意見書案では、「民間専門家による視点を導入して徹底して論議を行う」としていますが、これは民間の視点を是とする考え方を前提とするものです。しかし、民間まかせでいいのかという疑問がかつてなく国民の中に広がっているのが、今回の耐震偽装問題です。公的責任を明らかにすることこそ求められているのではないでしょうか。

市民にとって必要な事業は守れない

 徹底的にムダを省くためとして、現在京都市が行っているような行政評価制度をさらに進めて、民間の専門家いわゆる外部の目によって「事業仕分け」を実施すべきだとしています。これで本当に住民にとって必要な事業が守れるのかどうかが肝心なところです。すでに「構想日本」というシンクタンクが横浜市でも一部事業仕分けを行い、事業の廃止・見直しがされていますが、その作業はきわめて乱暴です。当該の横浜市政の実態を知らない民間人が一事業の説明5分、議論20分の後、多数決で決めているというのです。結局、事業廃止にお墨付きをあたえるだけのもので全く市民の意見が反映されるものではありません。

 現状の深刻な借金財政を健全化することが喫緊の課題であることは当然のことです。課題を解決していくためにも明らかにすべきことは、国債発行残高をここまで拡大してきた原因と責任が、どこにあるのかという問題です。この間、何本もの本四架橋や関空二期工事などムダな大型公共事業を含む年間40~50兆円もの公共事業を継続し、借金を積み上げてきたことが最大の要因であり、自民党を中心とした政府与党の責任ではありませんか。現在でも国際空港や高速道路整備など大型公共事業が依然として聖域としたままでは借金財政は悪化するばかりなのは明らかです。共同提案される民主・みやこみらいのみなさんは「公共事業予算の見直し・削減」を先の総選挙で民主党のマニフェストに掲げられていたはずです。なぜ共同提案者なのか、なぜこの点に一言の言及もないのか。市民の理解が得られるものではないと指摘しておきます。

 さらに安易に増税論議を先行させるのは早計だとの指摘がありますが、来年度の税制改正の内容はまさに安易な庶民増税の強行に他なりません。定率減税の半減に続き全廃の方向も確認され、各種控除の廃止・見直し等かつてない規模の増税です。加えて消費税増税が規定の路線かのような議論まで進めているのですからとんでもありません。

 日本共産党議員団はこの意見書には反対することを改めて表明して討論といたします。