ひぐち英明 議員
05年10月13日(木)
悪質リフォーム業者対策についての意見書討論 05年9月定例市会 閉会本会議討論
私は、日本共産党市会議員団を代表して悪質なリフォーム業者への対策強化を求める意見書に対する討論を行います。
高齢者世帯が年々増える中、悪質な訪問リフォーム業者などによる被害が急増しています。埼玉県で認知症の高齢の姉妹が5,000万円もの被害を受けたのはその典型例です。国民生活センターが把握している訪問リフォームの苦情相談件数は1990年代後半は5,000件台だったものが、2002年度や2003年度には9,000件をこし、件数は倍増しているということであります。被害の防止と被害者救済が求められています。
国土交通省は9月30日、許可を受けていない建設業者に対しても、建設業法を適用できる範囲を明らかにするガイドラインをつくり、現行法での指導・監督が行なえる方向での改善をすすめています。今、被害の防止に必要なことは、これらの改善を踏まえながら、法律にのっとり、悪質なリフォーム業者などから住民を守るための対策を、具体的にとることです。
自民・公明・民主の意見書案にあるように、1件500万円以下の工事に建設業の許可を求めたり、どんなリフォーム工事でも建築士でなければ設計等が行なえなくしたりと、一律に法律の網をかけるような改正が行なわれると、まじめに仕事をする中小零細建設業者に過大な負担をかけることになりかねません。建設業の許可が必要とされるのは、建設工事で500万円以上、建築一式工事で1,500万円以上という基準が決められています。これは、建設工事が公共の福祉に与える影響、発注者の保護の必要性、そして小規模零細建設業者に課せられる負担を総合的に考慮し、定められたものとされています。つまり、一定の基準をつくって発注者の権利の保護は図りつつも、中小零細業者への配慮も必要だということであります。
地元のみなさんと信頼関係を作りながら、建設業を営んできている圧倒的多数のまじめな中小零細業者のみなさんに過大な負担を強いるのではなく、現行の法令に違反した悪質な業者名を公表するなど、被害防止対策の強化や、経済産業省も言及している被害者救済の対策の徹底などを行なうよう、国に強く求めまして、私の討論と致します。